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2011年10月06日23:04

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失『恋』の話ではなく、『ショコラティエ』の話が読みたいんだ!

『失恋ショコラティエ 3』水城せとな著 読了。

う〜む。

今回、イマイチ。
つうか、良質な作品を描いてくれる作家さんだと
思うし、今作も素晴らしい表現やキレキレの
人間描写にゾクゾクもさせてくれたのだが。

な〜んでサエコさんの内面や状況描いてしまうかなぁ。

サエコさんの(あのわけ分からん)存在があったからこそ
爽太はショコラティエとなり、そしてまたサエコが
引き続き訳わからんからこそ、その努力も続く。

「見当違いの方向の自己実現」の物語として
優秀だったと思うのだ、この物語は。

サエコと爽太の駆け引きは確かに
読み応えもあるが、「別に、これなら
他でも読めるわなぁ」などと思ってもしまう。

恐らく、意図としては爽太だけの物語ではなく、
サエコの物語にもしようとしているのだろう。
だからこそ、これまで伏せられてきた内面が
今回、顔を出した(個人的には過剰に)。

だが、隠されていたからこそ、美しく見えた
宝箱の中身は、覗けた途端に魅力を喪う。

現実の恋愛では、相手の内面は覗けないし、
モノローグも聞こえない。
見える物だけが全てだ。

しかし、この作品は漫画で、登場人物の内面や
意図は読者には(恐らく全て)開陳される。

しょうもない女に引っ掛かったけどそれでも
頑張って努力してその女に振り向いて貰える
対象になる物語、なんていつのバブル期だよ、って
感じだ。

徹底的に読者に見えない処にサエコは
存在していて、ライフスタイルも心情も
全く分からない、という方が謎は謎のまま
生きていて面白かった、と惜しんでしまう。

サエコは「しょーもない女」でいいのだから。
そのしょーもなさが前面に現れてしまうと、
今度は爽太がしょーもなく見えてしまう。

それは、惜しい事だなぁと思ってしまった。

ま、優秀で才能ある作家さんだから、
きっともう一捻り二捻りしてくれて、
こんな日記を書いてしまった事を
後々赤面させてくれる事だろ、と
楽しみにしておく事とする。
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