タイトルは、1994年に地震学者の石橋克彦さんが著した本で、
首都圏直下型地震など現代の都市型震災のリスクについて述べていましたが、
その翌1995年に阪神・淡路大震災が発生した事で脚光を浴びましたので、
お読みになった方もいらっしゃるかと思います。
僕が読んだのは、阪神・淡路大震災の後で、
買った覚えがあるので、先ほど探してみましたが、見つかりませんでした。
内容は、余りよく覚えていませんが、
プレートの動きなど分かりやすかったと思いました。
そして、何よりも、「大地動乱の時代」と言う言葉が記憶に残りました。
ご承知のように、今日は2011年3月11日の東日本大震災から13年になります。
その後も、2016年4月14日からの熊本地震、
2018年9月16日の北海道胆振東部地震、
そして今年の元日の能登半島地震と最大震度7を記録した地震が続きました。
かつて、科学者の寺田寅彦は、
「天災は忘れた頃にやってくる」と言ったとの事ですが、
今は、「天災は忘れる間もなくやってくる」と言う感じがしていて、
正に大地動乱の時代なのだと思っています。
寺田寅彦は、夏目漱石の門人と言われていて、
『吾輩は猫である』の水島寒月や
『三四郎』の野々宮宗八のモデルとも言われています。
寺田寅彦が1933年に発表した『津浪と人間』では、
津波は定期的に起きるもので
そのことは10年も20年も前から警告しているという学者の主張と、
20年も前の事など覚えていられないという被害者の主張を取り上げ、
これらはどちらの云い分にも道理があり、
つまり、これが人間界の「現象」なのであり、
人間が過去の記録を忘れないように努力するより外はないと述べています。
現在、千葉県東部で群発地震が起きていて、
断層がゆっくりと滑るスロースリップと言われていて、
このスロースリップは、東日本大震災や能登半島地震の前にも見られたとの事です。
このため、千葉県内では、飲料水や非常食などの売れ行きが伸びているそうです。
地震に備える人が多くなっているのでしょう。
東日本大震災から13年が経過しましたが、
マスコミなどは引き続き取り上げています。
こうした地震の被害を風化させない努力が必要なのだと思います。
一方、政府は、福島第一原発の事故を風化させてしまったように、
原発の再稼働を進めています。
前述の石橋さんは、
1997年から、大地震によって原子力発電所が炉心溶融事故を起こし、
地震災害と放射能汚染の被害が複合的に絡み合う災害を「原発震災」と名付けて
警鐘を鳴らして来ました。
原発は本当に大丈夫なのかなと気になっています。
【今日の一句】
難しい 言葉ならべて 煙に巻く
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