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2022年02月10日03:15

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【オリジナル小説】マスク

とある日
街を歩く

人々はマスクにすっかり慣れ
同時にマスクに辟易してる

そんな街でのお買い物
いつからだろう
街に出るのが怖かったのに

街へくりだし始めた
都会の街は、危険なのだけど
そんなこと言ったって
自粛も数年も経つと限界で

自分の庭のような街へ
普通に繰り出すようになった

予防接種はしている
医療関係者や老人から優先なので
蔓延しきった最近だけど予防接種できた

学校は
通信教育みたいに
自宅からネットで勉強を受けている
一方的に先生がしゃべる授業
退屈この上ない
自宅のパソコンやスマホが
勉強机変わりなので・・・
ついつい音楽を聴きながら
ゲームをしながらの勉強になり
身についてるか怪しいものだ

学校に赴くのは
メディアを持ってない子は毎日だが
給食の提供は止まっている

メディアを持っている子は
金曜日に半日だけでかける
主にする授業は
自由授業
昔の課外授業や道徳といつた授業の代わりだ
テーマを決めて話し合う
読書や写生にでかけることもあった
まぁ、今では顔を合わせて
お互いの存在確認の時間になってる
なので自主学習になってて
メディアでわからなかった授業を
みんな先生に聞きに行く時間でもある

午前中で解らないことが多い生徒は
先生の判断で
お昼ご飯に帰って
もしくは弁当を食べて
午後から補習が始まる

他に学校に来るのは小テストが月に1度あるくらいだ
自宅学習の確認ということで
ドリルや学習帳の提出があるので
2冊ずつ用意されている
先生たちがコピーして手作りの2冊目だ
作るの大変だろうね
でも授業7時間より楽か・・・

いや、ホーム授業の録画も撮ってるから
忙しいかも・・・考えても仕方ないか

街で学校の仲の良い子と待ち合わせる
一人が中々来ない

やっと来たら
咳をしてて苦しそうで
マスクをしてると鼻水がゆるむらしく
始終鼻をかんでいる

どこかへ繰り出すより
病院いったほうがよさそうだ
ということでみんなで病院の手前までついて行った

そしたら先生が
外で待つように言われ
別の病院を紹介される
大きな病院で

お流行の病原菌の検査をしてこいと言われた
面白いように
じゃあ頑張ってねとよそよそしくなって
帰ってく友達たち

「なよちゃんも帰っていいよ?」
「予防接種は受けてるし、加奈子は親共働きじゃん
その病院までついてくよ」
「・・・ありがとう。こわいよぉ。あれだったらどうしよう」
「若い子は治りが比較的いいらしいし、怖がらないでいいと思う」
「でも、他の友達の顔・・・」
「怖かっただけだよ。違うと分かれば元通り
違わなくても治れば元通りになるよ」

「表向きはね・・・なよちゃんだけが
私の事考えてくれた・・・」
「そんなこと言わないの、考えてくれなかったわけじゃない
一緒に居てもしもあれでさ
移ったら加奈子が悲しがると思っただけだよ」
「しらじらしい。そんなこと思うわけない
でも、そう思うことにする・・・」

「そうそう、人間悪い方に考え出すとキリがないから
それでいいの。建前かもしれないけど、ちいさなしこりで
人間関係を壊してくより
自分騙して生きてく方が楽よ」

「なよちゃんは大人だね」
「施設っ子ですから・・・嫌な思いは沢山してる
でもそれにいちいち反応してたら友達なんていなくなっちゃう」

二人で病院へ行く。病院で受付が済むとまた専用の待合室で待つことに
自分は入れないので、普通に病院を追い出された

外で待ってると、看護婦さんらしき人が
あれにかかってる人が多くいるから帰るように言われた
予防接種も完璧じゃないからと

ちょっとムキになって外で待つと言って聞かなかった

嫌だったんだ
このあれが流行ったのは3年くらい前だけど

実は小学生になりたての頃
同じように別のあれが蔓延してた

あの時はちょっとした世界が恐慌に陥った
なんかマスクと消毒だけが全てで
病気の人たちはまるで人間扱いもされなかった
対抗薬もなく医療関係者がどんどんウイルスに侵され死んでいった
あれの勝利だった
落ち着くのに6年くらいかかったのに

3年後、変異してまた流行ってる
用心してマスクの習慣がとれないまま
次の流行なので
ちょっと誰もかれもが
一本神経がやられてる感じはあった

おばあちゃんがやられた
帰って待つように言われたけど
帰って来なかった
骨さへ返してもらえなかった・・・
結構、おばあちゃん子で
おばあちゃんをよく探しまくった
死がその頃はよくわかってなかったし

おばあちゃんの死で
家は壊れた
母は看病を拒絶したことを父にののしられ
仕事を理由に任せきりのくせにと母はののしり
病気が治るまで安全確保で入れられた施設は
自分の住まいにそのままなった

家族を壊したあれ
誰も悪くない
少しだけみんな怖がりで弱かっただけ・・・
だからか・・・逃げたくなかったんだよね

ここで返って学校で死を知らされるのは嫌だった

検査が終わって
加奈子が戻ってくる
結果は後日で自宅隔離ってことらしく
連れて帰ると別れた

一週間後
加奈子は仲間と一緒に学校に居た
何食わない顔でお互いに会話する
結局、ただの風邪だったけど
少しだけ残るぎこちなさを感じながら
それでも他の子たちと加奈子は話してた
自分はそれでいいのって心で応援する

いちいち病気に過敏に反応したことを
上げ足とって拒絶したら
自分も疲れるし寂しくなる
縁はいつでも切れる

なにもあれごときに縁をきることはない
みんな怖い
拒絶されるのは悲しいけど
それで縁が切れるのはもっと悲しい
それは自分だけの気持ちかもしれないけど

街へくりだす話に入ったので
話に加わる

あれが蔓延してても
自粛の声をもうほとんど聞く人が居ない
それくらい
当たり前になりつつある

マスクで顔が見えないのにも慣れた
10年できっと耳が良くなった人多いと思う
声のが個体識別しやすいから・・・

異常だけど
通常になった日常がここにある

−−−−−
ここでは2回目の襲来が来てますが
そんなことにならないように
早くコロナが消えますように・・・
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