続きました。
◆写真はYAMAPへ↓
残雪の北穂高岳
https://yamap.com/activities/17100182
【最後に】
2019年の時はホントにありとあらゆるコンディションが奇跡レベルで良くて、ピッケル以外は夏山装備・雪山経験ゼロで残雪の3000m峰に「登頂させてもらった」んだなあ、と今回改めて実感するよ。参考までに前回の様子は
コレ↓
◆山登りはじめました＃224「北穂高岳に行ってきた2nd」その��
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971498661&owner_id=5956264
◆山登りはじめました＃225「北穂高岳に行ってきた2nd」その��
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971499105&owner_id=5956264
◆山登りはじめました＃226「北穂高岳に行ってきた2nd」その��
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971499196&owner_id=5956264
雨も降らない。雪も降らない。風も無い。雪は緩んでいても、雪崩の危険性は無い。前爪の無いアイゼンでもOK。滑落の心配もない。凍傷の心配もない。涸沢までのアプローチは冬道を歩ける。今思えばこんなにありとあらゆる好条件が最小公倍数的に揃った雪山登山なんて、後にも先にも2019年の時の1回だけなんじゃないだろうか？むしろ今回が標準的な雪山登山なのでは？快晴からの天候急変、気温の急降下に吹雪。消えるトレース、低体温症の恐怖。新雪の積もったルート、氷の層、ラッセル。固く締った雪、気温で緩んで表層雪崩。音もなく滑り落ちてくる雪まくり。
ほぼ全ての項目が初体験である。なので今回、雪山スキルが一気にレベルアップしたのは間違いない。もし今回の山行、参加しなかったら「残雪の北穂高岳に登頂経験がある」だけで、雪山登山のスキルは何一つ身に着かないままだったと思う。前回は何一つレクチャーが無かったが、今回は梅さんに色々と教えてもらった。雪崩や雪まくりに関して、ピッケルワークとアイゼンワークも。ホント感謝しかないです。
実際、アイゼン歩行もかなり習熟したと実感してます。特に急斜面の登り降りね。前爪の使い方も慣れたし、アイゼンを装着した足回りで不自由なく動き回れるようになった。ピッケルワークに関しては一つ不満が出て来た。長過ぎるのだ。というか、元々縦走用のピッケルなので、これで北穂高岳を登るのがそもそも間違っているのかも知れない。個人的にはあと5cm、シャフトの短いピッケルが欲しい。ピッケルも登山靴と同様、1本で全てを賄うのではなく、用途に応じて複数種類を使い分けるのが安全に繋がるんだと思う。
そうそう、装備と言えば前回2019年の時の日記では、最後に「今と同じ装備で次回、登るのや嫌」と書きましたが、今回2回目の登頂に際してはだいぶ新規装備を投入しましたよ。基本は夏山装備にレインウェアの上下ですが、一番の変更点はやはり前爪付きの12本爪アイゼンですかね。それとグローブ。アルパイン用のグローブはやっぱり良く出来てますよ、インナー分離型なので頗る使い勝手が良かったです。それとアルパイン用のゲイターね。これは強度と言う面ではアイゼン歩行の際は必須ですよ。雨具としての普通のゲイターだったら、爪引っ掛けたら穴空いたり破けたりしますもん。
とにかく足回りと手先の装備を変えただけで、相当快適になったことは間違いありません。なお、アイゼンとアルパイングローブに関しては事前に3月、北横岳でプレ使用をしております。インプレなどは
コレ↓
◆山登りはじめました＃284「北横岳に行ってきた」その��
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1981958970&owner_id=5956264
に細かく記載しているので、ここでは割愛します。
最後に梅さんからは「今回2回目の登頂だけど、登りも下りも前回とは雪のコンディションがあまりにも違い過ぎたからね。全く違う山に登って全く違う山を下りた、と思っていいよ。吹雪も雪崩も雪まくりも経験したし、残雪期の登山で起こりえることは概ね経験出来たんじゃないかな？」って言われました。また、「今までは連れていってもらう側だったけど、これからは連れていってあげる側だね」とも。普通なら山岳会に所属するか、有料の講習会に何度も参加して順にステップアップが必要なところ、ホント今回は無料の速習雪山実践演習だったと思います。ありがたい限りです。
来年のGWは涸沢まで上がったら、今度はあずき沢から白出のコル(穂高岳山荘)に上がり、残雪の涸沢岳に登ってみたいと思っています。
■写真解説
�）綿羚盂�(北峰/3106m)山頂からの眺望、奥穂高岳・吊尾根・前穂高岳・北尾根。いやー、前日はかなりの降雪だったんだなあ。谷筋にたんまり雪が乗っかってますわ。こりゃあ今日の気温だと、雪崩がヤバそうだYO！
�∈２鵑睨綿羚眈�屋の社長と小屋の前で記念撮影。左から社長・自分・ONZKさん・梅さん。現在の社長(二代目)は梅さんと同期の小屋番だそうで。北穂高小屋は株式会社なのです。
�２嫉海靴曇疎凜劵絅奪討離謄薀垢�ら北穂高岳を再び見上げる。赤い線で囲った部分が自分らが下山途中に遭遇した雪崩の跡。表層雪崩ですが幅数十m、長さ100m以上の大規模な雪崩でした。たまたまフォールラインから2m程、山側にコースを取っていたので巻き込まれずに済みましたが、自分らの真横2m位の所を雪崩が駆け下りて行き、固まってしまって何も出来なかったですわ。いやー、怖い怖い！ちなみに自分らが涸沢カールを降りた後、今度は表層ではなく大規模な全層雪崩が発生したそうです。この日は北穂沢で3名が滑落して救助要請をしたとのことでした。雪山は美しいけど、割りと簡単に人が死ぬ、死が身近にある場所なんです。
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