日本への入国の話（一時帰国）

12月後半にオハイオから関西空港へ一時帰国した時の話です。
駐在員は滞在資格（I94）の更新や人間ドックが必要なので、日本の出入国がどれだけ大変だろうと、最低でも1-2年に1度は帰国する必要があります。

自分の場合は兵庫県が実家だが、日本は海外からの到着後にその空港から国内線や鉄道での移動が出来ないので、成田や羽田に到着すると特殊にチャーターしたハイヤーで40万円などということになってしまう。
だから関西空港を選ぶしかないが、アメリカ大陸からはロサンゼルスからJALが毎週土曜日１便のみ（羽田・成田には米国各都市から毎日たくさんあり）。

結果、東京便はガラガラで、関空便は時にはエコノミーで80万円近くなる満席のフライトという感じ。

12/24の朝、オハイオ州コロンバスの空港。

日本便への陰性証明書を早くも確認される。
日本側のフォーマットに合ってないと入国拒否され、実際に搭乗拒否・強制送還にあう日本人が多いため、日本人医師の病院を選ぶ（検査費用は通常の病院の20倍の値段）。


オハイオからロサンゼルスへは直行便がないのでシャーロット・ダグラス国際空港を経由。


ロサンゼルスで前泊となる。
空港近くのホテルはとっても広々。



夕食に、オハイオでは食べられないけど有名らしいUMAMIバーガーをUber eatsで頼んだが、実は店舗はホテル内にあるらしい。様子を見にいくと、何とクリスマスイブなので閉まっている！
そんな状況でも受注した配達員ドライバーが次々とこの店へ向かってきては諦め、私のオーダーはその配達員からキャンセルされていく。
注文自体を私がキャンセルできればいいのにそれは出来ないようで、私が20ドルを捨てるのはいいけど、配達員の皆さんに申し訳ない・・・。

とはいえ夕食のために別途ピザを注文した。
すると、ピザの配達とは別の配達員がUMAMIバーガーを持ってホテル前に現れたではないか！４人目ぐらいのチャレンジャーか、一体どうやってGetしてきたのだろう。

こんなに食べれないよｗ

次の日、つまりクリスマスの日、太平洋へ向かって離陸。


しばらく隔離されてお酒禁止の覚悟があるので、機内ではビールを飲んでおこう。



空港では帰国者を全員数日施設に入れる方針なので大混乱しており、成田に着くと何時間も待たされたあげく、仙台とか福岡のホテルに飛ばされるとかいう噂だ。


でも関空は前述のとおり到着便が少なくて１日に7便程度のため、そんな混雑はない。
とはいえ、書類チェックやスマホの確認、抗原検査などで10か所ぐらいのポイントがあって何キロも荷物持って歩かされた感じ。見張りの人がたくさんいて何億円も毎月税金をかけてそうですね。半分以上が中国人や東南アジア人の留学生のバイトという感じがしたけど。

ロサンゼルスで一泊したので、自分は正直にそれを申告し、オハイオとカリフォルニアと告げると、それを証明する搭乗券や住所なども見せるよう言われたので、虚で誤魔化そうと試みる人は難しいだろう。

そしてどこの検疫ホテルになるかはガチャですねｗ

空港時点ではホテル名は機密なのだけど、Wはワシントンホテル。Nは日航でAがアパホテルなのかなと推察。

Wに丸つけられた自分はワシントンホテルの裏口にバスを下ろされ、防護服の職員に案内されてホテルの部屋へ。到着から4時間ぐらい。

狭いけど普通のビジネスホテルで、日数分の部屋着や歯ブラシやタオルがある。
ドアは弁当を取る時以外は開けられないけど、食事、結構おいしい♪


Uberで好きなものを頼んでもいいそうだが、美味しかったので頼むことはなかった。

さて、この3-6日間の検疫隔離、賛否両論あるでしょう。
個人的には米国側で普通に暮らしてて、２度の陰性判定を受けた人に防護服でこうした対応をするのは大げさだと思うが、海外からのウイルスの持ち込み時期を後ろ倒しにしたいという理由であれば、意味があると思うし、日本人がそう望むのなら協力してあげたいと思う考えです。（ウイルス持ち込みゼロを目的なら意味ないですよ。これやっても、CAとか空港職員から感染事例ありますから、乗客だけ全員閉じ込めてもゼロにはならない）

