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2019年05月31日10:10

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『僕たちのラストステージ』

〜1937年、スタン・ローレル(スティーヴ・クーガン)とオリバー・ハーディ(ジョン・C・ライリー)によるお笑いコンビ、ローレル&ハーディは、観客からも批評家からも愛され、出演映画は世界中で上映され、ハリウッド・コメディ界の頂点に君臨していた。
1953年、ローレル&ハーディは、イギリスでホールツアーを開始するも、既に二人は過去の人になっていた。待遇は悪く、客席もガラガラ。互いを笑わせあいながら、過酷なツアーを頑張って続けるうちに、やがて二人はファンを取り戻していくが、ある日の口論をきっかけに、オリバーはコンビ解消を心に決め、スタンに「引退する」と告げる―――。〜 <公式HPより>

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全く知らなかったスタン・ローレルとオリバー・ハーディについての作品。
なんせ、私が生まれる前に活躍されてたコンビあせあせ(飛び散る汗)
私は、スティーヴ・クーガンに惚れているところがあるので、観賞。
また『あなたを抱きしめるまで』の脚本家作品(S・クーガンと共同脚本)というのも興味ありでした。

冒頭、楽屋から出た2人がハリウッドのスタジオをどんどん歩いてゆく長回しから始まります。
後で、調べたら6分!台詞もかなりあったし、大変だったと思うけど、ここで一気に当時の雰囲気がこちらに伝わってきて、心地よき出だし。
当時の映画がどう作られていたかも、楽しく見せてくれます。

人気が下降する中、2人はイギリスツアーに出るところからがメイン。
「長年一緒にやってるなんて素晴らしい」と覚えていてくれる人もいれば「だっ、誰?」と全く知らない人もいる。
あり得ないほどエコノミーな宿泊先。ポーターなんていやしない。
予想よりもはるかに小さな劇場。それなのに空席が目立つ客席。列車移動時でも重い荷物は全て自分たちで運ぶ。

過酷なツアー。それでも、久しぶりの映画製作の話も進んでいるからという背景に、2人は頑張り続ける。
仕事の合間には、ゴルフや競馬を楽しむハーディ。
一方、ずっと脚本を書き続けるローレル。
2人の仲は、いつしか、ギクシャクしはじめる。
そんな折、ハーディの膝が悪化し、あるイベントで倒れてしまう。

「引退するよ」とハーディ。
ローレルは、ハーディの代役と舞台に立つことにするのだが、代役の様々な仕草を見ているうちに違和感を感じ・・・なんとステージドタキャン!!!
またハーディは、しばらく前にすでに映画製作はダメになったとわかっていながらローレルがずっとずっとその脚本を書いていたことを知ります。
その事をローレルに聞くと「(脚本書くこと以外に)他に何をやる?」

「I loved us」
「You never loved me」

今までのわだかまりが、少しずつ消えてゆく終盤。
2人が手を重ね合う場面が、2度あって、これがまたいいんだ!
このツアーで、2人は、仕事上の’コンビ’に加えて、唯一無二の親友同士になったんですね。

ところどころに入る、かつてのフラッシュバックも効果的。
ちなみに、それぞれの妻(確か2人とも再婚)の変化も、こちらの心を揺さぶります。
全体を通じて、監督がこの2人を信頼しているのがとてもわかりました。温かき眼差しがところどころに。

この2人のキャスティングは、本当に良かった。
スティーヴはイギリス人なのに、やや怖がりで神経質、そして寂しがり屋のローレルを見事に蘇らせた。
とりわけ横顔の切なさはたまらない!
ジョンも、やや短気ながら、仕事には懸命に取り組むハーディを好演。

ただ、ほんと、何かとっかかりがないと、退屈に感じてしまう可能性大。
だって、彼らの創り出す笑いって、今じゃあり得ないもので。。。
スローで、繰り返しで、ちょっとしたタイミングのズレや絶妙な間の取り方で生み出されていく笑いゆえ、今のスピード時代の観客には、唖然とされてしまうこと必至。
ほんと、この作品ダメな人はダメだと思います。
私は・・・人間がリアルかつ素敵に描かれていれば満足なので、お釣りがもらえるぐらい(!?)満足できましたよ。3.5☆
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