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2015年10月11日22:07

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純喫茶「ひこうき雲」パート2

「ギ!ギーッ、ガッタンバッコン、ガタガタガタ・・・コローン」・・・。
先週以上にひどい音がして、今日も入口のドアがきしみ、ボクの来店を知らせてくれた。

「いらっしゃ〜い♪あは!じょ、じょ、じょらんじゃないのよね〜!」
ん?このしゃべりかたは、まさか??どうも気になるなあ・・・。

「ホットひとつ。それからナポリタンもね。パセリ多めにつけてちょうだい」
ここの珈琲はかなり濃いめの焙煎で、コクがあり、砂糖だけで飲むほうが、薫りも楽しめるのだ。

昔から、喫茶店で作るナポリタンの、あのチープな味が忘れられず、頼んでしまう。
中味は、ピーマン・タマネギ・ハムと、いたってシンプルなのだが、そのいいかげんなところが、また独特の魅力を作っている。

薄暗い店内から聞えてくる有線放送からは、プロコルハルムの「青い影」が静かに流れていた。

続けて流れたのが、ハプニングス・フォーの「あなたが欲しい」・・・ほとんど同じような曲だが、名曲ではある・・・きっとインスパイアされて作った曲なんだろうなあ?

アルファードとして活動した3年間、ジャズ喫茶では、ハプニングス・フォーとの対バンも多かった。
彼らのステージ、ベースのぺぺさん以外のメンバーは、ほとんどしゃべらなかったなぁ。
ヴォーカルのトメさんは、時々ギターも弾いていたっけ。

ボクはいま、残念ながら声帯が細くなってしまって、まともに歌えないが、ダイナマイツの瀬川さんの声量は、とてもワイルドですごかった。

きっと、とても丈夫で長持ちのする声帯を持っていたのだろう。
どう考えても、壊れそうにない強い強いiパワーを感じた。

瀬川さんは、今でもライブ・ハウスで歌っているらしい。

ボクらはビートルズやストーンズはもちろん、C・C・R(クリーデンス・クリアウオーター・リバイバル)、ビージーズなどをレパートリーにすることが多かった。

その選曲は、ザ・タイガースとも似かよっていたようだ。

サリーがのっぽに来た時に「好きなジャンルはなんですか?」と聞いてみた。
「う〜ん・・・やっぱ、ソウルやね」という答えに影響されて、オーティス・レディングはもちろん、サム&デイブやベン・E・キング、パーシー・スレッジなどを聞いたが、このノリのいい曲たちは、構成は単純ではあるが、なかなか難しかった。

井上宗孝とシャープファイブも共演することが多かったバンドだが、ドラムの井上さんとキーボードの古屋さん以外はしゃべったこともなかった。
まあ、インストとボーカル・グループでは、あまり共通点もなかったのだ。

ジャズ喫茶では、タイガースやワイルド・ワンズのように、ワン・バンドで勝負できるグループの他は、2バンドがステージに立つので、アンプなどの楽器も倍になる。
アンプはほとんど真空管なので、飛んでしまったときなんか、借りることができて便利だった。

ドラムは場所をとるので、ワンセットだけセッティングしておいて、バンド・チェンジごとに、スネアだけ自前に変えて、その他の微妙な部分も調整する。

ボクはよく知らなかったけど、バス・ドラのペダルも変えていたのかも知れないな。

喫茶店の斜め前の席に座ったボディコンの女性が気になる・・・あ、足を組みかえたぞ!

「お兄さん、レスカくれる?」
「あいよ〜♪」
お兄さんと呼ばれたおじいさんマスターは、クシャクシャなニコニコ顔で、大喜びだ。

「マスター!バンドやってたらしいけど、パートは何やってたの?」
「最初はサイド・ギターで、そのうちバンド事情でベースになっちゃった」

「アニキっていう、ちょっとキザなやつがボーカルでさ」
「え!アニキ!?俺もアニキっていうんだけど・・・」

「なにそれ!?アニキ??え〜!!こんなにおじいさんじゃなかったよ?」
「・・・・・・・・・・・(キミに言われたくないのだ)」


1972年頃のニューACBライブ音源です。


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