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2016年01月23日00:49

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氷壁

「なぜ山に登る?山がそこにあるから・・・か」
 
主人公の魚津とその親友の小坂が前穂高という山に挑むのだが、
途中でザイルが切れてしまい、
小坂が墜死してしまう。
なぜザイルは切れてしまったのか?


大自然の美しさと厳しさ。
悪女というわけではないのだが、
男を翻弄する美奈子に
小坂の妹かおるとの色恋慕情、
昭和のロマン溢れる山岳小説であった。
推理小説ではないので、
ザイルが切れた事にトリックはないです。
 
小坂が好きになってはいけない人を好きになって、
未練たらたらなに、
自己憐憫に浸るシーンとか、
好きな人をあきらめるために、
さよならを言うために最後に一回だけ会うのに、
さらにぐちぐち言い出す様は
人間味があってうらやましかった。
 
しかし、
山においてはそんな世俗的な事に関係なく
容赦なく自然の猛威が襲ってくる。 


なぜ命を賭けてまで山に登るのだろうか?
僕は登山家ではないし、
晴れた日の安全日帰り登山しかしたことないので、
僕なんかにはわからない答えがあるのだろう。


「なぜ山に登るのか?」
「山がそこにあるから」


小説の中では「山がそこにあるから」とは答えないが、
山に真理を見出そうとする人であれば、
そのように答えるのも許されるのかもしれない。


サッカー選手であれば、
「なぜボールをける?」
「ボールがそこにあるから」
禅問答のように奥が深い。


お相撲さんであれば、
「なぜまわしを締める?」
「そこにまわしがあったから」
まわしを締めずに相撲をとれば大変な放送事故だ
 
変態さんであれば、
「なぜ下着を盗む?」
「そこに下着があったから」


痴漢であれば、
「なぜ女性のおしりを触る?」
「そこに女性のおしりがあったから」
 
善いか悪いかわからないが、
その道に命を賭けた人にしかわからない
人生哲学があるのであろう。

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