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2018年12月04日01:45

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駒場の祭り

もう1週間たってしまったが、11/25は東大駒場校舎(教養学部)の文化祭、駒場祭の最終日。赤羽マラソンの帰りに立ち寄った。
2年前に行って結構面白かったのだが、その時は多動症全開の次男坊も連れて行ったため、じっくりみられなかった。今回は、比較的分別のある長男のみを連れて、じっくり見学。
まー一言でいって、素晴らしい文化祭だった。
さすが東大ちゅうか、知能高い人の企画ってこんなに面白いのかと思える。
なんたって他の大学と違うのは、単なるバカ騒ぎだけじゃなく、普段の研究の成果なども一緒に展示していたりするため、知性に満ちているのだ。これが格段に面白い。
それにプラスして、運動部や芸術系のイベントも充実しており、どこを切っても楽しめる。

まず最初に行ったのが、アーチェリー部の体験アーチェリー。
アーチェリー部員の指導で、大人も子供もアーチェリーが体験できるというもので、本物の洋弓を射させてくれる。
早速息子にやらせてみたのだが、普段は不器用な上、できないとキレる息子が、アーチェリー部のお兄さんの言うことを良く聞いて、一所懸命にやっていた。
結果は的を射れなかったが、前に飛ばし的に当てることはできた。お兄さんの粋な計らいで、6点つけてもらい、景品のお菓子をもらう。
ところで、アーチェリーの順番待ちをしている間、目の前の出店では、なにやらアジテートしている連中がいて、拡声器でわけわからんことを大声で叫んでいる。
内容は、「ここ東大は、こんなにひどいところです、皆さんこんなことでいいのでしょうか!」みたいな大学批判。まー私の母校にもこのてのはいたが、そこそこのレベルの大学になるとアジテート学生は一定数でるってことなんだろうか。
で、アーチェリー部でもぎり担当していた兄さんに、「兄さん、あれはなんだい?」って聞いたら、
「いや、自分もよくわかんないんですよ。何か定期的に出てきてああいうことやってるんだけど・・」
と苦笑い。
「ウーンそうですかー。折角の学生時代、健全にスポーツにでも打ち込んだほうがいいと思うんだけどねえ」
と、親父の戯言を言い、兄さんまた苦笑い。
まあエネルギーの燃焼の仕方は人それぞれだが、東大生というリソースをそこで費やすのは些かもったいないと思ってしまうのでした。

次に、大学祭では必ず観にいく音楽サークルの教室ライブ。
東大はそんなにバンドなんか活発じゃないんだろうなあ、、と思っていたんだが、それは偏見であった。
なんと、ある校舎のフロア全体を貸し切り状態にするくらい音楽サークルはいっぱいあった。
それもJポップ系から、パンク、ヘビメタ、ジャズ、ロックなどジャンルごとにサークル化されており、ビートルズのコピー専門のサークルまである。
いくつかつまみ食い的に覗いてみたが、どこもそれなりに盛り上がっていて、とある女性ボーカルのロックバンドなんか、観客がタオル振ったり踊ったりするお約束まで共有されており、なんか凄かった。後ろから見てて恥ずかしかったが。ちょっと秋葉のオタクコンサートを思い起こすようなノリっていうのか・・
音楽サークルに関しては、探しても1つしか見つからなかった上智大学よりよほど充実している。母校の中大か早稲田と張るくらいかもしれない。

その後は、いろいろと展示してあるところを巡る。
「太極拳から東洋文化を学ぶ」などという怪しいところもあり覗いてみたが、易占いとかツボ押し体験とかやってて面白そう。これがそこそこの人気で順番待ちしていたため諦めたが、易者やってたやつ、どうみても本職っぽかったぞ?本当に学生か?
「生物学展示会」は凄かった。まず昆虫の標本がこれでもかと並んでいる。それから、紫外線で発光する虫がいて、係の兄さんが「これ発光するんですよ」とダンボールに入れて中を覗かされた。その横には「先ほど捕まえたオサダムシ」という張り紙とともに、オサダムシが瓶の中に捕獲されている。
これだけでも凄いのに、その向こう側には、動物の骨が展示されている。
鹿とかハリネズミなどの骨で、「これ凄いなー」と関心していたら、さかなクンをもっと激しい感じにしたような兄さんが、「これ、私が捕まえてきたんですよ!」と説明を始めた。
なんでも、死骸を拾ってきては、自分で処理を施し、白骨化してコレクションしているとのことで、それはもう嬉しそうに、「これは全部私のコレクションです!」と語る。
1つタヌキの剥製があって、「これも兄さんが?」と聞いたら、よくぞ聞いてくれた!とばかりに「そうなんです。これも私が作ったんです!」と意気揚々と。
それで気を良くしたのか、後から来た女性二人組にも、超ドヤ顔で自慢していた。彼女たちには、大量の何だかグロいカエルの写真もみせて、「これは私が撮影したんです!」と自慢していた。おねえさま方、ドン引き・・
しかし彼にとっては、もう1年で1度の最高の舞台だったのだろう。それはもう、嬉しそうにコレクション自慢をしていた。
ウーン、まあ生き物の興味を持つ科学心は素晴らしいし、こういう人が素晴らしい研究者になるのだろうが、世間一般からみると、ちょっとドン引きだ。そしてこういう人がいるからこそ、東大は素晴らしい!と思いつつも部屋を後にしたのであった。彼はこのあと何人にドヤ顔で説明したことだろう。
なお、彼はミンクみたいな動物の襟巻きをしていたが、それも多分自前で作ったのだろう。触れてやろうか迷ったが、やめておいた。触れたが最後、何か恐ろしかったから。

