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2019年11月22日21:24

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現代詩手帖。

現代詩手帖の11月号に眼を通す。

三木悠莉の詩が白井明大さんによって取り上げられている。詩誌評。
ポエトリー・ジャーナルに載ったフルボッコメイドという作品。
ジョーダン・スミス氏の英訳とともに。(但し、紙幅の都合か彼の名前はない)
白井さん、やるなー、とニヤリとする。

小さい訃報が二人。二人とも個人的に知ってる方だった。
倉田良成氏と室井光広氏。

どうしてこのお二方を存じ上げているかというと、かれこれ20年前、詩人の吉田文憲先生にぼくは私淑していて、先生の早稲田大学の現代詩の講義の助手を勤めていたことがあった。(ちなみにノーギャラ)。

で、吉田先生にこの詩人知ってる?と一冊の詩集を手渡されて、読んだ。学生さんはテスト中だ。その詩集の作者が倉田さんだった。ぼくはすごく倉田さんの世界観に惹かれた。
そこで、ぼくは現代詩手帖の年鑑で住所を調べて、その時の感想と、拙詩集「アメリカ小説全集」を送った。
倉田さんはぼくの手紙への返事をくださっただけではなく、貴重な著作と参加されている詩誌をご恵投して頂いた。
その詩誌というのが坂井信夫さんの個人誌『索』で、のちにぼくも参加することになる。
これが無ければ、ぼくが坂井さんに会いに山本陽子のシンポジウムに行くこともなく、そうなると、ぼくと川江さんとヤリタさんは出会わず、従ってぼくがポエトリーのシーンにいることもない。
そんな恩人の倉田良成さん、逝く。合掌。

室井さんとはちょっと笑える話だ。
当時室井さんは早稲田で教鞭をとっていた。吉田先生とは旧知の仲だった。
ある日教員ロビーの吉田先生の棚にわらびもちが入っていた。
室井先生からだった。吉田先生はびっくりしつつも笑って、「これ、あげる」とぼくにくれた。
ぼくは妹ぶんの温子ボン(いまの松本てふこさん)に、来歴を示して、そのわらびもちをあげた。
後日、室井先生の授業を取っていた温子ボンは食ったもちの感想を、講義後先生に伝えた。
室井さんはびっくりして、温子ボンに「吉田先生、助手がいるの?」と言ったと聞いた。
そりゃそうだ、非常勤講師に助手がついてるはずはない。
明らかにぼくのやりすぎだ。
そんな室井先生、逝く。合掌。

お二方とも60代とまだ若い。たった二行の訃報から、そんな思い出が甦った。

明日はぼくの祖母の一周忌だ。死を想う季節なのかも知れない。

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