続きました。
◆1日目【活動時間/5:30、行動時間/4:10】
7:30/沢渡駐車場着(ここで朝食・装備と天気のチェックを済ます)⇒
タクシーに乗車⇒8:30/上高地バスターミナル(標高1505m)着、ここで
登山届け提出＆うんこタイム⇒9:25/上高地を出発、登山開始⇒10:20
/明神(ここで10:35まで小休止)⇒11:30/徳沢(標高1562m/ここで11:50
まで中休憩)⇒12:05/新村橋⇒12:50/横尾(標高1620m/ここで13:20まで
中休憩⇒14:00/槍見河原⇒14:10/一の俣(標高1705m/ここで14:25まで
小休止)⇒14:30/二の俣⇒14:55/槍沢水力発電所⇒15:05/槍沢ロッヂ着
(標高1814m)、チェックイン
◆写真はYAMAPへ↓
大キレットに行こうとした
https://yamap.com/activities/19733917
【1日目】
さて9/18(月)早朝、まずは5時にロビーに集合して最新の天気予報を確認する。現在台風14号は能登半島沖の日本海を移動中のようだ。位置的には台風より西側にいるので、嵐は去った、と言いたいところだが流石の超大型台風！塩尻はまだ大雨の強風真っただ中！様子を見に外へ出るも、庇の下でも一瞬で全身が濡れてしまう。とてもじゃないが駐車場に車を取りに行ける状態ではない。仕方無いので再度、お風呂に入ったりして、6時までは健康ランドで様子を見ることに。
台風の位置に対して自分らは南西方面におり、塩尻から上高地への移動は北上するので台風に近づくことになる。塩尻でこの荒れ具合だと、上高地方面はさらに風雨が強いはずだ。無理して今すぐ出発するのはどう考えても得策ではない。
朝風呂に入ってサッパリしたら、コンタクト入れたりウンコしたりして出発の準備を整える。チェックアウトを済ませたら移動開始。風雨は1時間前よりはだいぶ弱まっている。取り合えず自分一人、空身で傘を借りたら駐車場の車へダッシュ！エントランスの庇の下に車を移動して、荷物の積み込みを行う。ちなみに石和の健康ランドはエントラスにこの庇部分が無いので、雨の日は濡れてしまうのだが、その点、塩尻の健康ランドは雨の日に強い。
塩尻北ICから長野自動車道に乗り、松本ICで降りたら一路、沢渡駐車場へ。3連休の最終日の早朝、車は殆ど走っていない。途中、新島々の少し手前のコンビニに入り、朝ご飯や山中での食料などを調達する。コンビニの庇の下でサンドイッチをモグモグしていると、雨が小降りになってきた。風もだいぶ収まってきている。時間の経過と共に台風は遠ざかって行くのだから、当然と言えば当然か？この調子なら沢渡からの移動も雨に濡れずに済むかも知れない。
8時ちょうどくらい、沢渡に到着。いつも通り第3駐車場へ移動する。シーズン中は車でビッシリの駐車場も、今回ばかりはガラガラである。折角なので連絡トンネルの直ぐ近くに駐車して、身支度にとりかかるが、ここでは登山靴を履く程度。上高地バスターミナルでの天候がどうなのか現段階ではわからないので、まずは移動だけして身支度は現地でゆっくり行いながら様子を見る算段です。
タクシーに乗車して移動開始。運転手さんの話では、今回の台風による増水のため、昨日から大正池はゲートを開けて水を抜いているのだそうだ。確かに進行方向左手に見下ろす大正池はいつもより水位が格段に低い。水抜き大正池なんて初めて見ましたわ。
8時半過ぎ、上高地バスターミナルに到着。ほぼ無人の上高地、何度も来てますがこんな光景は今回初めてです。登山客は自分らを含めても10人もいないんじゃないか？天気を見ながらノンビリと身支度を開始。すると9時過ぎに完全に雨が上がり、空に晴れ間が差してきた！おー、これは今日から3泊4日の縦走登山、台風一過の秋晴れが期待出来るんじゃねえの？平日で空いてるだろうし、これはもう、勝利の予感しかない！
