暑い。
最近の暑さに疲労困憊しながら
本日もお仕事。
とはいえ、最近外での仕事が
多いので、事務所戻りは定時以降だったり。
なんだよぉ、真面目なサラリーマンみたいじゃんよぉ。
などとボヤいてみせても仕方なく。
相変わらずチンタラと仕事をしたフリを
しております。
で、今日も今日とて定時終わりのタイミングで
帰社してみると。
エレヴェータホールで見慣れた人とすれ違う。
おぅ、ジンバブエさん（仮称）。
「れっさまっしたぁ」
と何語か不明な挨拶を交わし、
エレヴェータに乗り込む。
しばしの空白の時間。
ふうん、あの人がねぇ。
と余計な雑念にやはり囚われる。
こういう生々しいのはやはり嫌いだよ。
ま、気にしても仕方ないので、
早々に振り払い、自席に着く。
PCを起動し、グループウェアが
立ち上がるまでの時間にコーヒーを
煎れるといういつもの時間。
はぁ、これからひと仕事か。
おまんま食う為の稼業だ、仕方あんめぇ。
などと思いつつ、ガタガタとキーボードを
引っ叩き始める。
すると。
「おい、オメェ。やってんのかよ」
天然に凄む声が背後から。
本当にこの人は心臓に悪い登場の仕方を
するな。
ゴンドワナさん（仮名）。
「へぇ。無論やってますよ」
作業途中のワードファイルを両手で示す。
「そうか、ならいい」
しばしの無言。
・・・分ってるよ、 何を聞きに来てるのかはさ。
「・・・で、やってんのかよ」
今度は少し低いトーン。
さっきのとは意味あいが違うらしい。
ようやく来たか。
「ああ、ジンバブエさんですか？」
気付かなかった体を装います。
こういう時は気が利かないキャラの方が
何かと便利だろ。
「ちゃんと見張ってんのかよ」
お、直球。
ま、この人は腹芸は苦手なタチなので、
その方が話は速かろう。
「なかなか難しいですねぇ。ほら、確かに
僕の位置からジンバブエさんのPCは見えますけど、
その線上にちょうどマイシャ（仮名）さんがいるじゃないですか？
なんか、僕が男のマイシャ（仮称）をみつめてるのって
変ですもんねぇ」
ちょっと韜晦してみる。
「ま、見れる時でいいんだけどよ。しっかし仕事しやがらねえんだ、
あいつは」
それは前も聞いたが。
「メッセばっかしてやがるしよ」
それも前に聴きましたが。
「俺が席から立ち上がると、メッセの画面とか下げやがる
んだよ。俺から見えねぇように」
「まぁゴンドワナさん怖いっすからねぇ」
とは云わない。ケツバットだから（笑）。
ふうん。
じゃあ、状況は相変わらず、ってトコか。
俺が見て見ぬフリをしてる間に、破綻してて
くれればいいのになぁと思ったが。
無理か。
新卒間もない小娘との火遊びなんて
バカな話だ。
・・・考えてみれば、まだ相手の事知らないが（笑）。
「で、僕は具体的にどうすればいいんですか、そういえば？」
まだ色々ゴンドワナさんが話したそうにしているので、
振ってみる。つうか、このままではいつまでも仕事が出来ない（苦笑）。
「とりあえず、メッセやってたら教えろ」
だからぁ。
「・・・どうやってですか？」
「それはだなぁ・・・」
『手旗信号でも振りますか？』とか『狼煙を上げましょう』とか
云いたいけどやはり云わない。冗談通じないタイプは
気を遣うわい。
なんか、なんら有効な手段が思い浮かばないようなので、
仕方なく提案してみましょう。
「じゃあ、ジンバブエさんがメッセを立ち上げている
風情が見えたら、僕がゴンドワナさんにメールを
送りますよ」
「おお、そりゃいいなぁ」
にんまりとするゴンドワナさん。
つうか、それってジンバブエさんがやっている事と
限りなくニアなんだが、いいのかね？
いいらしい。
どうやらこれで現時点は手打ちだな。
さて。自分の仕事するか、と思っていると。
「オメェがいてくれてホント助かるよ。
今度奢るからよ」
・・・つうて、前の奢る話はまだ実現してないが。
ま、いいんだけど。
「マジであんな輩は成敗してやらないとな」
・・・へ？
ええええええええええええええええええええ？
成敗？？？
随分古風な、つうか、あんたに何の筋合いがあって？
しかもどちらを成敗したいんだ？
男？女？
まさか重ねて二つとか？
それは厭だなぁ。
関わりたくないぞ。
あんたの嫁じゃあないだろうに。
万にひとつもないだろうが、
流血沙汰なんて・・・。
いやいや、ｶﾞｸﾌﾞﾙっすよ。
じゃあ、頑張れよ、と、何を頑張るのか
分らないエールを残して去っていこうとする
ゴンドワナさん。
やれやれ、やっと行ったか。
と思うもつかの間。
くるりと振り返って、一言。
「オメェ、尾行とか得意？」
・・・勘弁してくれぇぇぇぇええええええええええ！！！！！
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