今回は高浜寛作品・リイド社発行で、19世紀末の様々な舶来品が入ってくる長崎とジャポニズムの盛り上がるパリを舞台にヒロインの成長を描く「ニュクスの角灯」3巻に登場する赤飯弁当を作ります。
以下、漫画の画像は同作品から引用。
この作品、日本では「2020年第24回手塚治虫文化賞マンガ大賞」をはじめ様々な賞を受賞していますが、
フランスでも非常に高く評価されており、「全国の教師が選ぶ中学校推薦図書」にも選ばれたのだとか(フランスでのタイトルは「La lanterne de Nyx」)。
あらすじ。
西南戦争で親を亡くし、長崎の親戚に引き取られたヒロイン・美世。その美世の勤め先で、舶来品を取り扱う道具屋「蛮」の店主・小浦が、ジャポニズムの盛り上がるパリに日本の工芸品等を取り扱う店を構えることに。
パリへの出発の日、かつて「長崎の女傑」と呼ばれ、小浦と強いつながりのある実業家・大浦慶(この人は実在人物)が、栗と沢庵の乗った赤飯弁当を渡します。
作品から得られる情報は
・赤飯に栗と沢庵が乗っている
これだけ。
ま、作りましょう。
赤飯。
これは以前「美味しんぼの赤飯饅頭」で作った時と同じく、鍋で炊きます。
もち米2・白米1を研いで、ザルにあげます。
その一方で、3層構造のソースパンで小豆を煮ます。
蓋をして強火でスタート、蓋がカタカタ鳴ったら弱火にして25分ほど加熱。
さて、25分経ちました。
ここに米を投入。
さらに栗も入れます。
ただ、生の栗は手に入らなかったので、栗は甘栗にしました。
再び蓋をして強火。蓋がカタカタ鳴ったら弱火でまたまた25分。
炊けたら10分ほどむらします。
むらし具合にばらつきが出ないよう、蓋をしたまま鍋をひっくり返し、10分放置。
時間になったので蓋をあけると。
おお、美味しそう。
これを盛り付ければ。
完成。
実食。
うん、美味しい。
赤飯と甘栗、相性いいわ。
生の栗だったら、もっと香りが良かったのかしら。
秋になったら生の栗を使って作ってみましょう。
余談。
私はこの作品および大浦慶という人物に関心を持ち、長崎まで旅行したこともあるのですが。
この大浦慶という人物。
油商の家に生まれる→慶が少女の頃、実家の稼業は傾きかける→その後、天草の庄屋の息子を婿養子(慶の夫)に迎えるも、祝言の翌日に追い出す→イギリスへの日本茶輸出に目をつけ、莫大な利益を上げる(この頃、坂本竜馬や大隈重信など、様々な人々の支援もする)→詐欺にあってしまい今度は莫大な借金を背負う→横浜製鉄所の共同経営や幕府払い下げの軍艦を共同で購入して海運業に乗り出したり→57歳で死去するも、借金は完済していた
・・・すんごい人だな。
他にも「若い頃に上海に密航していた」という説があったり、「二月革命の際に亡命したフランス人女性を自らの屋敷でかくまった」なんて話もあったり・・・大浦慶を主人公に大河ドラマ作れるぞ(ちなみに過去の大河ドラマでは2010年「竜馬伝」で余貴美子が、1968年「竜馬がゆく」では左幸子が大浦慶を演じている。他にも1989年日本テレビ系ドラマ「野望の国」で竹下景子が演じていたり)。
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