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2020年02月13日04:10

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Birth ratio

出生数90万人割れの衝撃

 厚生労働省が12月24日に発表した推計によると、我が国の2019年の出生数は初めて90万人台を割り、86万4000人となった。出生数の減少率も5.92%と大幅だった。私が生まれた1959年には約163万人が生まれていたので、出生数は60年間で約89%減ったことになる。安倍首相は「国難だ」と形容した。
 ところで日本と並んで高齢化・少子化が深刻な国であるドイツでは、近年逆に出生数が増える傾向にある。ドイツ連邦統計庁によると、出生数は1991年には81万2000人だったが、年々減少して2009年には66万5100人まで落ち込んだ。しかしその後増加傾向に転じて、2018年の出生数は78万7523人となった。9年間で18.4%増えたことになる。なぜドイツでは出生数が増えているのだろうか。
 一つの理由は、2009年のリーマンショック以降の、ドイツの景気の良さだ。20018年には、失業率が1990年の東西統一以降最低になった。このため若者が「自分が失業する危険は少ないだろう」と将来について楽観的な見方をするようになり、結婚して子どもを作る人が増えたのだ。たしかに私が住んでいるミュンヘンでも、2015年頃から乳母車を押す若いカップルの姿が急に目立つようになった。
 もう一つの理由は手厚い社会保障だ。ドイツでは育児休暇を3年まで取れる。育児休暇の間は会社から給料をもらえないので、子どもの誕生後1年間は、政府が月給の手取り額の67%に相当する金額を支給する。つまり国が給料を補填してくれるわけだ。また企業も、その社員が育児休暇を取り始めてから1年間は、その人のポストを空けておかなくてはならない。これならば、安心して育児休暇を取ることができる。ドイツでは男性も1ヶ月程度の育児休暇を取るのは当たり前になっている。また政府の肝いりで、託児所や、企業が社員向けに運営する託児施設も過去10年間で大幅に増えた。
 またドイツの企業では、法律によって1日の労働時間が最長10時間に制限されている他、毎年30日間の有給休暇を完全に消化できるので、家族と過ごす時間も十分に取れるようになっている。こうしたワークライフバランスの良さと将来への明るい見通しが、ドイツの出生数を押し上げたものと見られる。出生数を増やすには、生活のゆとりが大切だと思う。



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