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2011年04月24日17:19

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夢に挑むコレクションの軌跡

サントリー美術館で開催中の『夢に挑むコレクションの軌跡』に行きました。チケットは、毎度お馴染み、新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん。いつもいつも有難う。

何でも、開館50周年記念で行う『美を結ぶ、美をひらく』シリーズの第1弾らしいです。
で、今回は、新収蔵品のお披露目と、サントリー美術館が今まで収集した名品を揃えてお見せしますよ〜って言うコンセプトだったようです。なので、漆工あり、ガラスあり、ガレありの、まぁ、散漫って言ってしまえば散漫。バラエティ豊かと言えば、バラエティ豊か〜な展示となっておりました。
国宝の展示が終わったからか、お客さんは少なく、ゆっくり見られて、結構穴場の美術展かも!と思う。

サントリー美術館は、現在3000点収蔵品があるそうです。1961年に丸の内で開館され、『生活文化の心』がコンセプト・・らしい。「生活の美」に焦点を当てました!ってやつだね。TVで言うと、『美の壺』みたいな感じかも知れない。んで、コレは、そもそも、サントリー創業60周年記念で起こした事業なのだそうです。

んで、最初は『ゼロからのスタート』と題して、初期に集めたモノを展示してあった。『織部四方蓋物』。四角い蓋付きの入れ物。織部って、今見ても「斬新なデザインしてんなぁ〜」って思うね。柄が○や線で、抽象画みたいなんだもの。
『秋草蒔絵楾』。何か、急須のデッカイのみたいだった。でも、取っ手はないの。お湯や水を入れて、手で持って使ってたみたい。『伊勢物語図色紙』ってのが一緒に展示してあって、その中に同じようなモノが描かれてた。侍女が、持って、盥にお湯入れてたよ。

ここからは、可愛い鉄漿容れの蒔絵が結構ありました。
『蝶蒔絵香合』。蝶の絵柄が可愛い一品。中国では、長寿の意味の蝶。でも、『胡蝶の夢』って言う言葉もあるくらいなので、儚さも象徴しているらしい。

『松蒔絵香合』。コレは正方形なのだが、正方形のは、白粉粉を入れていたらしい。因みに、丸い形のは、練り香容れだってサ。

『鈴虫蒔絵銚子』。銚子なので、当然お酒を入れるモノ。細い草に鈴虫が繊細に描かれている。

『御所車桜蒔絵提重』。重箱なんだケド、持ち運べるようになってて、銘々皿のセットなどが入ってる。重箱を御所車に見立てているのか、御簾が描かれていたり、雛人形が描かれていたり。お姫様が使っていたのかも知れないね。

で、ここから、ガラスコーナーになります。
『薩摩切子 紅色被皿』。島津斉興が薩摩のガラスは製造を開始したらしい。んで。このお皿は、紅色の部分、フチがグラデーションになっていて綺麗なのだが、コレ、色被せが不均一であった為生まれたモノなんだそうな。つまり、本来は、失敗作だったのね!でも、この方が綺麗だよ〜。

『薩摩切子 藍色被船形鉢』。今回の私のお気に入り。藍色の船の形の鉢(菓子入れてたらしい)。先頭に、蝙蝠がデザイン化してあって、後ろには、巴紋(対極図ね)。凄く綺麗〜。蝙蝠は、東洋では吉兆なので、付けたのかな?

『白地緑被水辺花鳥文蓋付壺』。緑色の水鳥と蓮。ちょっとアールヌーボーの作品っぽいなぁ〜と思った。中国のモノなんだケドね。

『白地紅被騎馬人物文花瓶』。所謂、雪片ガラスなのですが、コレ、分厚いのですね。薄くする技術がなかったのかなぁ〜。それともわざとかなぁ〜・・・。コレも中国のモノだった。

『ダイヤモンドポイント・スティップリング天使文ゴブレット』。ダイヤモンドポイントって、ダイヤモンドで、彫っていく(点々と刻んでいく)手法らしい。コレ、是非、カップの裏側から見てみて!天使の絵が浮き上がって見えるから!思わず「おお!3D!」と呟いてしまった(笑)。照明の当て方も綺麗で、背景に影で天使が映っていた。

サントリー美術館には、屏風が沢山あるのですが、ここからちょっと屏風と絵草子コーナーになるよ!
『秋冬花鳥図屏風』。ミミズクが変で可愛い〜。土佐派の作品らしい。
『邸内遊楽図屏風』。屏風には、当時の風俗を描いたモノも多いですが、コレもそうですね。皆色んなコトして遊んでますが、腰巻姿で、お風呂入ってるらしいお姉ちゃんがエロくて良い感じ。チラっと、着物から足出してる娘さんもいますね。チラリズムのエロスですな。

『正月風俗図屏風』。お正月の風景なので、羽根突きしたり、琴弾いたり、踊り踊ったり凄く楽しげなのですが。右隅にね、あきらかに、若衆を口説きにかかってるオッサンがいて、私ゃこの人がツボ(笑)。好みの美少年を見つけたんで、ナンパしてるんでしょうね。正月だから、この後、このオッサンは、この美少年と姫初めかなぁ〜。相手“姫”じゃねえケド(笑)。

