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2011年08月13日11:58

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【解説】ニッサンR90CK〜R93CK

夏休み中はCカーネタで行こうかと思う今日この頃(笑)

今日はニッサンとローラ・カーズの共同開発により誕生した「R90CK」についてです。

ニッサンとローラは1989年のWSPC(世界スポーツプロトタイプカー選手権)に向けて最初のマシン「R89C」を開発、ここで得た経験を生かし90年シーズンに向けて「R90CK」を開発しました。

R90CKはWSPCシリーズおよびIMSA−GTPクラス用のマシンとして開発され、日本のJSPC(全日本スポーツプロトタイプカー選手権)用にはR89Cから発展した「R90CP」が使用されました。

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↑90年ルマンより。
YHP車がポールポジションを獲得したマシン。

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↑最近のR90CK。
これはルマン・ヒストリックですね。

フラットな印象だったR89Cに比べると、ヨーストの962C後期モデルのようなショートデッキスタイルで引き締まった印象です。
エンジンはVRH35Z型3.5リッターのV8ツインターボで、90年ルマンの予選スペックでは1100psと言われたハイパワーエンジンでした。



90年ルマン予選、マーク・ブランデルのアタック

90年のルマンに日産ワークスは5台体制で挑みました。
NME(ニッサン・モータースポーツ・ヨーロッパ)とNPTI(ニッサン・パフォーマンス・テクノロジー)からそれぞれR90CKが2台ずつ、日本からカルソニックR90CP(日本人トリオ)1台の布陣でした。

予選ではNMEの24号車をドライブしたマーク・ブランデルが3分27秒020のタイムでポールポジションを獲得、2位に6秒近い差をつけるぶっちぎりのタイムでした。

しかし決勝が始まるとヨーロッパ組のNMEとアメリカ組のNPTIのマシンはトラブルが相次ぎ、4台の中では決勝でのファステストラップをマークしたNPTIの1台のみが完走、日本から参戦したR90CPが最上位の5位入賞という結果に終わりました。

Tカーを含め、7台が制作されたR90CKは91年以降もアメリカ組がデイトナ24時間で使用していましたが、そのうちの1台は日本のノバ・エンジニアリングに売却され、JSPCを戦うことになります。

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それがこの「フロムAニッサンR91CK」です。

ヘッドランプはフロントカウルから省略され、代わりに室内のインパネ上部に2灯のドライビングランプを備えています。
フロントはよりダウンフォースを稼げるように大きめのカナードを追加、リヤウイングはジャガーXJR−14を彷彿とさせる大きなものになっています。

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↑こちらは現在日産で保管されている92年のデイトナ24時間に参戦したR91CKです。

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こちらは現在もヒストリック・グループCカーレースで活躍するR91CK。
昨年までは意味不明な黒いストライプが入っていましたが、今年になってそれは無くなりました。
このマシンはJSPC仕様ではなく、再びノバでモディファイされ93年の鈴鹿1000kmに参戦した「R93CK」であり、ドアが無くプジョー905のようにサイドウインドウだけが開閉する様に改められているほか、リヤウイングの形状も変更されています。

以下は今年のヒストリック・グループCカーレースでのR90CKとR93CKの画像です。

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ルマンやWSPCではあまり活躍できなかったR90CKでしたが、チーム・ノバの導入したR91CKはJSPCでは常にワークスを脅かす存在となり、JSPCの2シーズン(12レース)で7回も表彰台に上がる活躍を見せました。

当時TV放映ではいつもこのマシンを応援していたので、非常に思い入れのあるマシンです。
今でも元気に走っていることがすごく嬉しいです。

ニッサンR91CK 車両諸元
全長:4800mm
全幅:1990mm
全高:1100mm
ホイールベース:2794mm
トレッド(F/R):1600/1560mm
車両重量:920kg

エンジン型式:VRH35Z
エンジン形式:水冷90°V型8気筒DOHC32バルブツインターボ
ボア×ストローク:85×77mm
総排気量:3496cc
圧縮比:8.5
ターボチャージャー:石川島播磨重工業製 2基
最高出力:800ps以上/7600rpm
最大トルク:784Nm以上/5600rpm

トランスミッション:ヒューランドVGC 5速Hパターン

ステアリング:ラック&ピ二オン

サスペンション:ダブルウィッシュボーン/プッシュロッド+コイル コニ製ショックアブソーバ

ブレーキ:カーボンセラミックベンチレーテッドディスク


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