問題はここからの話です。
岸田政権の思い付きで、到着した飛行機に乗ってた人全員を濃厚接触者にしていること！
恐らく韓国大統領が反日すれば支持率が上がる様に、水際対策の強化で支持率アップを狙うためでしょう。
それのせいで4日目には再度陰性判定を受けた自分は、別の隔離施設へ搬送されることとなりました。

これが陽性者用の施設で、完全に封鎖された建物という感じ。

ガラス超しに荷物検査をし（お酒やカップ麺は没収）、引き続き誰とも空間を共にせず、この部屋で残り11日を過ごすというのです！

ホテルではないのでタオルやシーツも毎日交換されず、食事も質素。
歯ブラシやハンドソープや部屋着のようなアメニティもありません。


出国前、関西空港、3日目のホテル、３回陰性判定なのに完全に陽性者扱いとなった自分は、医師や看護師から毎日電話がかかってきて酸度濃度や体温を聞かれます。なんと人件費や施設、というか税金の無駄遣い！

日本の元旦でこんな食事を摂ることになるとは・・・

ちなみに食事は部屋の外に弁当が置かれるが、その時点では取ってはいけない。
スタッフがその建物から出て封鎖された後、電話を一部屋ずつにかけて、「この電話の受話器を置いたままマスク着けてドアを開け、再び電話で受領した旨を伝えて下さい」と言われる（電話中だけドアを開けれる）。

あと、スマホからは１日に２回、ビデオ通話が来て自分と部屋の背景を入れて２分以内に撮影。

それからこれも１日２回だが、GPSの確認が来て逃げてないかのチェックがある。精度が低いので時々私は逃げた違反者扱いとなってるが、部屋から出られないのに（笑）
・・・日本ってこんなにアホな国だったのかなと、怒りを通り越して母国が情けなくなるよね。

違反者は厚労省のウェブサイトに名前を載せるらしいが勝手にしてくれ。馬鹿らしくて付き合ってられない。


退所の予定日は1/9でしたが、1/8に保健所から電話があり、「方針が変わったので、今から退所できますか？」と。
数日おきに検査してすべて陰性の自分は、その施設にいる意味は薄いと判断されたわけだが、そんなこと最初から分かっているでしょうに。

COVID-19は感染者と接触後に発症するのはほぼ全て5日以内とされており、オミクロン株はさらに短いと聞く。
3-7日程度、入国者を隔離するのは入国者へは負担となるが、感染拡大を和らげる効果はある。でも14日間ドアから出られない状態にするのは無駄だし、無駄なことに付き合わされているのが腹立たしい。

退所時にも防護服に包まれた職員に「お大事に」と言われたが、３週間にわたって２日おきに検査を受けてきて全部陰性の自分より、あなた方のほうが危ないのではとしか思えなかった。

実家へ帰宅後の翌々日、冒頭で書いた通り、人間ドックに行ったが、その病院の医師も5日以上の隔離は意味がないので現状の措置に呆れていると言っていた。
というか実は隔離中に毎日電話してきた医師たちも「愚問ではありますが、体調の変化はありますか？」という聞き方。無駄だと分かって付き合わされてるんですよね・・・（ちなみに私はその質問に「部屋から出れないので腰が痛いです」と答えてました笑）。

とはいえ、施設のスタッフは電話だけしかできなくても伝わる優しい口調で話してくださり、彼らに罪はないので感謝しています。むしろ看護師たちも含めて、年末年始にこんな場所で意味の薄い仕事をさせられている方々は被害者でしょう。

自分の意見をまとめると、
１、帰国後5日間前後、空港検疫としてホテルの部屋から出さない運用に対しては効果があると思うので理解できる。協力したい。
２、帰国者を濃厚接触扱いにして陽性者施設に閉じ込めたり、無症状の陽性帰国者を病院に入院させることには反対
３、濃厚接触者や帰国者の隔離期間14日は長すぎる。科学的に考えて合理的判断すべき

ひたすら税金や医療ソースを無駄遣いするのをやめ、帰国者を閉じ込めるならホテルでいいんですよ。デリバリーも最初のホテルのように自腹で許可すればいい。少しはGo to travelやeatの代わりになって経済に貢献できるでしょう。帰国者からしても好きなものを食べられたほうが良いし、子供や外国人で食事を選べないと厳しい人だっているのです。

このパンデミックでは世界中で色々な立場の人が苦労している。
こういう時こそ、互いに我慢し合い、支え合っていく世界であるべきなのに、帰国者にだけ一方的に厳しいルールの適用を求めるのであれば憤りを感じますね。