雨は上がっても本日のルートは基本、樹林帯の中ですからねえ。どういうことかと言うと、水を湛えた樹木が風に煽られると葉っぱからバラバラと水を落としてくるのだ。レインウェアを着込むかどうか迷う。レインウェアは着なくてもザックカバーは装着した方が良いだろうか？ベンチが濡れてたりすると、ザックを置く時に濡らさないためにもね。色々迷った結果、この後は晴れるだけなので雨具類の装着は一切無し！足元がぬかるんでいるはずなので、ゲイターだけを装着することに。9時半前、登山計画書を提出したら、想定見込みよりもかなり早くに上高地を出発です！やった〜、台風に勝ったゾ！
まずは河童橋へ移動。ここで衝撃の光景が！何と、梓川がカフェオレみたいな色になっているじゃないか！雨の日や台風の時など、上高地には何度も来てますが濁った梓川を見るのは初めてっす。土がほとんど無い梓川は、雨の日は増水するだけで濁ったりしないんだけどなあ。水量が増えると青さが増して、雨の日の梓川はキレイなので好きだったんですが、こんなカフェオレ色になってしまっているとは。ちなみに明神橋から流れ込んで来る水流は、正に清流そのものでして、もしかしたら河童橋近辺だけなのかも知れないねえ。
雨は上がって上空に晴れ間は差すも、河童橋から見る岳沢方面は完全にガスの中で、穂高の峰々は全く見えない。早目に出発出来たとは言え、通常の登山に比べてスタートが遅いことは変わり無いので、寄り道はそこそこに最初のマイルストーン、明神へと歩を進める。到着した明神も驚く程に人が少ない。上高地バスターミナルと同様にほぼ無人と言って差し支えないかも。トイレ休憩だけ済ませたら、次のマイルストーンである徳沢へと急ぐ。
明神と徳沢の区間はいつも大量の猿が出るのだが、今回は一匹も遭遇しませんでした。徳沢で少し行動食を摘まんだら直ぐに行動再開。ここから先、GWに来た時は梓川の右岸へ迂回させられたんだよなあ、工事のため。吊橋の「新村橋」を車輛が通行出来る橋に架け替えるらしいんだけど、工事の終了予定時期は令和9年となっている。まだ5年も先じぇねえか！この間、ずっと迂回路を通行するんか？と思いきや、普通にいつものルートを通れるようになってました。新村橋もそのままで、吊橋も通行可能なようですぜ。
そんなこんなで横尾に到着。横尾山荘の周辺もほぼ無人に近い。ホントに人がいないんですねえ。時間もちょうどお昼なので、ここで少し長めの休憩を取ることに。元々初日はお昼は食べずに早目に槍沢ロッヂに入り、ダラダラ飲みながら過ごす想定だったので、多めに持参したおつまみ兼行動食をここで消費することに。どうも水分不足な感じがして、自販機でCCレモンを買って飲んだよ！(だからどうした？)
休憩を切り上げて行動再開。ここ最近は涸沢方面にばかり進んでいたので、他のコースは久々っす。2016年の同時期は蝶ヶ岳へ、槍ヶ岳方面に進むのは2014年が最初で最後だったから、実に8年ぶりとなるのか。2018年の時は表銀座縦走で、ここは降りてきただけで登ってはいないのでね。まあルートとしては4年おきに通過するってことになるのかな？ふむ、オリンピックみたいやねえ。
横尾から先は梓川の左岸をずっと辿りなら、チョビチョビと標高を上げていく。途中の槍見河原、槍はガスの中で何も見えないのでここは華麗にスルー。横尾と槍沢ロッヂのちょうど中間点くらいに位置している「一の俣」で小休止を挟んだら、「二の俣」はスルーして槍沢ロッヂへと急ぐ。予定より若干、時間を押しているので少しだけペースを上げる。なぜかと言うと槍沢ロッヂの一番風呂を狙うには何としても15時までに到着したいのです。
槍沢ロッヂの風呂は湯舟に沸かしたお湯が最初で最後、横尾山荘みたいにシャワーがあるわけではないので、キレイなのはほんの一瞬なんですよ。2014年の初めての槍ヶ岳山行の時も初日は槍沢ロッヂに泊まりましたが、この時は14時頃に現着して15時の一番風呂にありつけました。とは言え、同時に10数人が入っているので二つある湯舟は見る見るうちに濁ってくる。この経験があったので、とにかく最初のお風呂に入りたかったんですよ。
てなわけでペースを上げて何とか15時少し過ぎに槍沢ロッヂに到着。チェックインを済ませたらお風呂へ直行！と思いきや、張り紙を見ると
「本日のお風呂は男女入れ替え制」
