人間が一番嬉しいことはなんだろう?
長い間、ぼくは考えてきた。
そして結局、人が一番うれしいのは、
人を喜ばせるこということがわかりました。
実に単純なことです。
ひとはひとをよろこばせるこが一番うれしい。
人は何が一番楽しいんだろう。何が一番うれしいんだろう。
その答えが「よろこばせごっこ」だった。
母親がいっしょうけんめいに料理をつくるのは「おいしい」とよろこんで食べる家族の顔を見るのがうれしいからだ。父親が汗をかいて仕事するのは、家族のよろこびを支えるためだ。
美しく生まれた人は、その美しさで人をよろこばせることができる。学問の得意な人は学問で、絵を描ける人は絵を描くことで。歌える人は歌で。
人は、人がよろこんで笑う声を聞くのが一番うれしい。だから、人がよろこび、笑い声を立ててくれる漫画を長く描いてきた。
自分が描いた漫画を読んで子どもたちがよろこんでくれる。その様子を見て、自分がうれしくなる。こうしてよろこばせごっこができることが本当に幸せだ。
あなたは何をして、よろこばせごっこをしていますか?
・・・・・・以上。
「アンパンマン」「てのひらを太陽に」の生みの親・やなせたかし氏「明日をひらく言葉」(PHP)より。
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