下記は、2018.5.24 付の産経ニュース【激動・朝鮮半島】です。
記
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領が22日の米韓首脳会談で、6月12日に予定される米朝首脳会談に関し、北朝鮮が非核化をめぐる米国の「要求条件」を受け入れないのならば会談を中止または延期すると述べたのは、北朝鮮の「完全な核放棄」の実現に向けた米政権の決意に揺るぎがないことを内外に印象づける狙いがある。
加えて、米政権が朝鮮半島で軍事行動に踏み切るのを恐れて北朝鮮との「対話路線」に前のめりな韓国の文在寅大統領に対し、米国が求める「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」に向けた道筋が確保できないのであれば、いつでも対話を中断する用意があるとクギを刺す思惑もあった。
文氏が米韓首脳会談の冒頭、記者団に「トランプ氏が米朝会談を成功させ、朝鮮戦争を終結させ、北朝鮮を完全に非核化させて恒久平和体制を樹立し、米朝関係を正常化させるという歴史的偉業を達成すると確信している」との大仰な賛辞を贈ったのも、米政権が対話を打ち切ることへの恐怖心の表れでもある。
米政権としては、「6月12日の会談実現に向けて準備を進める」(ポンペオ国務長官)との基本姿勢は当面維持する構えだ。
同時に、米朝首脳会談は本来、北朝鮮から要請してきたもので、「北朝鮮が会いたいのなら応じる用意がある」(サンダース大統領報道官)との立場も堅持。北朝鮮が最近、強硬姿勢に転じたことには警戒感を抱きつつも、「会談実現の必要に迫られているのは制裁圧力で困窮する北朝鮮の方だ」(元米政府高官)として、一連の揺さぶり戦術を一蹴していく方針だ。
一方、今回の会談で注目されたのは、トランプ氏が北朝鮮による態度変更の裏に中国の存在があると示唆したことだ。
北朝鮮と中国は、非核化に向けた措置に合わせて段階的に制裁を緩和すべきであるとの認識で一致している。トランプ氏はこれに対し、貿易問題で中国に圧力をかける中で、北朝鮮問題で中国が制裁緩和などに走らないよう働きかけていくとみられている
http://www.sankei.com/world/news/180524/wor1805240018-n1.html
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