◆2日目(復路/9km、所要時間5:30・コースタイム3:40)
8:55/みやま山荘をチェックアウト、下山開始⇒9:15/竜ヶ馬場(標高1504m)
⇒9:30/日高(標高1461m/ここで9:40まで小休止)⇒10:10/塔ノ岳(標高1491m)
登頂(ここで10:20まで小休止)⇒10:35/金冷シ(標高1368m)⇒10:50/花立山荘
(ここで11:30までお昼休憩)⇒12:10/堀山の家(ここで12:20まで小休止)⇒12:45
/駒止茶屋(ここで13:15までコーヒータイム)⇒13:40/見晴茶屋(ここで13:50まで
小休止)⇒14:05/観音茶屋⇒14:20/ロッジ峠⇒14:25/大倉バス停(標高290m)へ帰還
※塔ノ岳からの所要時間4:05・コースタイム2:35
続きました。
尊仏山荘の真後ろからいきなりの下降が始まります。降りる、降りる、降りる。。登る、登る、登る。。で、登り切った所が日高(ひったか)という小ピーク。ここからまたゆるやかな下降が始まるのだが、何だろ、この草原みたいな感じ。ブナの木がポツポツと生えているんだけど、後は笹の原っぱなのね。実は丹沢山域の稜線って、鍋割山稜しか行ったことないのでとても新鮮です。へえー、こんな風になってたんだね。それにしても誰もいない。トレランで戻って来る人とすれ違う以外、追い越される人もいない。大倉尾根⇒塔ノ岳までの大混雑がウソのようだ。あまりの人の居なさ加減に少し怖くなってくる。そして猛烈な風。樹木の少ない稜線なので、遮る物がホントにない。ちょっとバランスを崩すと身体ごと持っていかれそうになる。木道を通り、階段を上がると「竜ヶ馬場」という見晴らしスポット。ガスの切れ間から遠く、大山から宮ヶ瀬湖の方まで見渡せる。真後ろは熊木沢方面。ユーシンの真っ白い河原が眼下に広がる。そして神奈川県の最高峰、蛭ヶ岳。うーん、明日あそこまで行けるかなあ。
竜ヶ馬場から少し下って少し上がると丹沢山！登頂なのです！最近新しい山に全然行ってなかったからね、何気にとても嬉しいです。ピークハントに拘るわけじゃないけど、神奈川県唯一の日本百名山だし。塔ノ岳からはコースタイム1時間5分(所要で1時間20分くらい)で着いた。山頂の証の真後ろにうっすらと富士山が見える。これ、晴天なら結構いい構図なんじゃないの？一通り記念撮影を済ませ、みやま山荘にチェックイン。
受付をしているそばから電話が鳴ってる。
「はい、キャンセルですね！」
そんな感じの会話が連続している。おかみさんに訪ねると、予想通り明日の雨予報のためキャンセルが続出しているとか。予約当初は布団1枚に2人なんでもう予約は受け付けない(小屋の定員30人/収容人数60人)って言われてたんだけど、このタイミングで
「布団10枚に11人なんで、ほんの少しだけ詰めてね」
だそう。15時でこれだから、実際はもっと減るんじゃないか？
玄関外のポール立てにトレッキングポールを入れて、下駄箱に靴を入れてサンダルで土間へ。こじんまりとした木造の小屋。建て直しただけあって、非常にきれいだ。狭い中、導線も取りやすいようにうまく作られている。二階に上がって指定された一番角の寝床に荷物を降ろす。やった、端っこだよ、ラッキー！対面側が二段になっており、一段10人×3枚で計30人が定員ってことみたい。夕食は一番早い回の17:30と言われるが、まだ2時間以上あるので、外のテーブルで飲むことにした。
持ち寄った酒(日本酒・焼酎・ワイン)に受付で缶ビールを買って、つまみを持って外に出る。展望の無い山だけあって、風はかなり穏やか。展望が無いと言っても、一箇所だけ眺望のある場所があって、そこからガスの後ろにうっすらと富士山が見える。缶詰をバーナーで温めたりして、OG原さんと二人でプチ宴会スタート。16時くらいだろうか、急に気温が下がり風が強くなってきた。そそくさと片付けて小屋に入り、土間のテーブルでプチ宴会の続き。最初17時半、って言われてたのになんと、16:50にもう一回目の夕食アナウンスが入る。そのまま食堂に入り、お待ちかねの夜ご飯！
本日のメニューは鴨肉のローストでした。ホントはもう一つの陶板焼きを期待していたのですが・・・。いずれにしても旅館(旅館は言い過ぎか、民宿くらいか？)のような夕食です。ﾝーッ！ウマイ！山の中でこんな食事にありつけるなんて〜！最高です！！んでもって17時半。いい感じで酔いも回ったので、もう寝ることにした。GWのハイシーズンに山小屋でこんなにゆったり寝ることが出来るなんて。日帰りにしないで来てよかったわ〜！
