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2019年04月04日02:06

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Genius

2001年に書いた原稿です。

語学の鉄人に会った!

私は毎日英語とドイツ語を使って仕事をしている。それでも、いわゆる帰国子女ではないので、母国語同様に話せるというわけではない。その上、最近スゴイ人に出会って、自分の語学力のなさをほとほと感じた次第……。その顛末をご紹介しよう。

私の知り合いのドイツ人W君はレバノン人の女性Wさんと結婚している。先日ミュンヘン市内のレストランでWさんの誕生パーティーに招かれたので、出席した。そこには、W君のご母堂Aさんも来られていた。お年の頃は70歳前後だろうか。いつもニコニコして親切そうなAさんだが、実は驚異的な一面を秘めておられるのである。ふと気がつくと、私たちとはドイツ語で話し、ギリシャ人の友人が来ればギリシャ語で、レバノン人が来ればアラビア語で話しておられる。

「いったい何ヶ国語を話せるのですか?」と訪ねたら、「ドイツ語、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ギリシャ語、アラビア語、スロベニア語……あわせて8ヶ国語!」という答えが返ってきて、びっくり仰天してしまった。

なんでこんなに沢山言葉を話せるのだろうか?その訳はAさんの生い立ちにあった。彼女の母親はスロベニア人、父親はギリシャ人だった。二人はエジプトのアレクサンドリアに働きに来ている時に知り合い、恋に落ちて結婚する。両親の共通の言語は、当時北アフリカで広く使われていたイタリア語だった。このため、エジプトで生まれたAさんは家庭の中で、スロベニア語、ギリシャ語、イタリア語を身につけた。さらに両親は大変ドイツの文化にあこがれていたため、Aさんをアレクサンドリアのドイツ人学校へ行かせる。従って、Aさんはドイツ語にも流暢になった。その後、学校で英語、フランス語、スペイン語を学んだほか、エジプトに30年間住んだため、アラビア語にも通じている。

「話せる言語の数が増えれば増えるほど、言葉を学ぶのは簡単になります。頭の良さよりは、耳の良さだと思います」と謙遜するAさんだが、やはり語学の才能がなければ、とてもこんなに沢山の言葉を話せるようにはならないだろう。

いやー、欧州には凄い人がいるものだ。70歳の語学の鉄人を見て、すっかり敬服してしまった私である。
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