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2007年01月13日16:31

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千住博展〜フィアデルフィア「松風荘」襖絵を中心に〜

山種美術館で開催中の『千住博展〜フィアデルフィア「松風荘」襖絵を中心に〜』に行きました。
チケットは毎度お馴染み、新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん。いつも有難う〜。

チケットが2枚あったので、母もご同行〜。無料で2枚あると母がもれなく付いて来る!のです。まぁ、館内は別行動なので別に構わないのですが。

さて、この“松風荘”という日本家屋。私ゃ良く知らなかったのですが、故吉村順三氏が設計し、日米友好関係増進を願う基金に基づき日本の篤志家から米国に贈られた・・・と説明にありました。
日米友好の印というコトでしょうか。
フィアデルフィアにあるそうです。
で、元々は東山魁夷が描いた襖絵があったのですが、どうやら日本画の保存の仕方が良く分からなかったらしくて(気候も湿度も違うしな)、退色して消えちゃったそうで・・・(^_^;)。
で、今回、アメリカ在住で、海外でも有名な千住博氏に襖絵の依頼が来た・・というコトらしいです。

NHK教育の“新日曜美術館”で、その襖絵の製作過程を放送していて見たのですが、千住氏は、印刷会社ではお馴染みの“色見本(色見本チップね。付箋みたいに印刷指定紙に貼っておくと、その色で印刷屋さんが刷ってくれるの)”を参考にして背景の色を決めたりするのですね。ちょっと吃驚した。今風だな・・と。
あと、千住氏は、今回の襖絵はアクリル絵の具を使って描いたらしいです。日本と気候も湿度も違うから岩絵の具より、ご当地に合った絵の具で描いた・・というコトだそうです。
その方が、保存もしやすいだろうしね。

会場に入ったら・・・薄暗い部屋の中に・・・。

滝がありました。滝だぁ〜。

灰茶のような背景に浮かび上がる白い滝。
飛沫も上がっています。
TVで見た時は、あまり大きさが分からなかったのですが、実際見ると、結構大作だったのですねぇ〜。

前述の番組で、滝の配置が決まらず悩んでいた襖絵もありました。
向かって右端・左端(対になってる襖絵だと思う)に空間(背景色のみの部分)があるのですが、この空間が良いです。

千住さんというと“滝の絵”というイメージがあるのですが、この襖絵も千住さんの滝でした。

あと、襖絵とは別に、カラフル滝の絵がありました。
“フォーリンカラーズ”というタイトルの滝の絵。
2種類あって、一つは11色(11枚)の滝。黒っぽい背景色(濃紺っぽい黒や真っ黒など、黒も様々)に紅・赤・橙・緑・青・ピンクなどなど。噴水に照明を当てて、色々な色にする演出があるケド、そんな感じがしました。
日本画の現代アートという感じでしょうか。
11枚の方は、彩度が高くて華やかですが、もう一つの“フォーリンカラーズ”は5枚組(5色)で、彩度も低く、マット調。
赤い滝は血が滴ってるようにも見える。
好みによると思うが、私はこっちの方が好きでした。

滝以外の絵もありました。
面白かったのが“水 渓谷”という作品。
板に描かれているのですが、川の部分にわざと色を塗らず、木目を川の流れに見立てて絵を描いているのです。
白鷺(鴫かな?)が川の中に描かれ、渦を巻いてる木目を川の渦に見立て、そこに植物を描いていた。
背景の濃紺は、下の紙の色。つまり、木を背景部分のところだけ切ってある・・というコトですね。
千住氏は、川の渦も木目の渦もどちらも自然の作り上げた共通項のモノ・・と言いたかったのかな?

あと、“南方”という絵は、アンリ・ルソーの幻想絵画のような南方絵だった。面白い。コレも日本画なんだね。

私のお気に入り2点。

“無名抄シリーズ 八月の空と雲”。
中学・高校時代の美術で“マーブリング”という技法の絵を描いた人も多いと思いますが、それで描かれたらしい絵なのです。
薄茶のマーブリングの背景に、月が浮かんでいる。
(余談だが、千住さんは月がお好きなのでしょうね。絵に月が描かれているコトが多かったです。雪月花は日本画の基本だしな)
偶然の形だと思うのですが、そのマーブリングが本当に雲に見えるのです。3点ありました。綺麗でした。

“夜桜”。
闇夜に妖しく薄紅に光る桜。画面左下には猫の目のような三日月。
木の幹も黒で描かれているので、闇夜に浮かぶ薄紅花の滝のようにも見えます。妖艶な1枚。

千住さんは、まだ、48歳なのですね。30代で有名になってしまったからか、もっと年齢が高い気がしてました。
千住さんの写真も飾ってあったケド、滝の襖絵をバックに気難しそうな顔をしておられた。
どうも千住氏のイメージは、緻密に計算して絵を描く神経質で気難しそうな人・・というイメージなのですが、本当はどんな人なのだろう?

お客さんも平日の午後にしては、結構入っておりました。

山種美術館特製カレンダーというのを売っていたのですが、母が買っておりました。我が母。年末年始に美術館へ行き、カレンダーを売ってると何故か、8割方買って来るのです。
貰ったカレンダーが余ってるのに(^_^;)。
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