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2018年08月25日21:40

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霧の蓼科山と赤彦の歌

蓼科山登山口からではなく、蓼科牧場からロープウェイで七合目登山口へ上がりたいロートルにとって、頼みとするバスの便はあまりよくない。七合目登山口までクルマで行く人が多いせいもあるのだろうか。半世紀以上も昔のことであるが、深田久弥は蓼科牧場の「事務所で泊めてもらい、翌朝頂上に向った」(『日本百名山』)と言うからサスガである。

蓼科山は諏訪富士とも呼ばれる。
「蓼科山は円錐形上に更に円錐丘を戴いた複火山であって、富士に摸されるのは実はこの円錐丘である。……

草枯丘いくつも越えて来つれども蓼科山はなほ丘の上にあり

と歌った島木赤彦の見たのも、この円錐丘であった。諏訪に住んだ赤彦には蓼科山は親しい山であった」(前同)

アララギの代表的な歌人・島木赤彦は、家族連れで蓼科の巖温泉(今の蓼科親湯温泉)に遊んだ歌もある。

湯のうへの岡にのぼれば眼近(まぢか)なり雪の残れる蓼科の山
谷川の音のきこゆる山のうへに蕨を折りて子らと我が居り

台風一過の快晴かと思いきや、蓼科山は霧に覆われていた。登山道も濡れていて滑りやすい。将軍平まで上がって、標高2350mになると空気も薄くて息切れするし、円錐丘の大岩だらけの急登を登るのは断念した。蓼科山荘で美味しい珈琲を頂いてから、周辺の苔と戯れて下山した。
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