日本の元祖国際招待レースなのですけど、
招待しても、なかなか外国馬が来てくれない。
今回は外国馬ゼロとなり、少し寂しい…。
第39回 ジャパンカップ (Ｇ��)
東京競馬場 芝2,400ｍ 3歳以上 国際 定量
さすがに外国馬が不出走という事態は、例を見ない珍事です。
この時期のアジア圏の大きなレースというと、
このジャパンカップと香港の香港カップです。北米で
行われるブリーダーズカップが11月の初旬に行われるため、
そこからジャパンカップに行くか、香港に行くかを選択する
ことが多いようです。
最近の人気では、圧倒的に香港の方が人気なんです。
これはブリーダーズカップからのローテーションの
問題もありますが、やはり馬場の問題も大きいようです。
日本の馬が欧州のレースでなかなか勝てないことの
裏返しとして、最近は欧州の馬がジャパンカップでは
通用しなくなってきてしまっているんです。
馬場が違いすぎるんですね。日本のように堅い芝は、
欧州の馬は苦手なんですね。
日本の馬場は昔から堅めの高速馬場でしたが、
ジャパンカップ創設当初から第20回前後までのレースだと、
日本馬と欧米の馬とでは、やはりレベル差がありましたから、
多少は苦手な馬場だとはいっても、そのハンデが欧米の馬に
とって、致命的なデメリットになりませんでした。
日本の馬のレベルが向上してきた今では、
このハンデを覆してなお日本馬に勝てるほど、日本馬も甘く
ないという時代になってきたわけです。
結果としてジャパンカップで優勝した外国馬は、
14年前のアルカセットにまでさかのぼってしまいます。
この時アルカセットが出したタイムが、芝2,400mの
世界記録となり、この記録は去年同じジャパンカップで、
アーモンドアイが更新するまで、決して破られない記録と
さえ言われてきました。そしてこの時数センチ差で敗れた
2着馬がハーツクライでしたよね。
出走しても勝てないし、馬にかかる負担も大きいし…
となると、いよいよ外国馬には敬遠されてしまいます。
今年はアーモンドアイはじめ日本馬ですら、香港に向かう馬も
多いもので、思いのほか有力馬が絞られるレースになりました。
5枠8番 レイデオロ
やはりこのメンバー相手では、実力優位にあるのはこの馬です。
ダービー馬であり、天皇賞馬でもある、古馬のトップホースの
一角でもあります。国内では6着以下になったことのない
安定感と、東京競馬場になると4戦3勝2着1回。
つまり連を外したことがありません。しかも4戦のうち3戦は
Ｇ�気任后�3歳時にこのジャパンカップに出走しましたが、
この時がシュヴァルグランの2着でした。
国内のＧ�気任六�月賞と今年の宝塚記念で5着でしたが、
小回りの競馬場をやや苦手にしているというところが、
中山や阪神で結果が出せない原因にもなっています。
父がキングカメハメハ、母父がシンボリクリスエスと、
極端に東京好きな血統が純粋培養されてしまった結果なのかも
しれませんが、やはり東京での成績とそれ以外では差があります。
長い直線での加速力がこの馬の持ち味です。
この強烈な末脚がいかされる舞台、しかもアーモンドアイが
いないジャパンカップは、この馬にとっての大チャンスです。
念願のジャパンカップ制覇なるでしょうか。
2枠2番 ワグネリアン
近10年のジャパンカップでは、4歳馬の優勝が4勝、
5歳馬が3勝、3歳馬が3勝で、やはり4歳馬がやや優位。
その4歳馬の中では、この馬の方がまずは要注意。
福永騎手をダービージョッキーにした感動のダービーは、
今でも思い出します。残念ながら4歳になってからの
優勝はなく、大阪杯ではアルアインに、前走の天皇賞(秋)
ではアーモンドアイに、優勝を阻まれてしまいました。
父はディープインパクト、母父がキングカメハメハという
組み合わせなので、ダービーを制覇しただけではなく、
やはりこの馬は東京が得意です。東京では
負けたことがなかったという実績で、挑んだのが
前走の天皇賞(秋)(東京Ｇ�機┝�2,000ｍ)でした。
この時のアーモンドアイが叩き出した決勝タイムが、
1分56秒2と0.1秒差で歴代2位となるタイムでした
ので、仕方がないといえば仕方がないのですが、
5着という着順は東京でのこの馬の成績としては
とても珍しいです。
とはいっても、この時の入着タイムは、
昨年レイデオロが天皇賞(秋)を制した時のタイムと
同タイムだったのですけどね。
レイデオロとのダービー馬対決という面でも、
