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2011年08月07日17:34

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伊万里焼の技と粋 〜古伊万里で学ぶやきものの“いろは”〜

戸栗美術館で開催中の『伊万里焼の技と粋 〜古伊万里で学ぶやきものの“いろは”〜』に行きました。チケットは、毎度お馴染み新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん、いつもいつも有難う〜。

一応、展示内容が書かれてるHPのアドレスコピペ。
http://www.toguri-museum.or.jp/home.html

戸栗美術館。初めて行きました。渋谷の松涛の方にあるんですね。場所が場所だけに、お金持ちそうなお家が沢山あるある・・・。
戸栗美術館は、焼き物専門の美術館なのですが、ここは、クーラーの調子が寒すぎず、とても快適でございました。どの美術館もこのくらいなら良いのですが・・・。でも、展示見ながら、ずっと喋くってるおばちゃん2人組がいて、それにはちょっと辟易しましたが。壁に『他のお客様のご迷惑にならないよう、なるべく静かにご覧下さい。』と注意書きが書いてあるのですが、こういう人は、おそらく、そんな注意書きなど読まないのだろうな・・・(-_-;)。

私、あんまり焼き物知らないのです。祖母がお茶やってて茶器が沢山あったり、祖父が骨董マニアで焼き物沢山持ってたりするのに。そう言えば、我が家、やたら『蕎麦猪口』があるんですね。祖父が好きで集めたんですケド。「世の中、蕎麦猪口なんて集めてるの、うちのじいちゃんくらいじゃないの?」と思ってたら・・・。
戸栗美術館の、『焼き物資料室』に展示してあったのは、まさにその『蕎麦猪口』でした。蕎麦猪口も年代によって形や大きさなどが変わるんですね・・・。とりあえず、集めてる人は、うちのじいちゃんだけではない・・ってコトが分かりました。

では、気になった作品などをサラッと紹介。焼き物だけに!

今回は伊万里焼なのですが、私ゃ伊万里焼自体が何だか良く分かってません。なので、解説を読みながら見たのだが。

何でも伊万里焼ってのは、17Cに生まれた日本初の国産の磁器なのだそうな。当時中国と東南アジアのみで磁器は製造されていたそうなのだが、17Cに初めて伊万里焼が誕生!日本で作られるようになり、コレが、マイセンなどに影響を与えるワケですな。

伊万里は、有田磁器ってのの三様式の一つらしい。伊万里、柿右衛門、鍋島が三様式なんだそうな。朝鮮人陶工によって、創始された日本初の磁器で、佐賀県有田町を中心とする肥前地方一体で作られたモノを指すらしい。
あと。17C前半に作られた伊万里焼を『初期伊万里』と呼ぶそうな。

特徴としては、中国風の染付で、高台の直径が2/1〜4/1と小さいそうな。コレは朝鮮風なんだって。色んな国のをミックスした焼き物なんだね。素焼きをしていないので、釉薬に貫入(ひび割れ)が入りやすいという特徴もあるらしい。
色絵は、本焼きの際出来た釜傷を色絵の具で塗りつぶしたうえで、上絵かまで焼成し、傷隠しを行ったりもしてたらしい。つまり、失敗しちゃったのを色塗って直してた・・・ってコトね(^_^;)。

伊万里焼って「古九谷」って呼ぶコトもあるでしょ?アレが凄く不思議だったのですが、何でも、草創期の伊万里焼は加賀で焼かれたモノと思われていたので、「古九谷」って呼んでたからなんだって。何だ、種類が違うとかじゃないのか!同じモノなのかよっ。てか間違った呼び名が定着しちゃった・・・ってやつだったのね(^_^;)。

色絵と染め付けと同じデザインのモノが並べて展示してあり面白かった。
どっちも『荒磯文 鉢』で。荒磯に鯉の絵なのだが。同じデザインでも、藍色一色と、彩色だと印象違うね。藍色の方が落ち着いて見えるかなぁ〜。

『色絵 牡丹文 松皮菱形皿』。菱形のお皿(松皮菱と言うらしい)。上下に区切られ、上に牡丹。下には細かい花の図柄。綺麗です。

『色絵 菊花形皿』。白、青、黒の菊と葉のデザイン。花びらには凹凸がちゃんとついている。黒い菊ってのは斬新だよね。

『色絵 羊歯文 変形皿』。緑の地の皿にオリーブ色の羊歯が描かれている。ろくろを使わない糸切り成形って言う作り方をしてるらしい。裏には青海波文。裏にも趣向を凝らすところが非常に日本人的だよね。見えないところも凝るってのが日本人の『粋』なんだそうだよ。着物の裏地に刺繍とかね。

『色絵 竹虎牡丹文 皿』。右に垣根と牡丹。左にはちょっとマヌケな顔をした虎が描かれている。コレは、輸出向けに作られたモノらしい。・・・と、もっと、輸出向けに作られたっぽいモノ発見!

