mixiユーザー(id:39816565)

2023年12月15日14:44

67 view

ラヴ・ストリームス(Love Streams)

「愛は流れのようなものよ。」
映画監督ジョン・カサヴェテスと女優ジーナ・ローランズ。映画に愛され、映画を愛した稀代の夫婦。そんな二人によって描かれる、愛、孤独、そして家族。”米インディーズ映画の父”とも言われる鬼才カサヴェテスの集大成的作品であり、フィルモグラフィー後期を代表する傑作サスペンスドラマ。愛や孤独をテーマにした小説を書く弟をカサヴェテスが、愛と狂気に囚われた姉サラをローランズが演じている。

流行作家のロバート(ジョン・カサヴェテス)はハリウッド郊外にある自宅で、秘書や若い女性ファンたちとの生活を送っていた。彼は新作の取材で行ったナイトクラブの歌手、スーザン(ダイアン・アボット)に惹かれていた。ロバートの姉サラ(ジーナ・ローランズ)は、夫ジャック(シーモア・カッセル)との15年の結婚生活に終止符を打つべく、1人娘の養育権をめぐって協議を重ねていた。繊細さかつ激情的な気性に精神バランスがとれず、何度も入院を繰り返すサラ。医者の勧めで旅行をしても気が晴れない彼女は、久しぶりに弟ロバートを訪ねる…。(international visual corporation ウェブサイトより)





<2023年11月26日 劇場鑑賞>「JOHN CASSAVETES RETROSPECTIVE REPRISE」より

 ジョン・カサヴェテス監督の作品は、「グロリア」を見ました。同じジーナ・ローランズ主演で息子監督の映画「ミルドレッド」も見ました。結構好きでした。でも、なぜか「こわれゆく女」に手を伸ばすことができなくて、ここまで来てしまいました。正直なところ、”病気系の女性”が苦手だったってこともあったと思います。今回地元和歌山県で「レトロスペクティブ」が開催されていたのが感動で、作品はたった一つ「ラブストリームス」だけでしたが、早々に鑑賞に駆けつけました。

 しかし、結論から言うと、やっぱり「こわれゆく女」だった。いや、作品は見ていないけれど、主演のジーナがどんどん壊れてゆくのです。彼女は元々裕福って設定でしたから、奇行に走ることがあっても、生きてゆけるのですね。働く必要もないし、パリに行くだけでスーツケースを何十と持っていても、タクシー運転手やポーターをたくさん調達すればいいだけです。生活できなくなるわけでなし。しかも、こういう女性は、得てして美人なんです。それで、どんなに行き詰まろうと、ふらっと場違いなところに立ち寄ろうと、皆(主に男性)が優しいんですね。まぁ一説には、美人でない場合は淘汰される(死ぬ場合も含めて)だけなので、かばってもらえる美人だけが残るのだとも言いますが、とにかく、自分で必死に働くしかない平凡な自分は、うらやましいだけで理解できないわけです。

 しかし、さっき調べてわかったのですが、ショーン・ペンやロビン・ライトが主演した「she is so lovely」も、ジョン・カサヴェテスの遺稿を息子が監督して仕上げた作品だったのですね。傾向、同じですね。ジョンは、よほどそういうタイプの女性が好きだったのか、あるいはもっと深く、常識を外れる人間の深淵に興味があったのか。でも、彼がこれほど支持されているということは、もっと深いところで感じ入ることが必要なんでしょうね。人間が浅くてすみません(笑)。

 ジーナ・ローランズは、相変わらずうまかった。これほどエキセントリックな女性がハマるのに、「グロリア」ではひたすらカッコよく、「ミルドレッド」では誠実で優しい主婦を演じて、エキセントリックさなんて微塵も感じさせなかった。すごいですね。

 でも、そうこう言いながらも、結構見入ってしまったので、「こわれゆく女」も見てみようかな、と思っている今日この頃です。
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する