『酒伝童子絵巻』。酒呑童子のお話ね。私、このお話大好き!んで、展示してあったのは、童子が寝てるところで、もう、童子、酒でベロンベロンでした(^_^;)。

『鼠草子絵巻』。私、このお話知らないんだケド、何でも、ねずみの権頭ってのが、子孫を畜生道から救う為、人間の女性と結婚するコトを思いつく。で、清水寺でお祈りしたら、人間のお姫様を娶るコトが出来た。とても美人のお姫様だったケド、お姫様に、鼠だと言うコトがバレてしまい、結果、破局してしまった・・・と言うお話らしい。展示場面は、婚礼の場面だったみたい。女中も下男も皆鼠で、権頭も鼠なのだが、新婦のお姫様のみ人間で描かれてた。可愛い絵でした。

『かるかや』。刈萱と石童丸のお話ね。素人が描いたらしく、文字も絵もド下手なんだ。でも、それが良かったです。今まで、ちゃんとした、やれ土佐派だ、狩野派だぁ、そういうモノ見てたので、こういう素朴なのは癒されますね。もう、ホント下手なんだケド(^_^;)。ちょっとだけ、「この墨の部分は、もうちょっとちゃんと塗った方が良いよ・・」とは思ったケド。

ここから、お皿や着物や、ガレなども出てくる。

『牡丹餅文大皿』。黄土色の中央に、いびつな牡丹餅(重ね焼きにより炎が回らず円形に抜ける文様)があって、コレが、良いアクセントになっていて面白いです。備前焼らしい。

『紅型製 黄色地牡丹蝶飛燕に桐桜文』。蝶の意匠摺りなので、沖縄の聞得大君のようなノロ(女神)が着用していたモノじゃないか・・・とのコト。黄色地が美しい。

櫛に、『まとい柄』の櫛があって、コレがとても可愛かった。今しててもオシャレかも知れない。

ここから、ガレの花器など。
『花器「蝶・昼顔」』。花器の形が昼顔で、そのまわりを、蝶・・ではなく、蛾が飛んでる。ムラサキシタバと、ホウジャクって言う蛾らしい。特定出来るくらいちゃんと作ってあるのかぁ〜。

有名な『ひとよ茸』のランプもあった。あと、私が好きな『栓付瓶「蝙蝠・芥子」』もありました。前面には蝙蝠が彫られ、背面には芥子の花。紫茶の色の瓶も綺麗なんだよなぁ〜。私、蝙蝠が好きなのかな・・とも思う。

『花器「かげろう」』も又見られた。コレは、パステルカラーの綺麗なかげろうさん。儚げで良いです。

『脚付杯「蜻蛉」』。ガレは生涯にかけて、蜻蛉モチーフのモノを作るケド、この蜻蛉は、瀕死と言う感じ。何でも、ガレが、自分の死を予感した後で作られた晩年の作品らしい。蜻蛉は、ガレ自身なのかも知れないね。

ここから、茶道具やら諸々〜。
『赤樂茶碗 銘熟柿』。今回のお気に入り。テラコッタをもう少し赤くしたような色の赤樂茶碗。「おおう!コレはスゲエ!」って思ったら・・・。作ったのは、本阿弥光悦さんでした。あぁ〜、道理で。
コレに、抹茶の濃い緑が入ったらどうなるのかな?赤と緑。対照色でしょ?ちょっとワクワク。
黒く焼けた部分があって、それで「腐った柿」をイメージ。で、銘が熟柿(じゅくし)なんだそうな。

『韃靼人打毬図屏風』。韃靼人が、何かポロみたいなスポーツやってます。だから題名「打毬」なんだろうケド・・・。このスポーツ何?ポロじゃないよねぇ?

『花鳥図』。コレ、墨絵で綺麗なんだケド。何か、岸とかの感じは、雪舟風なんだケド、鳥の描き方は、狩野派なんだ。ちょっとチャンポンみたいになってて、妙だなぁ〜って思った。雪舟派の絵らしいんだケド。

『三十六歌仙図貼交屏風』。伝・岩佐又兵衛ってなってるケド、どうやら実際は、一世代以上後の弟子の作品らしい。顎が長い(顔が長い?)のは、又兵衛風だよね。確かに。
元は、画帖だったモノを、バラして、屏風に貼ったモノらしく、本来は、歌もあったらしい(絵と歌だったんだろうね)。

お土産は、ポストカード6枚と、50周年セールで、ガレのクリアファイルが半額になっていたので、それを買ってみた。便箋が850円→500円になっていて、それも欲しかったが・・・。私、便箋沢山持ってるものな・・・・・。でも、まぁ、ポストカードは腐るほど持っていても、又、買っちゃってますが・・・・。

他、光悦&俵屋宗達の色紙や、着物などもあり、ホントバラエティ豊か〜でございます。色々見たい人には、お勧めかなぁ〜と。(前述通り、散漫感は否めないケド(^_^;))
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