2001年10月。
ニューヨークでの同時多発テロがあった1月後にアメリカへ渡りました。
ブルックリンのギャラリーに身を寄せながら、ニューヨーク、ボストン、プロビデンスを1ヶ月ほどかけて回るツアー。
ニューヨークのCBGBから始めて最後にまたCBGBで終わる過酷なものでした。
長い飛行機の旅を終えて荷物をギャラリーに置いた後、最初に向かったのはあの1月前の惨劇の場所、グラウンド・ゼロでした。
そこだけ、ぽっかり空が不自然に切り取られたように見えて、不思議な印象。
犠牲になった方々の名前が壁に刻まれています。
近くの教会には塀の周りに人探しの写真や手紙が沢山貼られていてそれを見た時、私の中から悲しみ、怒り、絶望、苦悩などの感情が一度に沸き上がって来てしまい、自分がどうなったのか理解出来ず、狂ってしまったのではないかと思った程でした。
その時の衝撃が、今も私を突き動かしているのです。
何があっても、どんな世界になったとしても、私は決して折れることはなく立ち続けていくと約束しました。
ですから、どんなに大切なものを失いながらも演奏を止めることは無いのです。
あの日から、私の音楽は血のように流れていくのです。
また、来年も激しく斬り抜けて行こうと思います。
私はまだ、生きていきます。
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