13日(水) 中目黒にあるキンケロシアターへ行ってきました。
初めて行った劇場でした。
そして、行く前に会っていた友人に教えてもらったのは、
あの愛川欽也さんが作った劇場だという事。
なるほど…だから、キンキンとケロンパから取って、キンケロシアターなのね。
とてもこじんまりとした劇場だったけれど、何がビックリって、椅子。
シネコンの映画館以上の快適さだったなぁ。
ここまでは望まないけれど、シアターコクーンも、もう少し快適な座り心地の椅子にしてほしい。
今回は、「TENTH」で歌声に惹かれ、シアターオーブで開催された
「ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』 イン コンサートでは、男っぽい歌いっぷりと、
キレのあるダンスにも驚き、左右にファンサービスしてる様子も素敵だったSpiさん
もっとも、私は遥か遠い3階席から、双眼鏡で見ていましたけどね
その際もらったチラシに「SAMAEL〜サマエル〜」があったので、見る事にしました。
秘密結社とは書いてあったけれど、チラシから勝手に宇宙防衛軍的なものを想像してました。
だから、実際見ていくうちに、もうビックリというか、ぶっ飛びました。
前半が少しだけ、ゆったりしてるかなぁ〜という印象はあったけれど、
各キャストの役割の紹介をかねたような進行かな?
ところが、途中から、怒涛の会話の応酬でしたし、
ミュージカル俳優だと思っていたSpiさんが、物凄く骨太な演技をしていたのが衝撃でした。
まぁ、ミュージカル俳優さんというのは、あくまで基本は俳優であり、
その上で、歌えたり、踊れる+αがある事だと思ってますが…
入り口がどちらであっても、俳優は俳優であるのは、
私の好きな俳優さんを見てれば、わかります
Spiさんの何に一番驚いたって、その声のトーンというか威力かな?
他の12人が口々に言葉を発してる時に、まるで斬るように、割って入れる声の力強さと鋭さ。
あるシーンでは、吹き矢か、手裏剣のような速さを感じた。
言われた方は、ビクっとして黙らざるをえない状態。
声質のせいもあるかもしれないけれど、あのオキソという役が本当にピッタリ。
普段は威圧感なんて、全然なくて物腰が柔らかいから、決定的な局面で際立つ本来の姿。
でも、まさか、最後にあんなふうに終わるとは…
というか、歌って終わると思っていたので、最後のセリフを聞いて、たまらなくなった。
すぐ駆け寄って、ギュっと抱きしめてあげたい衝動にかられた
オキソと言う名前もそうだけど、キャストの名前は元素名。
オキソは、オキシジェン (Oxygen)で、酸素を意味する。
酸素は、なくてはならないものだけど、あって当然のもの。
となると、いてもいなくても、さほど気にされない存在=孤独と私は解釈した。
他のキャストも元素なのは、色々な元素が組み合わされば、色々な化学変化が起きる。
それは、爆発かもしれないし、お互いを打ち消してしまうようなものかもしれない。
いい意味での伝染もあれば、病気の感染もある。
各キャストは、農業、政治、医者、警察、資産家、映画監督、女優、作家など、各分野を担っている存在。
それは、現代社会の縮図のようで、それぞれの思惑があって、
Spiさん演じるオキソが創設した秘密組織サマエルの一員になる。
だからこそ、問題が起きた時に生じる各自の言い分に対して言った、
オキソの意見に、私は近かった。
すべては、自分が選択した結果なんだと…
人生は、選択の連続だし、強制ではなく、自由意志のはず。
私は、オキソが発明したメサイヤが毒になるなんて、知らなかったと思う。
現に、秘密にしようとしたはずなのに、事実を報告していた事。
最終的に、自らが犠牲になり、他の人達を脱出させた事。
そして、何より友であるローレンシウムには、メサイヤを兵器に転用する方法を教えてなかった事。
ローレンシウムとの友情だけは、最後まで守った事。
彼にとって、一番大切なものは、それだったと思う。
最後に歌った英語の歌は、本当に胸に突き刺さる。
それを歌うSpiさんは、本当に悲哀に満ちていて、痛々しかった。
Spiさん以外の役者さんは、見事に初めてお目にかかる方ばかりでした。
どの方もとても個性的なキャラクターで、マグマのように感情をぶつけあっていた。
カーテンコールが3回もあったのが、とても意外だった。
最近は、重めのお芝居は、2回くらいしかやらない気がして…
少なくとも私が見ているお芝居は、そうだったなぁ。
明るいミュージカルのような作品ではないけれど、
想定外の骨太な作品に感激して、いつになく大きな拍手と喝さいを送ってた。
本当は、立ち上がって拍手したかったけれど、とてもそんな雰囲気ではなかった
誰も立たずに、ひたすら拍手だったからね。
私と、センターブロック後方から、妙に大きな喝さいが聞こえてました
そうそう、このお芝居は、生演奏に生歌、ダンサーさん9人いて、踊るシーンもある。
非常に贅沢なお芝居でした。
Spiさんの歌以外は、フランス語だったかなぁ〜
日本語ではないからこそ、お芝居を邪魔しないのだと思う。
だからこそ、入場の際に冊子に訳詞が書かれていたのでしょう。
それにしても、このお芝居を見て、すっかりSpiさんに、ハマってしまった
自分が抱いていたイメージと、あまりにギャップがありすぎて…
そして、やっぱり歌声が、素敵すぎて…
とりわけ、劇中、小声で口ずさんでいた時の声が、たまらなく好き
とどめは、トリプルアンコールの時、扉から、ちょこんと顔を出した時。
あの恥ずかしそうな笑顔は、反則でしょう〜
初めて行った劇場で、こんな濃厚で贅沢な時間を過ごす事ができて、大満足
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