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2019年05月18日22:50

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第14回【緋色のハザード】ゲームブックリプレイ

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※ここより先はゲームブック【緋色のハザード】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ぜろです。
黒幕あてクイズの時間がやってまいりました。
プレイヤーのコントロールを離れて行動しがちな俺をうまく操り、黒幕をあてることができるのでしょうか。
そして、あてたところでどうにかなるのでしょうか。
今回はそんな黒幕あての一部始終です。


●アタック05 疑わしきは殺れ

……どうしよう。
推理を披露してもとっくに積んでいるんだったら、先制攻撃で黒幕をぶっ殺すしかないじゃん。
まあ、すでにジャンルはミステリからゾンビサバイバルものにシフトしてるんだから、殺人に対する良心の呵責度もそれに応じて逓減はしているけれども、それでもなあ。

確信のない推理ではあるが、やるしかない。否、殺るしかない。

俺は、ひとつ前の選択肢に戻った。
怪しいのは、赤城会長だ。

ならば殺す。
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クックック。赤城の山も今宵限りよ。

俺は、そういえば持っていた包丁で、唐突に赤城会長を刺し殺した。

そしたら現場は大混乱に陥った。
そりゃそうだ。何の脈絡もなく俺が会長を殺したんじゃ、俺の方が悪者か壊れたかにしか見えないよな。
そして疑心暗鬼に陥った人々は殺し合いを始めた。
俺は血の海に沈んだ。黒幕も一緒に死んだようだが、更科博士も死んじゃったのでワクチン製造の可能性も絶たれたことだろう。ゲームオーバー。

アタック05 疑心暗鬼の殺し合いで血の海に沈む。


●アタック06 博士はいつも怪しい

赤城会長ではなかったということだろうか。
俺は改めて、誰が黒幕か考え直してみることにした。
黒幕を指摘する段からのやり直しだ。

そして俺が選んだのは更科博士。

黒幕か、と言われると、黒幕に使われていた側だと思うのでハズレ臭いとは思うし、更科博士がそうだとすると、結局どっちに転んでもワクチン化の望みはないことになってしまう。けれども現在ある情報で怪しい人物がほかに思いつかなかったのだ。

そして迎えた次の選択肢。
更科博士を殺すか、議論して追求するか。

あ、これ赤城会長の時のパラグラフと一緒だ。
つまり、どっちを選んでも死ぬやつだ。

俺は、選べない選択肢を前に立ち尽くすしかなかった。
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アタック06 絶対死ぬ選択肢の前で立ち往生。


●アタック07 はみだし警部順調か

黒幕あてクイズは最高潮。もう完全に推理じゃない。
俺は、違うと思いつつも緒方警部が黒幕と指摘することにした。
他の人物は性格や傾向を把握するほどの出会いをしていないから、せめて印象に残っている人物を指摘しようという理由だ。

もちろん、違っていた。
俺はまた、どっちを選んでも死ぬ選択肢の前に立ち尽くすしかなかった。
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アタック07 絶対死ぬ選択肢の前で立ち往生。


●アタック08 敏腕記者は忙しい

あと選んでいないのは、鷹野記者と銃砲店長だけだ。

このあたりはつきあいが浅いので何の予想も立たない。
もうこうなったら順番に行こう。

まずは鷹野記者。
彼を黒幕と考える根拠を無理矢理探すなら、情報を集めやすい位置にいるということぐらいか。根拠として弱い弱い。

もちろん、彼は黒幕ではなかった。
まったく同じパターンで詰んだのだった。
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アタック08 絶対死ぬ選択肢の前で立ち往生。


●アタック09-1 殺るっきゃないと

なんと外しに外し続け、ついに最後の選択肢になってしまった。
これも違っていたらどうしよう。

四の五の言ってもはじまらない。
黒幕は銃砲店長だ。もうこれしかない。

ここで出される選択肢はこれまでと同様、いきなり殺すか、議論するかの二択だ。
これではどちらを選んでもゲームオーバー展開にしかならないじゃないか、と思ったが、よく見ると一点だけ違いがある。

いきなり殺す方の選択肢の進み先のパラグラフ番号がこれまでのものと異なっているのだ。
これは何かが起きるに違いない。

俺は銃砲店長をぶっ殺すことにした。

ためらいなく包丁を向ける。
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「なぜ、ただの商店街の店主がこの局面に立ち会ってるんです? この不自然な事実が、あなたを関係者だと言っている」

俺はそう説明する。
むう。プレイヤーの俺としては、この人がその昔怪物の山狩りに出ていた記事も見てたので、最初から関係者だと思っていたし、そのために呼び出された程度の認識だったよ。全然おかしいと思ってなかった。

「長きにわたってこの研究所でウイルスの研究を推進し、実際に感染者が出たときは自ら始末する。あなたが全ての黒幕なんでしょう?」

店主は何も答えない。ていうか、そんな悠長なことやってたらまた兵士たちがなだれこんできちゃうんだから、殺すならさっさと殺してしまってくれ、俺よ。

「なぜこのメンバーが研究室に通されたのか。それは、我々が関係者だからだ。この事件の真相に近づいた者全員を集めて始末しようという意図があったからこそ、自衛隊はわざわざこのメンバーだけを研究所内に通したんだよ!」
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結局推理披露のモードに入ってしまった。違いといえば、最初に犯人を名指ししたかしないかくらいだ。

「そうやって真実に至る者がいる。だから生かしておけないんだ」
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銃砲店長は言うなり、俺の包丁をはねのけた。そして懐から何かを取り出そうとした。
やばい、と思った瞬間、銃声。

緒方警部だ。
警部の放った弾丸は、通信機を取り出そうとしていた店主に命中し、一発で仕留めたのだった。


次回、そういえば和久井さんは?

■登場人物
和久井 出番の少ないヒロイン枠。ウイルス感染者で絶賛隔離中。
更科博士 ゾンビ化ウイルスに関わっている極東大学附属病院の医師。
鷹野記者 緋川タイムズ新聞社の敏腕っぽい記者。
銃砲店店主 もと狩猟の会会長。事件の黒幕。
緒方警部 はみだし警部。独自に真相を追っている。もっとはみだせ。
赤城会長 製薬会社の会長。ワクチン流通に関わっているようだ。
俺 今回だけで5号から8号が犠牲に。気がつけば俺9号。


ゲームブックリプレイ【緋色のハザード】目次
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