埼玉県川島町にある遠山記念館を見学しました。遠山記念館は日興証券創業者の遠山元一が昭和11年に竣工させた自宅邸宅と美術館からなり、50年前から公開され重要文化財にもなっています。
場所は荒川の河川敷ホンダエアポートに近い田園地帯。彼の実家のあった地の敷地3000坪に、建築費を今の相場で120億円かけて、1933年から3年かけて延床200坪もの豪邸を建てたのです。
主な3棟の建物は建築様式が異なり、賓客用の書院造/茅葺屋根の農家棟/母親用の数寄屋棟で構成され、各々は渡り廊下で繋がれます。敷地入口には大きな長屋門と濠を持ち、武家屋敷の印象も。
訪れた日は次週からの雛祭りで美術館は模様替え中。邸宅と庭園のみの入館料はJAF割で480円。他に客は無くゆっくり見学できましたが、各所に解説板が無いので素通り気味で30分程で見学完。
古民家は歪み傾きから建具に隙間が散見されますが、ここは築後80年で木肌変色しても建付けには隙間なく凛とした感じ。良材と確かな大工仕事が見えます。玄関の靴脱ぎ石も幅2mもの巨石。
残念なのは、田圃の一軒家で周辺環境が今一歩。家具備品が無く生活感が無いこと。解説展示に一般客が興味惹く工夫が欲しいこと。でも圧巻は46歳迄の18年で建築資金120億円生んだ御本人。
遠山元一は父の放蕩で実家が没落、15歳で東京へ出て株屋で丁稚奉公。28歳で独立し証券会社を設立。満州事変で発展。合併で日興証券社長となる。資産家の成立ちや生き様を学べるのが収穫。
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