第13回【緋色のハザード】ゲームブックリプレイ

※ここより先はゲームブック【緋色のハザード】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ぜろです。
更科博士の口から真実が語られました。
しかし真実が明らかになったところで、このバイオハザードを食い止めるにはワクチンを大量生産するしかありません。
とはいえ、ここがクライマックス。博士の告白だけで事態が収束するはずがないことはわかりきっています。
博士の後ろで糸を引いている何者かが動きを見せるのではないでしょうか。


●アタック04-2　「あの方」は誰かを予想するスレ

更科博士の口から真相が語られた。
博士は全世界にこの事実を公開することを宣言する。秘密裡になっていたこの感染症の話が世界的に広まってしまえば、もう闇に葬ることはできない。そうなれば、ワクチンの開発も進むだろう、というのだ。

なるほど。そうなればこの騒動は一気に解決に向かうことになるな。

だが、俺はそれを手放しで喜ぶことはできない。
クライマックス直前で開かされた真相は、クライマックス突入と同時にどんでん返されるか、あるいは思いもよらないアクシデントで危機に陥るに決まっているのだ。

たとえばだが、今ここにいるこの面子は誰が呼び集めたのだろう。
更科博士だよな。
何のために？
更科博士が真実を告白するためだ。
どういう人選なのか？
これはおそらくだが、この事件の真相に近いところにいる者や、取材や捜査により真相に近づいている者を呼び集めたということだろう。

つまり、このメンバー全員を抹殺すれば、真相はまた闇に葬られるということだ。
もしかしたら、更科博士の上位の存在が紛れ込んでいるかもしれない。

ここで選択肢が出る。
この中で最も危険な人物は誰だろうか、というものだ。

今この場にいる人物。
・緒方警部
・鷹野記者
・銃砲店長
・更科博士
・赤城会長
そして俺。
俺は選べないようになっていた。さすがに俺は違う。俺は怪しくない。アヤシクナイヨ。ホウチョウ、コワクナイヨ。


となると、誰だろう。


●アタック04-2　あてずっぽ

今回はちょっと見当もつかない。
緒方警部は違うと思っている。
根拠はないが、信頼できる系のはみだし警部っていう典型的なキャラクター造形だからだ。

あとの人はもう全部さっぱり予想がつかない。

鷹野記者は判断できるほど深くやりとりをしていない。

銃砲店長は、昔の山狩りに関係しているらしいけれど、本当に山に感染症の獣が放たれた事実があったかも疑わしい。本当にあったのならとっくの昔にパンデミックに違いない。

更科博士は信じたいが、怪しいのも事実だ。ここに呼びつけたのは彼だからして、真相を語った挙句に、「では、君たちには消えてもらおう。和久井君」とか言ってゾンビ―和久井をけしかけてこないとも限らない。ていうか今書いて思ったがこれはわりと自然な展開だな。

怪しいと言えば赤城会長だ。会長とは少し会話を拾ったくらいでほとんど面識はないが、そもそも赤城製薬がこの感染症用のワクチンを用意していたという点はひっかかる。更科博士の影のパトロンという可能性は捨てきれない。

よく考えたうえ、俺は赤城会長に警戒しようと思った。
やはり、更科博士本人よりも、その影にひそむ存在を指摘することが今回の選択肢の主眼だと思ったからだ。
にしても、あてずっぽで犯人呼ばわりされるのも失礼な話だ。それをしようっていう俺はなんて失礼極まりない奴なんだ。

ここで俺は、さらに驚くべき選択肢に出くわす。
ひとつめは、赤城会長を、殺す。
もうひとつは、議論して追求する、だ。

どちらにしても極端すぎる。
根拠もなしに勘だけで黒幕と決めつけて殺害するのは違った場合のリスクが高すぎるだろう。
だからといって本当だった場合、議論で追求なんてなまぬるいことをやってる場合じゃない。
なんで「拘束する」が選択肢にないんだ。

これじゃ、負け戦確定で議論をふっかけるしかないじゃんか。
本当に赤城会長が黒幕なら、指摘したところで手遅れだろう。
ハズレだったら、見当違いな推理をあざ笑われつつ、黒幕にいいようになぶられることだろう。

俺は、負け確定の推理を披露していく。


●アタック04-3　黒幕は黒タイツ

「なぜこのメンバーが研究室に通されたのか。それは、我々が関係者だからだ。この事件の真相に近づいた者全員を集めて始末しようという意図があったからこそ、自衛隊はわざわざこのメンバーだけを研究所内に通したんだ」


考えを披露するのはいいけど、この時点でもう詰んでるよね。

「そして、我々全員の始末を目論んだ黒幕は、この中にいる！」


ジッチャンの名にかけそうな勢いで言ってみる。
全員が息をのむ中、ただ一人だけ、拍手をした人物がいた。


「素晴らしい推理だ。一般人にしておくのがもったいない」

彼は口元に笑みを浮かべているが、その目は笑っていない。
そうか。お前が黒幕だったのか。

そう、その黒幕とは、俺の予想どおり……なのか？

わからない。
何故か？

そこには「彼」としか書かれていないのだ。


どういうこと？

作中の俺が、プレイヤーの俺に情報を開示してくれないｗｗｗｗ
そんなのってアリ？
明らかにこのパラグラフだけ情報公開の仕方が違うｗｗｗ

黒幕は、冷徹に計画実行の指示を出した。
武装した兵士がなだれこんできて、全員射殺された。ゲームオーバー。


アタック04　場違いな推理を披露して関係者全員射殺


次回、更科博士の背後にいる黒幕は誰だ？　って前回と同じ引きじゃん。


■登場人物
和久井　出番の少ないヒロイン枠。ウイルス感染者で絶賛隔離中。
更科博士　ゾンビ化ウイルスに関わっている極東大学附属病院の医師。
鷹野記者　緋川タイムズ新聞社の敏腕っぽい記者。
銃砲店店主　もと狩猟の会会長。昔異形の怪物の山狩りをした人物。
緒方警部　はみだし警部。独自に真相を追っている。もっとはみだせ。
赤城会長　製薬会社の会長。ワクチン流通に関わっているようだ。
俺　俺4号。きちんと推理の組み立てもできていないのにあてずっぽで名指しする失礼な奴。


ゲームブックリプレイ【緋色のハザード】目次
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