◆2日目(復路/所要時間6:00・コースタイム5:30）
6:05/甲武信小屋(標高2360m)チェックアウト⇒6:30/甲武信ヶ岳山頂
(標高2475m)⇒7:00/甲武信小屋、下山開始、木賊山巻き道へ⇒7:20/
巻き道合流地点、戸渡尾根へ⇒徳ちゃん新道合流点(標高1869m、ここで
9:00〜9:30までティータイム)、近丸新道へ⇒11:40/西沢渓谷入口(標高
1100m)⇒12:00/道の駅「みとみ」
続きました。
さて、甲武信小屋にチェックインしましたよ。外のテーブルではテント組の人達が夕食の準備に取り掛かってます。小屋の夕食は17時半、って書いてあるんだけど、他の人はもう食べ終わっちゃったって、早くね？
梯子を伝って二階に上がる。ここの小屋は二階が寝るスペースで一回の真下にあたる部分が食堂になってます。上に上がって納得。何これ、凄い団体客がいるじゃんか！予約の時にだーたかさんが「何か混んでるって言われた」って言ってたのがこれか！小屋番の人に聞いたらクラブツーリズムの団体客なんだそうな。150人収容の小屋が完全に満席(あえて満室とは書かねえ)。そのほとんどが団体客。こんなん初めて遭遇したわい。団体さんがいなければガラ空きだったってこと？
荷物を置いて下の食堂に移動。端っこに3人分、ポツンと食事が用意されている。メニューは山小屋の定番、カレーライス。ここ甲武信小屋のカレーはうまい、と以前から評判は聞いておりましたが、うむ。ウマい。旨いっすよ！煮込んだ野菜の甘みがとてもまろやかです。そそ、フォン・ド・ボーって感じかしら。
夕食後、入口付近の長いすに座って地酒「秩父錦」をいただく。20時消灯なので、小屋内での自由時間は実質30分くらいしか無かった。コンタクト外して外で歯磨きして(水は1L50円で買う)消灯時間ぴったりに布団入って夢の世界へ。実際夢なんて見てないんですがね。
朝4時。周りの騒がしさに目が覚める。クラブツーリズムの団体客が一斉に起き出したのだ。なおだーたかさんは3時半から起きており、お約束の早朝散策に行ってる模様。いつものことだから全く気にしない。朝食は並んだ順で5時からスタートなんですが、団体さんの後にしょうってことで外に出てコーヒータイム。バーナーとコッヘルでお湯を沸かし、ドリップコーヒーを入れる。最近まではゴミがいやでインスタントだったんだけど、やっぱりドリップはおいしいやね。清清しい朝の空気の中でコーヒータイム。至福のひと時。
だーたかさんから
「3:20頃、寝言で痛い痛い言ってたよ」
と聞かされる。多分寝返りうつ時にアバラが痛かったんだろうな。実際今も痛いし。
5:30。ご飯・味噌汁・海苔・漬物・茶碗蒸しという、シンプルにして十分な朝食をいただき、6時ちょうどにチェックアウト。徳さんにお願いして記念撮影など。いざ、甲武信ヶ岳にクライムオン！とか言ってもここから山頂までは20分くらいなんですが。
6:30。日付持ち越しでようやく甲武信ヶ岳に登頂！やった！長かったなあ。99％の苦行登山の後、残り1％でようやく景色が見える。てかここまで景色を見せない山って他にないんじゃね？奥秩父ってみんなこんな感じなのかしら。雲取の時と類似した感動がこみ上げる。これが奥秩父主脈縦走路なのか。後ろに埼玉県最高峰の三宝山。三宝岩も見えるよ。左を向くと尾根があり国師ヶ岳が見える。更に進むと金峰山、瑞垣山へと続くのか。反対側は奥多摩へと続く。尾根をずっと歩くと雲取山に出るのか。
色々と感慨無量。
記念撮影などして、さて、下山するか。
さくっと降りて甲武信小屋に到着。団体客も帰ったようで、テント場の数グループを除き小屋周りは朝の喧騒がウソのようにひっそりとしている。また徳さんに会った。
「あれ、昨日のアンカー組！まだいたの、何してんの？」
「いや、今やっと登頂して降りてきた所です。これから下山しますので。お世話になりました！」