『色絵 花唐草文 瓜形水注』。コレ、ティーポットです。柿右衛門様式で作られたティーポット。花唐草文は、洋花風で、海外向けだったコトが分かります。ちょっと和洋折衷みたいで面白かった。

『色絵 石畳蔓草文 皿』。見込み部分下部に、石畳文って言う、石畳っぽい図柄が描かれている。上部は余白たっぷりの蔓植物。なかなか斬新なデザインで恰好良い。

『色絵 り(漢字が出ない)椿文 捻花皿』。椿の絵が盛り上がって描かれてる。この盛り上がって描く方法、陽刻って言うらしい。

『白磁 菊花形皿』。コレ可愛かったな。名前の通り、白磁だから真っ白なんだケド、24の花弁を持つ菊花形の皿だそうな。10.2cmの小皿で可愛い〜。

『青磁瑠璃銹釉 鶴亀松竹梅文 三足皿』。陽刻で青海文を背景に鶴亀文と松竹梅文が描かれると言う、非常〜におめでたい感じのお皿。亀がちょっと玄武っぽいんだよなぁ〜。、まわりに蔦も描かれてる。

『瑠璃銹釉色絵 丸文 皿』。瑠璃釉の地。白抜きみたいな感じで、3箇所丸く抜かれ、そこに、花、扇、鼓が描かれ、回りは、幾何学的な瑞祥文が円に描かれている。赤と藍色のコントラストがとても綺麗。

『瑠璃銹釉染付 梅文 皿』。銹釉(さびゆう)・・茶色っぽい釉薬のお皿に梅が描かれているのだが、茶色っぽいので、パッと見、木っぽくも見える。白梅とのコントラストも美しい。

『染付 魚形皿』。文字通り、魚の形のお皿。スゲエギョロ目の魚だな・・と(^_^;)。染付けなので、藍色一色でシンプル。

『染付 吹墨椿文 輪花文』。吹墨って、吹きつけみたいな感じで呉須顔料を吹き付ける技法らしい。13.6cmで小さいお皿なのだが、コレ、今回の私のお気に入り。凄く恰好良いと思った。

『染付 芋葉形皿』。芋の葉の形のお皿。葉っぱの葉脈は、墨はじきの技法ってので描かれているらしい。芋は沢山小芋が出来るから、子孫繁栄の意味もあるらしいよ。

『染付 蝶形皿』。コレもそのまま、蝶の形をしたお皿。何か目が付いてて、ちょっとマヌケな蝶なんだが(^_^;)。伊万里は、変形皿が盛んに作られたそうな。形に懲りたかったのかしら?

『染付 兎形皿』。兎が丸まってる形で、コレも陽刻で作られてるから盛り上がって見える。ウサギが毛並みとか凄くリアルなんだケド・・・リアル過ぎてちょっと恐い・・・(^_^;)。もうちょっと可愛く作ろうとかはなかったのだろうか??

『染付 孔雀形香合』。孔雀の形の香合なのだが、孔雀の首から真っ二つになる形式なので、首チョンパみたいでちょっと恐い・・って言う・・・。

蛸唐草も、時代によって違うってのが分かりました。初期の蛸唐草は太いのね。徐々に細く繊細になっていく。17C〜19Cまでの蛸唐草の焼き物が並んでて、比べてかなりの違いに驚いた。

『染付 菊花文 猪口』。半分にされた菊を上下に配置してる。面白いデザインだと思った。

『染付 氷裂水玉文 鉢』。デザインが水玉で斬新で今風。氷裂文(ひびわれ)に濃淡のある水玉を配してるの。高台の周囲には、市松模様。コレも凝ってるよね。

そんな感じでした。ブルジョワに向けた、キラッキラした伊万里焼もあったけれど、個人的には、やっぱり染付の方がシンプルで私は好きかなぁ〜・・・と思った。目が落ち着く・・と言うか。
あと、変な形の皿も多くて、面白かったです。

9月25日までやっているので、焼き物・・特に伊万里焼好きの方はどうぞ。

お土産はポストカード4枚。
あと、ロビーで、100円でコーヒーが飲めるサービスは良いな・・・と思った。
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