完璧だったボッタスと、このレース一番のオーバーテイクを決めたフェルスタッペン

まずは見事にトップで走り切ってファステストラップも獲ったボッタスおめでとう！ 今日の走りは完璧だった。

ハミルトンはタイヤに苦しんでいたが、ボッタスにはまったくそういう懸念は無かった。昨シーズンもハミルトンのタイヤにブリスターが出ている局面でも、ボッタスはタイヤがキレイだった記憶がある。一発の速さはハミルトンでも、決勝ペースのコントロールはボッタスの方が上なんじゃないかという気もする。

しかし予選で前に出た側の方が優先権があるから、まずは予選で前に出ないとボッタスのペースでレースをやることが出来なくなり、ハミルトンの援護役に回されてしまうので、ボッタスはもっと予選のパフォーマンスを上げることが課題だろう。
しかしラップアーティストのハミルトンを予選で上回るのは至難の業だが。



優勝のボッタスに次ぐ殊勲賞はフェルスタッペンだと思う。ホンダには１１年ぶりの表彰台をもたらした。

ベッテルがタイヤに苦しんでいたとは言え、ストレートエンドで見事に抜いた。昨シーズンだとパワーで勝るフェラーリをこういう風に抜くのは大変困難だったが、今回は実にキレイに抜いた。ラップタイムに２秒差あっても抜けないと言われるオーストラリアのコースでフェラーリを抜いたのは大きい。

フェルスタッペンは予選でもフェラーリと五分だったし、ホンダのエンジンパワーはフェラーリのすぐ後ろぐらいまで来ていると思える。マクラーレン時代にはマクラーレン側の非協力によって開発が進まなかったが、レッドブルグループと組んで１年であっさり追いついた。

マクラーレン・ルノーはエンジンが燃えていたが、たぶんそっちはあまり記事にならないだろう。なぜか日本のマスコミはマクラーレンやルノーのことは悪く書かない。彼らから金を貰っているのか、ホンダが嫌いなのかどうか。



フェルスタッペンは一時期ファステストラップを獲っていた。今日絶好調だったボッタスに最終的には塗り替えられたが、タイヤがタレ気味だったとは言えハミルトンを上回るペースで、フェラーリは千切っていたのだから、レッドブルの決勝ペースはメルセデスと五分だと言える。

予選のパワーはまだまだメルセデスが一枚上のようだった。パーティーモードの謎は最近は情報が出回るようになり、燃料規制のための流量計とインジェクターの間に隠し燃料を溜めておいて、パワーが必要な時に燃料を多く噴射する機構だったそうだ。

FIAもそれに気が付いて、流量計とインジェクターの間の配管に規制をかけたので、隠し燃料の容量は大幅にダウンしたそうだ。それによってフェラーリのパーティーモードは弱体化したようだが、元祖パーティーモードのメルセデスはまだ上手くやりくりしているようで、予選パワーで一段抜けている感触。

しかし決勝になると余剰燃料を溜めるラップはなかなか作れないので、パーティーモードによるパワー差はほとんど出ない。パーティーモード抜きならば、メルセデスとホンダの間のパワー差は１０〜２０ps程度ではないかと思える。そのくらいの差ならレッドブルのエアロがあればコース上で抜くことが出来る。



レッドブルのエアロにアドバンテージがあると見えるのは、トップ集団ではレッドブルが最もタイヤのもちが良かったから。

ベッテルがアンダーカット狙いで早めにタイヤ交換して、ハミルトンがそれを警戒してタイミング合わせてタイヤ交換したので、遅めに交換したフェルスタッペンと単純に比較は出来ないが、長いスティントでのタイヤ消耗はレッドブルが最も少なかったように見えた。

なんぼパワーがあってもタイヤがタレてしまったらタイムは上らないので、タイヤに厳しいコースだとレッドブルにアドバンテージがありそうな気がする。

今回、フェラーリはペースが上らなかったが、オーストラリアの半公道コースは非常に癖が強いコースであまり参考にならないので、フェラーリの本当の実力は常設サーキットに行ってみないと分からない。バルセロナテストの好調ぶりからすると、フェラーリは路面がスムーズなコースなら速いはずだが。

パワーのメルセデス、中高速コーナーが速いフェラーリ、バランスが良いレッドブルと各々の得意分野が見えてきたので、それぞれの長所を活かしたレース戦略のぶつかり合いが見れそうで、今シーズンはなかなか楽しいことになりそうだ。

メルセデスの内部も、ハミルトン一極化ではないならチームメイトバトルが面白くなる。誰が勝つのか分かり切っているレースはつまらないが、今年はトップ３チームなら誰が勝つか分からない感触なので、見ごたえがありそうだ。


■ホンダF1、11年ぶりの3位表彰台を獲得！ フェルスタッペンがベッテルを見事なオーバーテイク。開幕戦優勝はボッタス
(AUTOSPORT web - 03月17日 15:41)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=186&from=diary&id=5541943