『アルマゲドン・タイム　ある日々の肖像』感想

〜「エヴァの告白」「アド・アストラ」のジェームズ・グレイが監督・脚本を手がけ、自身の少年時代の実体験をもとに撮りあげた人間ドラマ〜
〜1980年、ニューヨーク。白人の中流家庭に生まれ公立学校に通う12歳の少年ポールは、PTA会長を務める教育熱心な母エスター、働き者でユーモア溢れる父アーヴィング、私立学校に通う優秀な兄テッドとともに何不自由なく暮らしていた。しかし近頃は家族に対していら立ちと居心地の悪さを感じており、良き理解者である祖父アーロンだけが心を許せる存在だ。想像力豊かで芸術に関心を持つポールは学校での集団生活にうまくなじめず、クラスの問題児である黒人生徒ジョニーは唯一の打ち解けられる友人だった。ところがある日、ポールとジョニーの些細な悪事がきっかけで、2人のその後は大きく分かれることになる〜＜映画.comさんより＞



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

何やら怖いタイトルである。世界の終わり・・・。
（ちなみに、マイケル・ベイ監督の『アルマゲドン』は未見）

途中、クラッシュの曲が使われていて・・・私、クラッシュは好きだったけど、その曲は知らなくて・・・後で調べたら、そのタイトルがARMAGIDEDON TIME。
そういうことだったのか。ちなみに、クラッシュはあともう１曲も使われていたような。

巷の感想で「ある意味『シング・ストリート』に似てる」っていうのを見たので、どこがそうなんだろうって思ってたら・・・なるほど、なるほど、確かに、そうだった。
いじめ、転校（『シング・ストリート』とは逆で、公立校から私立校へ）、兄と弟、この場所から旅立とう、ダンスパーティ等々。

しかし、ずっと暗い作品だった。家族のいる室内がまず暗めで・・・。

ポールの家族、父親は配管工。
母親は教育熱心で、現在のPTA会長では物足りず、教育委員会入りを目指している。
ポールの兄は私立高校に通っているが、一家の経済状態では私立は１人が限度。
時折遊びにくる祖父（母親の父）のアーロン。
アーロンから語られる祖先（ウクライナのユダヤ人）の話が、まさに今に繋がっていた。
ロシアのコサック兵がウクライナの村でユダヤ人を虐殺。アーロンの母親の両親が殺された。
祖先はそこから３つの異なる国を渡り、最後にアメリカにたどり着いた。

ふとしたことから、仲良くなるポールとジョニー。
ユダヤ系の名前の学校教師は、自分よりも下層の黒人ジョニーから名前についていじられたのが腹立たしくてしょうがない。
ポールも実はユダヤ系の姓なのだが、普段はそれを隠して「グラフ」としている。

ポールは絵描き、ジョニーはNASAの宇宙飛行士になるのが夢。

地下鉄に乗っているとある黒人男性がジョニーに「黒人が夢をかなえられるわけがない」と言ってくる。

ある時、葉っぱを手に入れたジョニーはポールを学内のトイレに誘い、２人で吸う。
その結果・・・ポールは転校を余儀なくされる。

ポールは、ジョニーと縁を切らなければいけなくなる。
転校した私立高校にジョニーが来るが、冷たい態度をとらざるとえない。
仲良さそうにすれば、まわりから揶揄される。
友だちを傷つけ、自分も傷つけ・・・。

だが、ある時、ジョニーはポールに「一緒にフロリダに行こう」と言い出し、ならば「学校のコンピューターを１台盗めばお金になる」とポールは話す。

人種差別、階級格差。
同じ事をやらかしても、ジョニーは逮捕されるが、ポールは助けられる。
ポールがとにもかくにも、それが自分の計画だったと話せたことはよかった。
ポールは・・・この出来事を一生背負って生きるのだろう。

エンディング、アーロンからもらったいくつかの言葉を胸に、ポールは歩き出す。

※予告編
https://youtu.be/PtbwYXzG-sU

メインの話じゃないけど、ちょっとウルッってなったのは、ポールの父の話。
「俺は配管工一家の息子だったが、アーロンだけはその事をバカにしなかった」

で、感想なんですが・・・最初から最後まで、どうにも主人公のことが好きになれませんでした。
それゆえ、物語にも深くは引き込まれなくて、ずっと浅瀬。
どの部分に感動していいのかすらわからなくなり、最後も、あれあれ？っていう状態で終了。

ちなみに、キネ旬Reviewでは、３人皆、４つ☆だったゆえ、私は取り残された気分。
http://www.kinenote.com/main/feature/review/vol189/p3.aspx

ちなみに、副題は150％、要らないと思います。
まあ、私のその年代の知識不足かな。こういう作品もあるさ。しょうがない。３つ☆