この馬とレイデオロが2強といえる存在だと思います。
3枠5番 スワーヴリチャード
大阪杯(阪神Ｇ�機┝�2,000m)の優勝馬です。
ダービーでも2着でしたし、昨年のジャパンカップ
でも3着でした。東京競馬場は苦手というわけでは
なさそうです。ただし東京での実績は8戦2勝。
前走の天皇賞(秋)(東京Ｇ�機┝�2,000m)では7着。
昨年の天皇賞(秋)では10着と、大敗もありました。
この辺りは判断が難しいところなのですけど、
この馬は距離が2,200mを境にして、成績に大きく
差があります。どうにも長距離の方が得意なようです。
2,200m以上のレースでは3着以内を外したことが
ありません。東京が苦手なのかといわれると、
父がハーツクライですから、そんなことはないはず
という印象を持ちます。
ですが母系がファピアノ系ですので、
ややスピード能力重視の配合ですので、血統を見ると
中距離以下が苦手ということもないはずで、
現に所持しているG�汽織ぅ肇襪�2,000mの大阪杯。
本当にどうとらえたらいいのか悩む馬でもあります。
ただ昨年は天皇賞(秋)でレイデオロに1.5秒差をつけられ、
前走は同じく天皇賞(秋)でワグネリアンに0.3秒差つけられ
ています。やはり3番手候補というところでしょうか。
4枠6番 ユーキャンスマイル
この辺りからさらに難しくなってきます。東京競馬場では
ダイヤモンドS(東京Ｇ�掘┝�3,400m)で優勝しており、
今年は新潟記念(新潟Ｇ�供┝�2,000m)で優勝しています。
重賞優勝はこの2勝なのですが、どちらかというと
長距離の方が好成績を残しています。父はキングカメハメハ
なのですが、母父がダンスインザダークということもあり、
この配合が長距離適性に現れているのだと思います。
とはいえ4歳になってからのこの馬は適距離が広がり、
前述の新潟記念で優勝し、前走は天皇賞(秋)で4着。
今年は天皇賞(春)でも5着に入っていますし、
ただの長距離バカというのではなく、長距離にも強い馬が、
中距離でも力を発揮できるようになってきたということが
いえます。こんな風に能力を拡大させてきた馬はくせ者です。
現状でいえば、重賞実績が2,000m〜3,400mということ
ですから、2,400mのジャパンカップはもちろん
適距離範囲内といえます。どこまで通用するでしょうか。
3枠4番 ムイトオブリガード
本当に悩むところなのですけど、これほどの晩成型は
珍しいかもということで、とても気になります。
4歳の10月でようやく条件戦を卒業し、
前走のアルゼンチン共和国杯(東京Ｇ�供┝�2,500m)で
初めての重賞制覇という馬です。
ただ、5歳になってからの成績がとても安定的で、
重賞でもそれなりの成績を収められるようになりました。
しかもここまでの成績を改めて精査してみると、
東京での成績は、前述したアルゼンチン共和国杯を
制した前走を含め、4戦3勝2着1回という
抜群の成績で、1回の2着は昨年のアルゼンチン共和国杯。
ジャパンカップのコースでもある東京の芝2,400mは
2回出走し負けたことがないという安定感だったんです。
父はルーラーシップで、この馬自身は東京での重賞優勝は
ないという馬でした。でもルーラーシップの母は
エアグルーヴですから、東京が苦手ということはないの
だと思います。そこに母父がサンデーサイレンスなので、
この配合だと東京に適性があるのも窺えます。
重賞初制覇が5歳で、そのまま連勝でジャパンカップ
ということは極めて珍事だと思いますけど、
これもまた面白いですね。
近走の成績がいいことで気になるのは
5枠9番 ルックトゥワイス です。こちらも前述の
ムイトオブリガード同様、本当に遅咲きの馬ですが、
今年の目黒記念(東京Ｇ�供┝�2,500m)では2分28秒2
というレコードタイムで優勝したことが光ります。
ただし、東京でも8着だったことがあり、安定感という
点でムイトオブリガードの方が上なのかな。それに6歳馬の
優勝というと、過去30年で2回しかないんですよね。
6歳馬というともう1頭8枠14番 マカヒキ がいます。
これでダービー馬が3世代そろっているわけですけど、
これも6歳馬ですものね。マカヒキの本来の力が発揮され
れば、タップダンスシチー以来の6歳馬優勝も
あり得なくはないのですけど、レイデオロらにかなう
ほどの力量かどうかがポイントです。
ログインしてコメントを確認・投稿する