とある！しかも最初は女性とのことで、男性は16時からとのこと。何いぃ〜！お風呂は男女別々にあるのだが、平日で宿泊客が少ないので稼働は1つだけ、男女入れ替え制になっているのか！折角急いで来たのにぃ〜。まあええか。チェックンして案内された部屋は自分ら3人で貸し切り。人数問わず、グループ単位で部屋を割り当てているようだ。定員8人の部屋なので、コロナ前のハイシーズン中は余裕で倍の16人は押し込むだろうサイズの部屋を3人で使えるとは！これは快適極まりない！料金はコロナ前に比して1.5倍くらいに値上がっているが、こんなに快適なら喜んで金を払いますよ！
他の登山客が居ないので、部屋内は自分らだけで自由に使える。ザックの中の荷物を全て出してゆっくりと整理整頓が出来ますYO！うれC〜！お風呂のターン、16時まではまだ30分以上時間があるので、外に出てまずはビールで乾杯！横尾ではちゃんとしたお昼は食べてないので、かなりの腹減り状態っす。とにかくここで、予定通り持参した酒と食材を消費するのです！気温は14℃くらいでジッとしていると涼しいが、どうにも湿度が高い。台風が通過した直後だからまあ、仕方ないのかなあ。
16時、館内のアナウンスととも風呂場へ急行。するも何と！コロナ対策のため浴室には一度に2人まで、とある。うちらは3人パーティーなので別に3人でも良いと思うんだよねえ。そして二つある湯舟のうちお湯が張ってあるのは一つだけ。うーむ、いくら宿泊客が少ないとは言え、通常時の25％しか稼働してないのかー。とにかく頭からお湯を浴びて一日の汗を流すのじゃ！これだけでも快適度は雲泥の差になるのだよ。
お風呂を上がって部屋に戻り、荷物整理をしていると夕食のアナウンスが。夕食は17時から、下界では考えられない時間ですわ。食堂に移動して人数をザっとカウントすると今日の宿泊は15人前後かな？いやー、少ないねえ！これが平日登山の醍醐味っすYO！コロナ前のハイシーズンなら間違いなく200人以上は押し込まれてるもん。当然、この少人数なので食事は1ターンで終了。いつもは4ターンくらいの入れ替え制なので、やはり快適としか言いようがない。
夕食後は再び外に出て、HGさんとONZKさんの持参した酒と食糧の消費に協力をする(自分は本日のノルマはお風呂前にクリア済み)。だいぶ冷え込んで来たので館内に戻り、消灯時間までは談話室で漫画でも読むかー、なんて思っていたんですが、布団に入ったらそのまま寝てしまいました。6時に寝て9時・11時・1時・3時と、2時間おきに目を覚ます。酒を飲んでるとは言え、大して疲労もしてないのにそんな10数時間も寝られねーよYO！
【2日目】
さて、縦走2日目。自宅を出発して早くも3日目の朝です。前述の通り布団に入ってる時間は約11時間と長いものの、浅い眠りを小刻みに繰り返したせいか全然寝た気がしない。疲れが取れるどころかむしろ、昨日より何か身体がダルい気がするんですが・・・。3時に目が覚め、5時の朝食準備完了アナウンスを待って布団の中でモゾモゾすること2時間。館内が点灯され、ようやっとアナウンスが流れる。1Fの食堂に降りて朝ご飯。当然だが昨夜と同様、食事は1ターンで終了。だって15人くらいしかいないんだもの。
朝食を摂ったらまずは小屋の外に出て天候を伺う。雨は降っていないがあたりはガスで真っ白だ。今日はこれから台風一過で快晴を見込んでるんだが、大丈夫かなあ？2014年に来た時は早朝から雲一つない快晴だったんだけど、ガスガスじゃねえか。小屋に戻り、部屋へ上がったら身支度を開始。コンタクト入れてウンコしたら荷物を整理して再度、1Fに降りる。今日の予定は標準コースタイムで5時間程度、所要時間で多めに見ても活動時間は7時間くらいだろう。
ダラダラと支度を済ませ7時少し前、槍沢ロッヂを出発！しばらくは樹林帯の中の道を上がって行く。赤沢山の傍は赤茶色の岩がゴロゴロしていて、相変わらずTDLのビッグサンダーマウンテンの周りのようだ。40分程でババ平に到着。槍沢ロッジのテン場だが、徒歩30〜40分ってホントどうなのよ？ババ平で小休止を入れたら、再び歩き出す。徐々に標高を上げていくと、だいぶガスが晴れて来た。どうもガスは下部分に溜まっていて、標高を上げてガスを抜けると上は晴れているようだ。