「ふー、もう朝か」
目が覚めたらまだ21時でした。なんだ、このデジャヴ感。そうだ、前回のビバーク会。雨の中のツェルトで・・・。あ、雨？外はやはり雨だ。消灯時間も過ぎていたので、そのまま再度眠りの淵へ・・・。次に目が覚めたのは雨音と風の音でだった。外は凄まじい風雨のようだ。正に大荒れの天気。小屋の中の湿度がかなり高くなってる。暑くて布団に入っておられず、上に這い出してさらにまたウトウト。明け方トイレに行きたくて目覚めるが、外は変わらずの大荒れの天気だ。朝ごはんも一番早い回で呼ばれる。朝ごはんは山小屋では珍しい炊き込みご飯です。これもおいしい！
明日6時の段階で雨なので、計画通り今日の蛭ヶ岳アタックは中止に。後は天候の回復を待って下山するだけだ。他の登山客はレインウェア上下を着込みザックカバーをつけて窓から天気とにらめっこしている。小屋のご主人が上がってきた。
「まあこんな天気だしな、9時くらいまでなら大丈夫だからみんなゆっくりしていきなよ。」
もとよりそのつもりだったので、片付けも支度もせず、布団に寝っ転がって読書など。8時くらいだろうか、予想より1時間早く雨が上がった。前線が抜け切ったらしい。後は余波が過ぎれば間違いなく晴天だ。雨が上がると同時に待機組は一斉に小屋を飛び出して行った。トイレに行って歯磨きを済ませて小屋に戻ると既に支度済みのOG原さんが下にいた。
「もう、上誰もいないよ！」
急いで二階に上がると自分以外の布団は全て畳まれて、ご主人が掃除機をかけてる。こりゃ少しのんびりし過ぎたか？コンタクトを入れたりゴミを詰めたり出発の準備をしていると、ご主人が
「今日はこれからどちらまで？」
「今日はこのまま大倉に下山するつもりです。早朝から晴れてたら、ホントは蛭ヶ岳まで行く予定だったんですが・・・。」
「そうか。なーに、山は逃げねえからよ。また来なよ！」
何かとても胸に染み渡る一言をいただきました。
そんなこんなで9時ちょっと前、みやま山荘をチェックアウトして下山開始。風が物凄い。雲が動画を早送りしているようなおかしな速さで流れて行く。稜線に出ると冗談抜きで吹き飛ばされそうになる。が、しばらくしてガスが流れきると何とも清清しい空気が！朝の澄んだ空気の中の稜線！最高に気持ちい。人も全然いない。竜ヶ馬場で立ち止まり、景色を堪能する。空気が澄んでるので昨日とは全く違う景色に見える。塔ノ岳山頂の尊仏山荘もくっきりと見える。
程なくして塔ノ岳に再登頂。無人だ。何これ、GWのハイシーズンのこのドピーカンの天気で人が誰もいないとは！いや、マジで景色独り占め。360度の展望だ、ワーイ！！いやー、昨日帰らなくて本当によかった！まさかこんなご褒美が待っているとは予想してなかった！あと強風のせいで予想外に地面が乾いてるのだ。もっとぬかるみを想像してたんだが、朝まで大雨だったなんて信じられないくらい乾いてる。ゲイター付ける必要なかったわ。
あまりにも強風なので、流石に立っているのが辛くなり下山開始。金冷シで一瞬の逡巡。ちょうどお昼だし、時間もまだ早いので。ここから鍋割山に抜けて鍋焼きうどん食べて帰ろうかな、と。でも止めました。理由は登山計画書に書いてないから。気まぐれでルートや行き先を変えるなら、計画書作る意味がないし、行く可能性があったのなら最初から行動予定の選択肢に記載しておくべきなのだ。
ってことで鍋割山稜には入らず大倉尾根を下る。花立山荘で軽く昼食を取り、途中一回、コーヒータイムを挟んで14時半には大倉へ無事帰還しました。その後は渋沢に出て「丹沢で山やっててこの店知らないのはモグリ」と言われる「いろは食堂」へ。丹沢の超情報通の女将さんと色々話をして夕方には帰路へつきました。
しかし蛭ヶ岳、厳しいなあ。仮に今回のルートで往復したとすると、距離27kmで累積標高差2400m越えるとか。ひゃー。
とりあえず丹沢山とみやま山荘はクリアしたので、次回は熊木沢ルートで蛭ヶ岳直登のピストンを計画してみようかな。
■写真解説(日記の都合上、時系列はバラバラです)
�，匹Δ任垢海留海�さい青！前日のガスガス真っ白が信じられません。しかもこんな景色が拝めるのに、周りには全然人がいないという。GWの奇跡と呼ばせて下さい。
�⊃斉狎邯�唯一の日本百名山、「丹沢山」に登頂です！後ろにはうっすらと富士山が見えますよ！
��ユーシン方面を見下ろすとこんな感じ。真っ白い河原が熊木沢です。左の奥の方が昨年の滑落現場・・・。
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