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2020年09月02日23:52

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合同詩集「清水の畔」を読む。

セブン・イレブンのコピー機の前に行く。ネットプリントを選択する。「71281574」と入力する。「長辺とじ」「両面印刷」を選択して、スタートボタンを押す。たったこれだけで、200円かからずに合同詩集「清水の畔」を入手することができる。

螢田うの「大切なもの」。「私=志=詩」の系譜に属するポエム。志は伝わった。
坂月わに「帳落とし」「花の葬儀屋」。「僕は何処かで葬儀屋をしているんだよ」の一行が物悲しいアレゴリーとして機能している。
川原寝太郎はこの詩人らしい毒のある2篇。特に「初盆」の出だしの「『胡瓜第一高校 対 那須与一高校/野球部対抗戦中止のお知らせ』」と来るあたりはにやりとさせられるし、精霊馬につなげる展開もうまい。
yae「今に」。タイトルが秀逸。「夢をみるんです/ここが夢ではないと信じて」の連における切実さが胸を打つ。
大島健夫の「フェアリーテイル・イン・ザ・マウス」。虫歯菌とフッ素の恋を描く。「だって、虫歯菌は職業だけど、フッ素は生き様なのだから」の一行が値千金。「虫歯菌」を「小説家」、「フッ素」を「詩人」と置換しても充分通じてしまう玄妙さ。
服部剛「ドッジボール」。ドッジボールに人生を見る。日々発する言葉がボール、それが「世界のどこにもない/今日のゲーム」だと。now/hereでno/whereな人生観。
無味「ドアノブをまわして」。「見えない世界のポニーテール」のしどけない色気。この色気がこの詩の持ち味。
いくよは5篇。どの作品もタイトルと内容の均衡が見所。「選択的透過性」はこの内容にこのタイトルをつけるセンスに脱帽。

この合同詩集は9月8日の23時59分までの販売だという。君に200円あれば、ポエジー排出マシーンと化したセブンイレブンで容易に入手可能だ。買うべし! 買いなさいよ! おすすめ!

以上、過渡期ナイトPD事業部・死紺亭柳竹でした!

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