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2016年04月02日21:27

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【美術】「ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想」展(上期)

皆様、御今晩は。府中市美術館にて5月8日迄開催中の「ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想」展の前期に行って参りました。(4月10日迄)


江戸時代の絵の中には、思わず、ファンタスティックと言い表したくなる作品があります。それどころか、一度この言葉を意識すると、実に多くの作品がファンタスティックに見えてくるから不思議です。
それは、珍しい作品や大作に限ったことではありません。例えば、江戸時代に本当にたくさん描かれた普通の山水画を見れば、木立を包む別世界の空気や、山の中に漂う霊気が鮮やかに感じられてきます。「お決まりの画題」と思いがちな、仙人や歴史上の人物、伝説を描いた作品からも、輝くような生気と楽しさがあふれ出します。
もちろん、江戸時代の人たちが「ファンタスティック」という言葉を使ったわけではありません。しかし、この魔法のような言葉をきっかけにすれば、当時の人たちが絵の中に見た夢や空想を、私たちも実感できるのではないでしょうか。更には、技術や画家の歴史に興味をひかれる一方で、現代人が見失いやすい「大切なもの」、つまり「絵の中で何を体験し、そこに何を感じるか」に意識を向けることもできるかもしれません。
「ファンタスティック」は、暮らしの色々な場面にあります。空を見上げれば、それだけで地上のあれこれから切り離され、そこに浮かぶ月や雲を見つめていると不思議な気持ちになります。黄昏、夜の闇、雪景色など、別世界は身の回りに広がっています。あるいは、神や仏、歴史や伝説、江戸時代の人たちにとっての外国など、実際に見ることのできない世界もそうであることは言うまでもありません。
そんな多くの人が心に感じた「ファンタスティック」を、江戸時代の画家たちは、一つの絵の中に形として表しました。どう描けば、より夢のように感じられるのか、技術や描き方も工夫しています。
この展覧会では、身の回りにあるもの、目に見えないもの、ファンタスティックと感じさせる造形のポイントといった、いくつかのテーマに沿って、作品をご覧いただきます。作品は、前期と後期を合わせて、掛軸、屏風、版画など、およそ160点です。江戸時代の人たちが絵の中に見た夢や空想のさまざまをお楽しみください。

毎度恒例の「春の江戸絵画まつり」ですが、この企画で外されたと感じる事は殆どありません。行く度に知らない作家の知らない絵に驚かされることが毎度でして、その都度自分の不明を恥じてしまうのであります。

今回驚いたのは伊達綱宗公や伊達吉村公と言った地元の御殿様の作品が堂々と飾られていることでして仙台市博物館でもこうまで堂々と展示していない筈なのであります。

伊達綱宗公の『波に燕図』等は、狩野探幽先生から絵を教わっただけありまして流石に上手く、探幽先生の「怪作」である『八尾狐図』は、主人である徳川家光公が夢に出たものを描けと言うのすが、自分が見た夢ならば兎も角人が見た夢の話を聞いて作画するとは奥絵師も楽では無かったということなのでしょう。

今回インパクトがあったのは、巨野泉祐先生の『月中之竜図』でしてお月様の中に兎があるのは普通ですが龍神さまを入れようと言う発想が凄いし、実際に観た光景を描いたという点では、原鵬雲先生の『気球図』が初めて観たのに良く此処まで描けたなぁと舌を巻いたのでありました。

今回は日本だけではなく朝鮮の絵も展示されていて『竜虎図押絵貼屏風』の龍神さまを観て驚いたのですが指が五本あって中国皇帝に献上する為の品だったのだろうなぁと思ったのと、渋谷で国芳、国貞まつりが開催されているのでそれを受けて小特集を組んでいるところも気に入ったのであります。

ですが、改めて思ったのは『柳橋水車図屏風』の構図がどの作者のものであれ「定番」としてホッと和みまた雅な気持ちにさせてくれるものだと改めて認識したのでした。




https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/fantastic.html
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