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2022年09月22日13:36

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ふしぎなふしぎなアイヌ語

大好きで欠かさず見ている番組、100分で名著で今回取り上げているのが、
知里幸恵著「アイヌ神謡集」。

自慢ではないが私はアイヌに関する知識がまるっきり無いので、
アイヌ?アイヌて、ほんのちょっと読んだ無限の住人とかゴールデンカムイくらいしか知らんがな!今回は飛ばし見かなぁ…と思っていたのだが

シロカニペ ランラン ピシカン、コンカニペ ランラン ピシカン
(銀のしずく降る降るまわりに、金のしずく降る降るまわりに)

という冒頭のアイヌ語のリズム、美しさにすっかりやられた。

直訳すれば、あたりに降る 銀の水 となるようだが、こういった言葉を選んでいる。
著者の知里幸恵さんは特に文学の専門教育を受けた人ではなかったそうだけど、この訳し方…絵画のような言葉のチョイス、センスの塊じゃないかと思う。

彼女はアイヌ文化の絶滅を危惧した金田一京助氏に依頼され、重度の心臓病を抱えながらこの本を著し、完成した当日の夜19歳の若さで亡くなった。

アイヌ独自の文化、服装、文様、言語、金銭、神に対する考え方。
喧嘩の際は各団体の代表同士が対決…と言っても腕力ではなく、まるでラップバトルのように即興の歌(喧嘩に関する主張)を戦わせ、最初に体力が尽きたほうが負けとか…本当に面白かった。
なんだろう?
自分が今まで接してきて当たり前と思っているものがそうではない。
全く違った基準、尺度、信仰で生きている人たちがいる(いた)という当たり前のことをもう一度知らしめてくれるというか。

そしてなんといっても言葉の響きの心地よさがいい。
他にもないかなぁと思って調べたら、

●ノンノ…花(ファッション雑誌のノンノはアイヌ語が語源)
●ピリカ…美しい(鳥のエトピリカはアイヌ語でくちばしが美しいという意味)
●ヒンナ…おいしい(ゴールデンカムイで見たわ)
●シシャモ
●ラッコ
●トナカイ
●カムイ(まさに神…のことなんだけど、現代人の考える神とはちょっと違う。絶対的存在ではなく、敬ったり、利用したり、交渉する相手でもあり、自然のようなもの)

なんかがあった。知らないうちにちょくちょくアイヌ語に接していたとはこれは驚き。
今はもうアイヌ文化、アイヌの言語はかなり絶滅の危機に瀕しているそうで
話者はすでに10人ほどしかいないそうだ。
アイヌ民族の子孫はいても、言語はだんだんと途絶えていくということか。

わずかな単語を残してこういった言語、文化が消えていくというのはなんとも寂しい気がするけれど、どこへでも簡単に行き来が出来る時代になると独自の文化を保ち続けるのは難しいのかもしれないなぁ…
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