朝の現場で仕事をしていた時である。
その時、オイラは階段の踊り場にあるドアを雑巾でふいていた。
裏表、横の部分とドア全体を懸命にふいていた。
そして、ある階のドアをふいていた時である。どこからともなく、アーアー、と不気味な声が聞こえてきたのである。
最初は聞き間違いだと思い気にせず作業を続けていたら、再び、アーアー、と不気味に聞こえてきた。
オイラは誰か近くにいるのかとまわりを見たが人はいなかった。
まさか幽霊? でも、その場所で何か事故などがあったとは聞いていいなので違うだろうと思った。
そして、思っていてもしかたがないので仕事を続けたが、頭の片隅に不気味な声のことをどうしても忘れることができなかった。
そうではあるが、とにかく仕事を再開しドアをふき始めたら、また、アーアー、と不気味な声が聞こえた。
オイラはすぐに声のする方を見た。そして、見たら、そこにはドアの内側の部分が見えた。
そして、再びドアを動かしたら、ドアの見ている部分から、先、聞こえたアーアーのような音が聞こえるのであった。
どうやら、不気味な声はドアを開け閉めする時に動くドアの音で、オイラの耳には、アーアー、という風に聞こえていたようだった。
一瞬だが、大きな勘違いをし、聞き間違えた自分のそそっかしさを冷笑してしまった。
自分の中だけで、人に言うことをしなかったのでとりあえず騒ぎにしてしまうということがなくてよかった。
そして、幽霊が出たというわけではないのでよかった。
とりあえずは、安心して仕事を続けるのであった。
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