まあ、(200円取られた上智と違って)無料配布のパンフレットをみると、どれもこれも面白そうだが、あまりにいっぱいあり時間がたりない・・
なので、学術系のある校舎にターゲットを絞ってみた。
「法律相談所」というところでは、係の兄さんがパソコンで動画をみせてくれた。ドラえもんの動画でジャイアンの素行をみて、「暴行罪」に該当するか、クイズ形式で答えるというもの。
懇切丁寧に、この場合はこういう罪になる、といったような解説をしてくれた。
こういう時に会話が苦手なおバカな息子が兄さんに一生懸命答えているところが、妙に可愛らしかったが、最後、兄さんは息子に「こういう法律はおかしいと思ったら、ウチの法学部に入って是非勉強してください」と言っていた。親として「間違いなく無理です」と心の中で思ったのである。
「駒場秘話ヒストリア」というところは、駒場近辺の歴史・地理を研究した成果を発表していて面白かった。パネルなどの読み物もそうだが、ちょうど若き教授(助教授くらいかな?)が、数人を相手にパワポで説明した直後らしく、活発な質疑応答をやっていたが、駒場近辺の土壌が実は地下水が豊富で豊な地であり、渋谷なども自然の価値がある場所であったことが研究結果として発表されたようだ。
駒場近辺は、確かに歩いているだけで安心するような、何ともいえない雰囲気が漂っている。こういう研究を進めてもらい、駒場にアホみたいな開発の手が伸びないことを祈りたい。
「こまば哲学カフェ」というところに入ったら、哲学対話をするという主旨のところらしい。ちょうどディスカッションが始まるところで、「参加しても良い」と言われたのだが、ちょっと恥ずかしいので見学だけさせてもらう。
黒板に、テーマが書いてあり、その前に小演劇をやったらしく、その劇の内容についてディスカッションするという主旨らしい。
大人はもちろん、1人小学生くらいの子供も混ざっており、ホストの学生の進行をもとに議論が活発に進められていた。
まー私たち親子の入れるような空間ではないため、少し見学して出たが、とてもしっかりと来る客に対してもてなしており、あの上智の糞みたいな哲学カフェとはだいぶ違った。(11/5の日記「ソフィアの祭り」参照)
「変わる世界、変わらない私」という部屋では、20年後の世界を想定したインテリアなどを展示。「劇的な変化はしないんですね」といったら、担当のおねえさんは「インフラはもはや劇的な変化はないですよ」とバッサリ。じゃあどこが変化するのかというと、フィジカル面ではなく、メンタル面。出す食事によって、掛かるBGMが変化するとか。ためしに食卓に、模擬の食材、カレーライスとか果物とかを置くと、音楽が確かに変わる。
まあ、食材と音楽のイメージはあんまり合っていなかったがそこは選曲する人のセンスだろう。ともあれ、現在もある技術を使って、こういう人の心を快適にするのが主流になるということらしい。何となく納得。
その後、場所を変えて今度は別のお兄さんが、20年後にこういうカードゲームが出来る、と自分たちで開発したカードゲームを披露。ゲーム内容は割愛するが、対話型で、質問などをしながら正解を当てていくんだが、少し驚いたのが、僕のような社会人も終わりに近づいているいわば老獪な中年に対して、兄さんの受け答えが実にスマートであること。いやもう、貴方、明日からでも十分サラリーマンできますよってレベル。
というか、今回、東大生全般に対して思ったのだが、ほとんどの人がとても受け答えが丁寧で、仕事をしっかりやり、しかも説明などが一々説得力がある。だから、文化祭もこれだけ面白くなるんだろうな。
最後は「ウガンダカフェ」でウガンダコーヒーを一服。ここは、何でも「ウガンダ野球を支援する会」というところが主催していて、会の趣旨は、貧しいウガンダに野球道具を寄贈したり指導者などを派遣したりして、ウガンダ国民に野球を広めるというもの。何故ウガンダなのか?という疑問は残るものの、係りの兄さんに、ちょっと話を聞いてみたら、会の趣旨を丁寧に説明してくれた。カフェの売上げも支援のお金に回すとのことだ。
なお、先日の上智の糞哲学カフェ(11/5の日記「ソフィアの祭り」参照)のトラウマがあるため、注文する前に「砂糖とミルクあります?」と聞いたら、「はい!もちろんありますよ!」とのことで、安心した。
ウガンダカフェと同部屋では、みかん愛好会による「マーマレードの作り方講座」が開催されていた。いろんなサークルがあるもんだ・・

でまあ、お父さんは感動しきりだったのですよ。息子は何だかよくわかんないもののオンパレードだったと思うが。
もっといろいろ周りたかったなーと思ったけど、まあ続きは来年かね。
とにかく、東大生たちの、企画力や実行力も凄いが、ひとつひとつが丁寧で、学生たちは来客に対してとても誠実だったことが何より感動である。
比較してもしょうがないけど、商業主義をバリバリ全面に押し出しているくせに、学生たちの自己満足しか見えてこず、外部から来た僕らが一抹の寂しい思いをした上智よりか、はるかに満足度の高い大学祭である。
東大生っていうだけで、「お勉強は出来るけど世間知らずの坊ちゃん」なんて色眼鏡で見る人が少なからずいるけど、とんでもない誤解だ。
彼らこそ、大人顔負けのスキルと知能を持つ連中だよ。そして、なによりひとりひとりがとても誠実な人たちであったことが清々しく思えた。
あの生物研究会の剥製作りマニアの兄ちゃんだって、ちょっと特殊だとは思うが、ある意味かなり誠実な人間である。

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