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2015年02月10日02:05

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昭和七年のコロコロコミック

今日(というか、もう昨日になってしまったけれども)、竹橋で所用のあと、そのまま足を延ばしてひさしぶりに神保町を歩いた。本が好きなので普段から行けばいいのだが、いつもは大手古本チェーン(例の黄色いところだ)の百円均一文庫コーナーで大抵済ませてしまう。あそこは砂金の採れる川みたいなところで、とてもおもしろい。

では神保町はときめかないのか?と言われれば、それはちがう。建築、映画・演劇、写真、内燃機関の乗り物全般などについてのそれぞれの(!)専門書店。洋書の稀稿本、江戸時代の和綴じの滑稽本や黄表紙を主に扱っている店。etc、etc・・・。まったく関心のないジャンルのものでも、手にとってパラパラめくっていると、存外おもしろいものだ。

そうやってゆっくり巡回していたうちの一軒の店頭ワゴンの中に、『少年倶楽部』を見つけた。奥付を見ると、「昭和七年」とあった。手にとって斜め読みする。

あー、のらくろが載ってら。おお、景品は日光写真機かあ。なんだかこうやって眺めてると、猛烈に欲しくなってくるなあ。「少年飛行兵募集!」10才の少年なら、昭和二十年には23才か。いろいろ考えちゃうな。

そのうち後ろの方の戦記もので、バロン滋野の伝記を見つける。
男爵 滋野 清武。通称バロン滋野は、第一次大戦中、仏軍に志願し、六機を撃墜。同大戦中日本人唯一の撃墜王。

「やったぞドイツ人をやっつけた」なんて書いてある。昭和七年といえば、日独防共協定締結のたった四年前だ。

昭和七年。ヒトラーが政権を取るほんの一年前。ぼくの祖父は24才。九年後に父が生まれ、十二年後に軍医として予備役招集され、南の島で自決した。

また景品を見つけた。幻灯機だ。「マボロシのトモシビ」か。そう思うと、なんだか北風が一層身に沁みた。


DATA:Leitz minolta CL M-Rokkor QF 40/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/500
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