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2022年05月07日23:34

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阿佐海岸鉄道阿佐東線DMV化後

今回のGWでは、約10ヶ月ぶりに四国へ。この10ヶ月程の間で、四国東部の交通事情が大きく変化しました。高知県と徳島県の県境を走る阿佐海岸鉄道阿佐東線の鉄道車両による運行が終了し、バス(実際にはマイクロバス)と鉄道の両方の機能を併せ持つDMV(Dual Mode Vwehicle)が昨年の12月25日から走り始めました。

阿佐海岸鉄道阿佐東線は徳島県の海部駅と高知県の甲浦駅を結ぶ全長8.5Kmの鉄道で平成4年3月に開業しました。元は国鉄牟岐線の未成線区間で比較的工事が進んでいた区間を第三セクター方式で開業しています。ただ、利用者が多い印象は無く、夏休みに海水浴客が幾分か利用している様子はあったものの、通勤、通学での利用は皆無だったようです。何度か撮影していますが、空で出発する様子を見かける事も。並行して高速バス、路線バスが走っていること。車が必須の地域などの要因もあって鉄道の利用者が少ない。

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全盛期にはJR牟岐線の特急・普通が乗り入れる時期もありましたが、その後は、JR線との接続駅である海部駅で系統が分離される運用になりました。
JR北海道でDMVの導入実験が進められ、阿佐海岸鉄道でも平成28年にDMV化の検討が始まり、DMV化が決まることに。
ベースがバスの車体であることから製造コスト、維持費が安いという部分が決め手かと思われます。乗車定員はぐっと減って21名(乗務員除く)。鉄道車両と違って乗車率100%を超える乗車は出来ないです。

https://www.youtube.com/watch?v=oD8z_BtdOpE
JR牟岐線でJR北海道のDMVが走る貴重な映像をアップされている方がいらっしゃいましたので、リンクを貼っておきます。

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その後、平成31年に阿佐海岸鉄道用のDMV3両(緑・青・赤)が完成します。

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この時、緑の車体が京都鉄道博物館で特別展示されました。

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パネル展示

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そして令和2年11月に鉄道車両での運行を終了。しばし阿佐海岸鉄道はモードチェンジ設備の建設などでバス代行輸送が始まります。

コロナ禍による工事の遅れ、車両強度の問題による改善処置などでDMVでの開業が昨年の12月末という流れになります。

DMV化による影響
・高知県側のバス接続拠点が甲浦駅から海の駅東洋町に変化。
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国道55号線沿いにある海の駅東洋町をDMVがバスモードで通ることから、徳島バス南部が運営する路線バスの接続が甲浦駅から海の駅に移動(高速バスも付近に停車)。

・運賃の上昇
鉄道車両運行時より高くなりました。
元々の阿佐海岸鉄道区間である海部〜甲浦が鉄道車両時代¥280 DMV後¥400
今回乗車した甲浦〜阿波海南に関しては、鉄道車両時代は海部〜阿波海南がJR路線だったことから初乗り運賃が発生し、恐らく¥450?(間違っていたらスミマセン)。DMV後は阿波海南も阿佐海岸鉄道に組み込まれた為、初乗り運賃は発生しませんが¥500。

・終電
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終電が随分早くなりました。19時が終電。鉄道車両運行時代は21時が終電でした(写真)。
並行する路線バスは21時が終バス。

・乗車
先ほど座席数が21席と記載しましたが、当日、ふらっと行って乗れるかというとNG。
恐らく平日は大丈夫(空席がある)かと思いますが、基本的には高速バスの予約サイト・オーライネットで事前予約するか、前日に宍喰駅の事務所で予約するかの2択の様です。
土日祝日に運行される室戸岬方面のDMVは完全予約制ですので、間違いないように。
素朴な疑問ですが、室戸岬方面の便で所要時間が1時間半程度掛かります。DMVに洗面設備が無く、お手洗いはどうなるんでしょうね。ダイヤを見る限り休憩時間の設定は無さそう。

・接続
高知県東部、徳島県南部から徳島市内方面へと鉄道で乗り継ぐ際、阿波海南駅でDMVからJR牟岐線に乗り換える必要があります。ただ、JR牟岐線も不採算区間で大幅に減便されていて、阿波海南から先、徳島方面に進めないという時間帯が日中にあります。高速バスが路線バスで移動する方が便利な時もあるようです。

・安全面
従来の鉄道車両運行時は、単線区間を1編成が往復するのみでしたので、JR側から車両の冒進が無い限り正面衝突が発生することは無いのですが、DMVの場合、一般道路を走行する区間が含まれることによる遅れ、長距離便(室戸岬)の戻り遅れなどで意図しない時間に単線区間への侵入がある場合の対応ですかね。GPSでDMV3台の位置を把握しているようなので大丈夫とは思いますが。

DMVの導入自体に否定的でBRTの方が良かったのでは?という部分もありますが、折角敷いたレールは残したいという部分でしょうね。国鉄時代に未成線だった甲浦〜奈半利(土佐くろしお鉄道)も駅の工事は必要ですが、DMVを使用すれば事実上繋がったようなもの。

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甲浦駅(停留所)

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甲浦駅のモードチェンジポイント(甲浦信号場)

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海の駅東洋町(停留所)

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かつてのJRと阿佐海岸鉄道境界駅の海部駅。複線から単線構造になり未使用ホームに鉄道車両運行当時の車両が留置されています。

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JRとの接続駅になる阿波海南駅のJR側の時刻表。大幅に減便され、徳島方面に出るのは難しいかも。高速バスの相互利用が出来るようになっています。

今のところDMVの話題性もあって、土日祝日に限っては利用者が、そこそこ有るようです。ただ、最大で21席と言うこともあって大きく稼ぐのは難しいですね。一つ気になったことは、予約サイトで満席という表示はあるものの、全区間乗車される方は少なく、途中下車され、以降は空席というパターンがありました。

https://youtu.be/i18NlezwWes
こちらにGW中に撮影したDMVの様子を纏めてみました。実際に甲浦〜阿波海南を乗車した際の様子もあります。
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