ババ平から歩くこと更に40分、「大曲り」に到着。ここは梓川が大きく湾曲している場所で、ここを過ぎるとようやっと槍が見えるようになってくる。前回来た時はここから水俣乗越に上がり、槍へは東鎌尾根のルートを通ったので、実は「大曲り」から先を登りで歩くのは自分もHGさんも今回初めてです。中休憩を切り上げて行動再開、先程のガスは下方にあるが、実は上部にもガスがかかっていて稜線は見えない。ガスとガスの間の層を登って行く感じですね。
「大曲り」から更に登ること1時間強、「天狗原分岐」に到着。標高は2348m、ちょうど涸沢カールと同じくらいの高さである。ここから先は完全に未踏の区間、登りでも下りでも使ったことがない。分岐を少し先に入った所で、再び中休憩。涸沢カールと同じくらいの標高、と書いた通り、ここからは斜度のキツイ登りになるはずだからしっかりと水分補給と行動食摂取を行う。すると、なんか周りの岩にポツポツとグレーの染みが！
「え、雨？マジかー！」
慌てて天気予報を確認すると、晴れや快晴なんて単語は一つも無く、全て曇りに変わっている。そして下山日、9/23(金)は午後から雨予報に！えー、一体どうなってんの？台風14号は通過したんじゃないの？
「あー、俺氏さん、これ。台風じゃなくて南西方向から低気圧の前線が上がって来てるみたいだよ。昨日1日で予報がガラッと変わってしまったので、もしかしたらこの速度だと天候が崩れるのがどんどん早まるかも知れないねえ！」
とHGさん。えー、聞いてねえ〜！そうこうしている内に雨は止み、上空には再び陽が差してきた。後ろを振り返ると流れる雲の切れ目から西岳が良く見える。隣の赤沢山も良く見える。この分だと今日は1日、不安定な天候になるかも知れないなあ。今段階でレインウェアは要らないと思うけど、もしかしたらもしかするかも知れんよー(ﾄﾎﾎ-)。
天気予報はこれ以上見ても情報が更新されるわけではないので、今度はスマホのアプリで地図情報をチェックする。ここから先の大岩ゴロゴロ一帯が「氷河公園」と呼ばれる場所のようだ。天狗原(てんぐっぱら、と読む)とも書かれているが、同じ場所を指しているのかは不明。いずれにしても天狗池には小さな尾根を乗っ越さないといけないらしく、分岐点からは目視出来ない。
「隊長、ルートはこのまま予定通り？」
とHGさん。
「と言うと？」
「いや、距離は明らかに長くなると思うけど、槍沢を詰めて槍ヶ岳山荘経由で稜線歩いた方が技術的には楽かなって。未踏区間なので詳細はわからないけど、なんだか雨降ってきたしさあ」
「ちょっと検討しましょうか」
地図をチェックすると、そのルートだと今回のルートよりも標準コースタイムで3時間近く長くなる。これは最初から想定して朝、早立ちをしないと無理なやつだよ。10時近い今この段階でのルート変更はダメだと思うぞ。今日のゴールが槍ヶ岳ならOKだけど。
「いやー、止めましょう、時間が全然足りないっすよ」
「やっぱりそっか、いや、いいです。予定通り進みましょう」
その��に続く・・・。
■写真解説
�＿脇原兇�らの梓川。こんなカフェオレ色になっている梓川は初めて見ました！雨の日の上高地は何度も来てますが基本、増水しても梓川はいつも透明なんだけどねえ。こんなこともあるんだー。
��天狗池と氷河公園(天狗原)。到着と同時に雨が降り出し、楽しみにしていた「逆さ槍」は拝めませんでした。時期的に紅葉にもまだ早く、ナナカマドがほんのり赤くなっている程度。一度、紅葉真っ盛りの晴天時に訪れてみたいものです！
�Ｅ袈蕕離灰�(横尾尾根のコル)から槍ヶ岳をズームしてみる。こうして俯瞰して見ると、槍の肩までが如何に急登かがわかります。九十九折に登山道がつけられているのも納得です。殺生分岐から下の「グリーンバンド」も一目瞭然ですね！
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