昨日、衆議院の予算委員会が行われ、
菅総理大臣は、就任後初めて予算委員会に出席しました。
どんな様子かなとの興味もありましたし、他にする事もないので、
僕はテレビの実況中継を全部ではありませんが、大体見ていました。
午前中、自民党の大塚拓議員は総理を守ろうとしたのでしょう、
学術会議について、
「非常に質が低い」
「税金を投入している機関でパフォーマンスが十分とは言えない」と
今回の学術会議問題の論点をすり替えた質問をしていました。
午後になって、立憲民主党の江田議員などが学術会議問題を取り上げると、
菅総理は、応答要領がない質問をされると的確に答えられず、
やりとりがかみ合わない質疑が多くなりました。
総理がすぐに答弁に立たず、秘書官がメモを差し入れたり、
加藤勝信官房長官が「助太刀」に入ったりする場面もあり、
繰り返しや質問に答えずにかわす答弁が多くなって、防戦一方になりました。
特に、菅総理は、会員の構成が旧帝大の7国立大に偏り、
若手や民間人が少ないことも問題にしていますが、
これに対し、立憲民主党の今井議員は、
任命拒否された6人について、私立大所属が3人で最も若い人は53歳だと指摘し、
私大関係者や「若手」を除外したのは言行不一致だと質問しましたが、
総理はこれにも真っ向から答えず、
「現在の会員のうち49歳以下は3%に過ぎず、
若手研究者が十分いるという状況じゃない」とかわし、
「会議から推薦された方々がそのまま任命された前例を踏襲していいのか」と
従来の主張を繰り返しただけでした。
この点だけでも、支離滅裂ですし、論理は破綻していますね。
そして、最後は「人事に関する事は答えられない」で逃げていました。
答弁を見ていて、唯一感心したのは、打たれ強いなぁと言う点でした。
これが安倍前総理ならば、逆上してあらぬ事を言いそうな気がしました。
菅総理は、庶民派を自認し、
周囲もそうした叩き上げの苦労人とのイメージを作ろうとしているようです。
しかし、実家は秋田県の裕福な農家で、
父親は町会議員を務めた地元の名士のようです。
実際に苦労して総理大臣にまで昇りつめたのかも知れませんが。
菅総理のこれまでの姿を見ていると、
将来のビジョンを明確にして世の中をリードして行こうとする政治家ではなく、
自民党内の権力闘争の中から這い上がって来た、
言うなれば寝業師とでも言うような古いタイプの政治家のように感じています。
そして、官僚たちを人事権で操縦しようとする陰湿で強面な感じがします。
そうした面が現れたのが、今回の学術会議問題なのでしょう。
自分の非を認めず、問題をすり替えて凌ごうとする姑息な感じがします。
あるいは、菅総理自身も
これほどの社会的な反響があると予想していなかったかも知ません。
総理大臣就任直後に、俺が権力を持っているのだから、
反対する者は許さないとの一罰百戒の意味を込めた措置だったような気がしますが、
学術会議に対する認識が甘かったような感じがします。
そのため、論点をすり替えて、学術会議の問題点を挙げていますが、
いかにも苦しい言い訳で逃げようとしているような印象になっています。
今後、どのように収束させるかの見通しもないような感じがします。
どんなに叩かれても、貝のようにだんまりを通してしのごうとしているのでしょうか?
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