■山行概要
◆【奥秩父】
木賊山(2469m)⇒甲武信ヶ岳(2475m)
◆2013/6/1(土)〜2013/6/2(日)曇り⇒晴れ、気温6℃
◆1泊2日の山小屋泊、西沢ルートでのピストン、 ピークまでの所要時間7:45
(コースタイム7:15)、累積標高差1375m、歩行距離ピストンで約15km
◆1日目(往路/所要時間7:20・コースタイム6:50）
10:30/道の駅「みとみ」⇒10:40西沢渓谷入口(標高1100m)⇒11:15/
徳ちゃん新道入口⇒近丸新道合流点(標高1869m、ここで14:00〜14:30
までお昼休憩)、戸渡尾根へ⇒17:35/木賊山山頂(標高2469m)⇒18:00/
甲武信小屋(標高2360m)チェックイン
甲武信ヶ岳に行ってきました。前回の日記にも書いた通り、元々は5月のGW明けの週末に行く予定でしたが、天候不良で延期、「関東入梅」宣言の直後、今回は天候に恵まれ予定通り決行しました。
昨年5月のGW明けに雲取山に行ったのですが、下山時に「東京都の最高峰に登ったので、来年は埼玉の最高峰に登ろう」と。。1年前から計画していたのですが、そもそも埼玉の最高峰は三宝山であり甲武信ヶ岳は2番目の高さなんですね。
甲武信ヶ岳はその名の通り、甲州＝山梨、武蔵＝埼玉、信州＝長野の三県の県境に跨る標高2475mの山で、奥秩父主脈縦走路のへそに位置しております。また、ここは千曲川・荒川・相模川の源流であり、いわゆる「分水嶺」というやつ。今回は山梨県の西沢渓谷から徳ちゃん新道を通って登りましたよ。
朝4時、起床。さくっと仕度して5時に横浜を出発。首都高で一旦都内に入り、だーたかさんを拾いに川越を目指します。7時、だーたかさんをピックアップ。川越から正丸峠の方を通って下道で秩父方面へゴー！当初9時くらい着を目論んでいたのですが、やっぱ遠いや。雁坂トンネルに差し掛かったのがもう10時。道の駅みとみに着いたのが10時半。大急ぎで仕度して歩き始めたのが10:40と、出だしからかなりのスケジュール押し。まあ今日は小屋に着けばいいや、とかなり楽観して西沢渓谷に入ります。
11時過ぎ、西沢渓谷のハイキングコースを右に反れ、「徳ちゃん新道」に入ります。勾配のきつい山道となり、だーたかさん・うちのカミさんにどんどん引き離される。まあいつものことですよ。最近はもう慣れましたが一人旅のスタートです(パーティーで行く意味あるんすかね？)。取りあえず待ち合わせは近丸新道との合流点に設定、そこでお昼を食べることに。
実はですね。徳ちゃん新道がどんな所だったか、全く記憶がないのです。何も思い出せない。辛かったという以外は・・・。いや、これマジで。写真もそんな撮ってないし。なんだろうか、丹沢の鍋割山に行った時の小丸尾根を登った時の感覚がオーバーラップ。そんな感じ。要はツラ過ぎて細かいこと覚えてないってことです。
14時ちょうど、合流地点に到着。先着の二人は既にお昼食べちゃった模様。30分待ったって。すまねえ。で、自分もさくっとおにぎりモグモグして、お湯沸かして味噌汁などすする。休憩は30分きっかりで切り上げ、歩き出すもあっという間に一人旅再開。次の待ち合わせは破風山方面へ分岐する尾根の合流点。シャクナゲのトンネルを掻き分けてヒーコラ言いながら先に進みます。
いあ。キツイわ、マジ厳しい。なんじゃこれ？実は奥秩父の山って今回初めて来たんだけど、生の山っていうの？全く整備されていない(徳ちゃん新道は整備されているのですが、すみません、記憶がない。今言ってるのは合流してから上、戸渡尾根のことね)登山道ってこんななんだ！とにかく倒木多すぎ！いったいどれだけ倒れてるんだよ、木め！しかも高さがお腹くらいあって、跨ぐのか潜るのかどっちも微妙。んでもって落ちた枝の部分が尖ってて、さしずめトゲトゲバットのハードルで急坂の障害物競走やってるみたいじゃないか。
足元に気を取られていると頭の高さの倒木にぶつかる。逆もまたしかり。道標もあったりなかったり、道もどこ歩けばいいんだかよくわからず、景色も目標物も全く見えない。時間的にスタートが遅いため、後から来る人も日帰りで戻って来る人もいない。日の差し込まない鬱蒼とした原生林の急登を、一人プロトレックの高度計と地図を確認しながら、一歩一歩進んでいく。それにしてもなんて急坂なんでしょう！平らな所がどこにもなく、座っての休憩なんてとても無理。そもそも季節がら立ち止まるとあっという間に虫に囲まれる。ハエとかなんとか。ブーンって羽音がうっとおしいったらありゃしない。
