やはりというのか順当にというのか、
予想通りあの馬がこのレースに進んできました。
ここで決め手になるのは競馬場への適性でしょうか。
第85回 優駿牝馬(オークス) (G��)
東京競馬場 芝2,400m ３歳牝 国際 定量
やはり予想通り、そして無事に、桜花賞馬が
このレースに進んできました。
今年も牝馬二冠の期待が高まってくるのは、
この馬の本来の適性を考えてみてのことです。
３歳馬のレースは、英国流のやり方を踏襲し、
日本でもＧ�汽譟璽垢瓦箸傍�離延長していく
というパターンになっています。
牝馬の場合は、桜花賞前後までマイル競争程度の距離。
オークスまでのステップレースで、2,000m程度に
距離延長がされていきます。
そして牝馬限定のＧ�汽譟璽垢箸靴討郎把垢離譟璽垢�、
今回のオークスになります。
牡馬の場合は、皐月賞で2,000m程度まで延長し、
ダービーでクラシックディスタンスに到達。
菊花賞で３歳競走最長の3,000mにまで延長されます。
日本の牡馬クラシック競走は、次々に挑戦していくたびに、
未経験の距離に挑んでいくようになっていきます。
牡馬クラシックが、段階的に距離を引き上げていくのに対し、
牝馬の場合は、第１戦から第２戦の間で、
一気に800mの距離延長を課していて、
このオークスで最長距離になるということです。
牝馬限定レースだけで戦っていくつもりであれば、
牝馬にとってこれ以上長い距離を走る必要はなくなります。
そういう意味では、３歳牝馬にとって、
桜花賞からオークスまでのステップアップは、
競走馬のキャリアの中で、最も困難な壁になってきます。
では今回の出走馬たちにとって、どの馬がこの壁を
乗り越えることができるのか、それを見極めるためには、
血統から見た距離適性を考えることと、
東京競馬場に対する適性を判断することが必要ですね。
4枠7番 ステレンボッシュ
やはりこの馬がこのレースに進出してきました。
桜花賞を制した時点でも、この馬の本来の適性は、
オークスくらいではないかと思っていました。
この馬は、桜花賞も含めて、これまで1,600mの
レースしか出走したことがありません。
このキャリアだけで考えてしまうと、
この馬はマイル主体で走っていく競走馬なのだろう。
そのように考えていくのが自然だと思います。
しかし昨年の阪神ＪＦでアスコリピチェーノの
２着に入った時も、適性ではアウェイになるであろう、
マイルの距離で、クビ差の２着に迫ったことに、
むしろ驚かされました。
だからこそ、この距離で競われる桜花賞で、
優勝できてしまう馬であれば、
間違いなくオークスの最有力候補になる。
そのように感じられました。
ちなみに桜花賞時のライバルであった
アスコリピチェーノは、これも予想通り、
マイルの道へ進んで、ＮＨＫマイルＣで、
ジャンタルマンタルとのデッドヒートを繰り広げましたね。
つまりマイル適性の高い馬とのレースを繰り広げ、
それでも勝ってきたというところに、
この馬の強さを感じさせます。
父がエピファネイアで、母父がルーラーシップです。
この組み合わせが長距離適性を強く感じる点です。
血統の組み合わせで見れば、菊花賞を目指したくなる馬ですね。
改めて父のエピファネイアは、クリスエスを経由する
ロベルト系で、もともとタフな血統として知られます。
母系のルーラーシップはキングカメハメハ産駒ですね。
この組み合わせ自体、長距離系だろうということと、
東京への適性の高さを強く感じる組み合わせです。
実際東京コースでも優勝したことがありますし、
これまでのキャリアで、連を外したことがない馬というと、
今回の出走メンバーの中では、この馬しかいません。
こうした血統要素とキャリアを持つ馬となると、
2,400mという距離が初体験であっても、
この馬が最有力候補になるのかなと感じますね。
6枠12番 チェルヴィニア
昨年の２歳時にアルテミスＳ(東京Ｇ�掘┝�1,600m)に
優勝し、重賞ウィナーになった馬です。
その後すぐに休養に入り、明け３歳では鉄砲使いで、
桜花賞にチャレンジしました。
約半年ぶりのレースがいきなりＧ�気箸いΔ海箸蓮�
さすがに負担が大きかったと考えるべきなのか、
その桜花賞での１３着というのは気にはなります。
これを練習不足によるものだと切り捨てて考えるべきなのか、
実力相応のものなのか、見極めることが難しいかもしれません。
また東京、新潟、東京と転戦した昨年のレースでは、
連を外したことがなかったこの馬ですが、
阪神の桜花賞でいきなりの着外。
こういう風に考えると、直線の長い競馬場でこそ、
実力を発揮できる馬なのかもしれないということで、
極端に東京に適性が合った馬なのかもしれない。
そういうようにも考えられるかもしれません。
父がＫＧ＆ＱＥＳの優勝馬、ハービンジャーです。
この馬がデインヒル系で、この系は中距離での、
スピード能力が期待される血統ですね。
母父がキングカメハメハということで、
いわゆるキングマンボ系ですね。
この組み合わせからも想像できますし、
母のチェッキーノがオークスＴＲのフローラＳを
優勝し、オークスでも当時優勝したシンハライトから、
