今回はリアルタイム視聴。
つうか、予約録画を忘れていた事に気付き、
大慌てで帰宅したことはヒミツだ(誰に?)。
で、今回。
やはり、机上の推理物としては非常に精緻。
一つの嘘を隠す為に次々と嘘を重ねなければ
ならず、結果として右京に全て見抜かれてしまう、
という展開に無理はない。
しかし、やはりマンションの隣同士の住人が
入れ替わる・・・というメイントリック(と言っていいのか
どうなのか)は難が多い。
まず、死因が青酸カリによる服毒死。
これは殺人の可能性も疑うだろうから、徹底的に
室内は捜索されるだろう。指紋等も。
死体のある部屋を入換えて、Aの部屋の住人を
Bの部屋の住人として処理する、というのは
厳しい。
部屋の中身も丸々入換える?無理がある。
内容を選別する?限られた時間で素人ふたりで?
時間が無さ過ぎる。
現に岸あけみと慶子はライフスタイルが全くと云ってよいほど
異なり、それを結果的に右京に見抜かれて
破綻したのだから。
そして、青酸カリの入手経路の捜索。
これは闇サイトの摘発とバーのママの申し出が
マンションの事件と関連性を持たない、という事で
処理されたのだろうか?では、青酸カリはどこから入手したと?
放置したのだろうか。
確かに、隣人の顔を私も全て把握している訳ではないし、
そういった意味では現代的で現実的な構図の犯罪である
と一見見えるが、どうも杜撰だ。
まぁ、偶々全てが上手い具合にはまった、という
慶子にとって僥倖といえる犯罪だったのだろうが。
婚約者の協力&証言も強力な後押しになったんだろうし。
ともあれ、『こうなら成立しないよね?』という要素を
いくら並べても、「成立したんだから」仕方ない。
出来はいいんですからね。
出来がいいと云えば、今回の右京さん。
犯行が露見する引き金となる台詞を聞いた時の
無言の演技が特に素晴らしかった。
水谷豊のこういう表情を引き出せるのは今の所
『相棒』のみだと思う。
しかし、よく右京さんの発する疑問を
感じた時の「はい〜?(語尾上がる)」は
何気に失礼だな(笑)。亀山が中和するんだが。
初回は『悪意なき正義の行使』、前回は『眠れる悪意』
今回は『全くの悪意の不在』。どれも面白かったが、
そろそろ、決定的な『能動的な悪』が見たい気もする。
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