容赦のない景色ゼロの急登は塔の岳のバカ尾根ピストンやバカ尾根の西側の子丸尾根で経験してますが、今回は登山道が整備されていなくて障害物だらけなのと、距離が長いのでかなり挫ける。景色も見えないし。高度計とのにらめっこが唯一のモチベーション維持の方法。
途中から道がぬかるんで来た！と思ったら残雪出現。2000m超えた辺りから上はまだ雪が残ってるんだねえ。胸の高さくらいのコーヒー豆のような形をした岩を乗り越えようとした時だった。右足に力を入れ、フンっと気張って体を持ち上げた時、左側に大きくバランスを崩した。反射的に左側の木を掴もうとしたが、トレッキングポールを持った手ではうまくつかめず空振り。更にザックの重さで体が左に捻られる！ちなみに今回のザックは40Lで重さは14kg。ダメだ、立て直しが利かねえ！落ちる！胸くらいある高さの岩からうつ伏せの姿勢のまま転倒・落下してしまった！
倒木に左胸の下側を強打した！痛くて息が出来ない、そして動けん！何とか体を支えようとした左半身も岩に擦ったりで打撲。倒木の周りはぬかるんだ泥。胸を強打した以外にも左肘と左膝を打撲。泥まみれになって擦り傷からは血。
うーわ、やっちまった！初めてじゃね？こんなの。まずいわこれ。時間は16時回ったところ。後ろから来る人も前から下山してくる人もいない。携帯も繋がらず、先行の2人とも連絡は取れない。残雪のある標高で気温も下がってきてる。これでもし身動きが取れなかったらマジでビバークになっちまう！
取りあえず起き上がり、セルフチェック開始。泥はどうしようもないので放置することに。乾いたら払おう。擦り傷も無視。今このぬかるみの中でザックを下ろしてファーストエイドキット出してる時間はない。そして左下の胸。ゆっくり呼吸をする。呼吸に連動した痛みはない。どうやら折れてはいないようだ。体を動かしてみる。幸いザックのショルダーストラップは当たらない場所なので、これなら何とか自力で歩けそうだ。それよりも先行の二人を待たせ過ぎている。日も落ちて来たし、まずは合流地点に急ごう。
17時過ぎ、予定より45分送れてだーたかさんとカミさんに合流。泥だらけ擦りむけだらけで登場し、今までの経緯を説明。こんな泥まみれじゃ小屋は入れんだろう、ってことで、ここでウェットティッシュで全身(というか主に露出している部分。今回下は膝から下を切り離して短パンスタイルだったので)を可能な限り拭いて、擦り傷は応急手当。胸は服脱ぐ時間がもったいないので小屋までは放置することに。この時間でまだ木賊山にも着いていない。これは今日は甲武信ヶ岳登頂は無理かな、とぼやきつつ、3人で甲武信小屋を目指す。
ホントみんな、すまねえ。申し訳ないです。
程なくしてようやく景色が開け、目前に甲武信ヶ岳の全容が広がる。尾根のガレ場を通過し、コルの上に立つ甲武信小屋まではあと少し。
18時ちょうど、小屋到着。ちょうど小屋の外にいた「徳さん」にチェックインを伝えると、
「何だ、来ねえのかと思ってたよ。今日のアンカーだな。もうみんな飯終わっちまったよ。今から仕度すっから中入って。」
と。こりゃ今からピークアタックは無理だな。とみんなでそそくさとチェックイン。小屋番の方から諸々説明を受ける。はあ。
標準コースタイム5時間のところ、小屋に着くだけで7:20もかかった。時間かかり過ぎ。転倒のトラブルさえなければなあ。
その�△紡海�。
■写真解説
�〔畋瓜海了劃此Ｋ榮�の最高標高地点。2469m。視界の全く利かない樹林帯の尾根にひっそりと立つ標識。なんか浦倉山もこんな感じたったなあ。登っている最中に頂上なんてこれっぽっちも見えないの。歩いてたら知らぬ間に山頂。みたいな。だーたかさん撮影ね。
�¬畋瓜海魏爾辰申蠅�ら見た甲武信ヶ岳。というか、ここまで来ないと甲武信ヶ岳の全容は全く見えない。もちろん下から見ることも出来ず、正直ここまで来ないと今回登る山が姿を現さないというのは精神的に結構ツラいです。
�Ｋ榮�のゴール地点、甲武信小屋。木賊山と甲武信ヶ岳のコルの部分に佇む風情溢れる小屋。収容人数は150人で、そこそこの大きさ。テント場もある。トイレは水洗でとてもキレイ。名物のご主人「徳さん」と小屋番チーフの「ヅメさん」はその筋ではかなりの有名人。
ログインしてコメントを確認・投稿する