クビ差の２着に入ったチェッキーノなんです。
母がオークス２着馬という点も、
オークスのコース、東京のコースへの適性を感じます。
7枠14番 ライトバック
桜花賞での２強対決にクビ差まで迫ってきた馬です。
正直なところ、桜花賞ではステレンボッシュと、
アスコリピチェーノの２強対決が際立つのかなと、
考えていましたけど、ここにこれだけ僅差に
迫ってくる馬が現れるとは思っていませんでした。
そういう驚きも込めて、注視しておくべき馬なのかな…
というように感じます。
重賞未勝利なので、実績が伴っていないことが、
判断の難しいところです。
それでも桜花賞に出走してみても、ステレンボッシュから
３/４馬身差まで追いつめられたわけですから、
勝ち切れないだけで、実力がないわけではないと思います。
父がダービー馬のキズナ、ディープインパクト産駒ですね。
この父系を考えても、東京競馬場への強さを感じます。
母系はデインヒル系ですので、
これも中距離系への強さを感じる血統ですけど、
なんといっても、このディープ×デインヒル系という
組み合わせは東京に強いんですよね。
勝ち切れていないという点はありますけど、
ものすごい爆発力を感じさせる馬でもあります。
5枠10番 アドマイヤベル
ステレンボッシュに次ぐ成績の安定性を持つ馬です。
キャリアの浅い３歳馬のレースですので、
こういうのも珍しいのですけど、
３着以内を外したことがない馬にまで限定すると、
この馬とステレンボッシュしかいません。
昨年リバティアイランドが優勝した時も、
無敗馬がいたり、連を外したことはない馬もいたりと、
リバティアイランドの勝率だけが際立っていた
ということはありませんでした。
そうすると、勝率の高さが際立っているということは、
それだけ出走馬の中でも抜きに出た存在ではないかと
期待されてきます。しかもこの馬がオークスＴＲの
フローラＳ(東京Ｇ�供┝�2,000m)の優勝馬です。
フローラＳの優勝馬からは、先ほど出てきた
チェルヴィニアの母チェッキーノがオークスで
２着に入り、同じくオークス２着になり、
後にエリザベス女王杯で優勝するモズカッチャンも、
フローラＳの優勝馬です。
桜花賞からの距離延長を行う上で、東京競馬場で
2,000mにまで引き上げてくるこのオークスＴＲは、
それだけでも意味があるようです。
だからこそフローラＳの優勝馬の優勝馬は、
ついつい気になってしまいます。
父がダービー着で、ＪＣの優勝馬スワーヴリチャード。
この馬は大阪杯の優勝経験もありますけど、
やはりハーツクライ産駒らしく、東京は強さを
発揮することが多かった馬です。
母系がミスプロ系になるので、
距離としては2,000mくらいまでがいいのかな
というように感じます。
しかしいわゆるサンデー系×ミスプロ系ですので、
なるほど東京だからこそ強いという要素はありますね。
1枠1番 ミアネーロ
米Ｇ�鞠呂鯤譴忙�つ馬なので、良血で期待されていた馬です。
そして前走フラワーＣ(中山Ｇ�掘�1,800m)を優勝した馬です。
オークスの優勝馬というと、前走は桜花賞の上位実績を
もつ馬というのが、圧倒的に多いです。
オークス優勝馬で、前走がＧ�気任呂覆そ転泙如�
上位実績をあげてきたキャリアの中で、
オークス馬も何頭か出しているステップレースというのが、
フラワーＣになります。フラワーＣは中山競馬場なのですが、
おそらくはここまで中山開催が多かったので、
その中山で距離延長をしていき、
東京コースに臨むという方が、成長度合いにも
適しているということなのかもしれません。
そういう意味でもこのフラワーＣ優勝馬は侮れません。
父がドゥラメンテで、この馬からは、
すでにリバティアイランドとスターズオンアースという
二頭のオークス馬が誕生しています。
この馬自身もそうですが、産駒に伝える東京への適性は、
もはや疑いようもないという感じですし、
母が前述の通り米Ｇ�鞠呂離潺好─璽縫腓任后�
母の実績が高いというだけではなく、
この母がエーピーインディを経由するシアトルスルー系で、
スタミナ面が期待できる血統であり、東京でも実績のある
血脈でもありますね。
この配合から見ると、オークスで期待しちゃいます。
キズナ産駒で、東京競馬場でも優勝経験があるのが、
1枠2番 クイーンズウォーク この馬は前走の桜花賞で、
失速しすぎたところで、評価が下がってしまいました。
桜花賞だけのマイナス面を考えすぎないようにすると、
目を離してはいけない存在かもしれません。
東京初挑戦になってしまうという理由で、評価が下がって
しまったのが、7枠13番 スウィープフィート
母の母がスイープトウショウで、父はスワーヴリチャード。
こういう組み合わせを考えると、経験がないだけで、
東京で走らせてみれば、きっと適性が高いのだろうな
ということが想像されます。
血統の組み合わせからの想像なので、
実績という確証がないだけです。だからこそ未知数が多く、
この馬も気になる一頭ですよね。
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