軽く挨拶を済まし、7時ちょうど、下山開始。帰りは木賊山は通らず、巻き道を通って尾根に出ることに。雪がかなり残ってるけど、凍結しているわけではないので昨日に引き続きアイゼンは使いませんでした。
程なくして昨日の事故現場、「コーヒー豆岩」通過。昨日なぜ転倒したのか、自分なりに現場検証をする。撮影などして出発。一路近丸新道との分岐点を目指す。
9:00。分岐点に到着。ここで下山時のお約束、ティータイム。自分はちゃんとティーですよ。ミルクティ。でも若干名どんべい食べてる人とかチキンラーメン食べてる人とか。まあおなか空いたしね。いいんですよ、これで。
9:30。出発。昨日は通らなかった近丸新道へ。地図の等高線を見て予め予想はしていたが、トンでもない急登。昨日登ってきた徳ちゃん新道の比ではない。そして整備されていない具合も尋常じゃない。これがホントに正規の登山道なの？登らなくてよかった。これ、昨日と今日でルート逆にしてたらやばかったよ。ここ、自分の体力じゃ多分登るの無理。それくらいの急登ですわ。途中、真っ白なエリアを何箇所か通過した。雪じゃないぜ！ここは昔、珪石の採掘場があったらしく、そかしこに珪石の破片が散らばってぱっとみ雪が積もったみたいに真っ白になってるのです。
10:40。急登を降り切り、沢に出た。ここからは沢沿いに歩いて行く。珪石運搬用のトロッコの廃線レールの上を歩く。崖からレールが空中に飛び出しているかと思えば、土砂崩れの中に埋まってレールが消えていたり、長い年月の経過を感じさせるよ。
途中ルンゼみたいになってる沢をいくつか渡渉するんだけど、土砂崩れで橋が全部落ちてるの。まあ、橋と言っても鉄板ですが。沢を渡ると現在進行形で崩落してるザレ場を通過。ここが何気に恐い。全部で4箇所くらいだったろうか。全く整備が入ってない。
11:40。近丸新道、終了。西沢渓谷のハイキングコースに出る。
12:00。道の駅「みとみ」に帰還。荷物を降ろし、登山靴を脱いで一息入れる。時間も時間なので、ここのレストハウスで昼食に。9時にラーメン食ったのに、名物ってことで「いのぶたラーメン」を頂く。
12:30。みとみを離脱。お風呂予定地、「大滝の湯」がある道の駅を目指す。ここで風呂に浸かって楽な格好に着替えて、ようやくリラックス。一路だーたかさんちの川越を目指します。途中、渋滞を避けるために入った裏道で「一時停止違反」とかで追っかけてきたパトカーに捕まり、キップを切られる。初めて秩父に来た観光客になんて仕打ちだ、埼玉県警め！
16:00過ぎ、川越に到着。だーたかさんと別れ、横浜に戻りました。
今回も色々経験値アップな山行でした。でも奥秩父、遠いなあ。片道5時間あればもっと別の場所に行くのもありかもね。来年同時期は八ヶ岳の赤岳にチャレンジしてみようかな、と思っております。
■写真解説
�‘�本百名山の一つ、「甲武信ヶ岳」山頂！いやー、辛かった。ホントつらかったわ。まあ一番キツいルートで登ったから仕方ないっちゃ仕方ないんですがね。2475m。
��下山で通った近丸新道。尾根を降りてからは沢沿いを歩くんですが、見て下さい、コレ！トラ縄張ってあるけど、全くあてに出来ない。てか足元は現在進行形で崩れてるザレ場です。滑落したら蟻地獄のような、U字型に削れた崩落の跡を転落して谷底の笛吹川までまっ逆さまなんだぜ！こんなインディー･ジョーンズの映画に出てくるような場所が4〜5箇所ある。マップには「雨天時は徳ちゃん新道を使うこと」って書いてあるんだけど、雨の日に近丸新道がNGな理由がこれ。マジで死んじゃうって！！
��トロッコのレール跡。尾根を降りてから何気にずーと続いてるんだよ。立てカンバンの記述によると、トロッコが廃線になったのはS.46年らしいので、もう40年以上もこの奥秩父の原生林の中で朽ち果ててるんだね。他にも炭焼き小屋跡の廃墟とか出てきて、下山ルートは何気に廃墟探訪のようで別の意味で面白かったですよ。
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