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2018年03月07日05:08

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演奏会レヴュー: BBC放送響のブラ1他

BBC交響楽団の来日公演をサントリーホールで聴いた。改修後のサントリーに入るのは初めて。RBブロックだったのだが、其処から見る1階席は座席の間隔が広がって座りやすくなっている様に見えた。サカリ・オラモは元フィンランド放送響のコンマスから指揮者に転じた人。コンマス出身の指揮者は結構いる。古くはミュンシュがゲバントハウス管のコンマスだったし、次期NYP音楽監督のズベーデンもコンセルトヘボウ管のコンマスだった。指揮者に近い所に居るから全体を把握し易いのかもしれない。

ブリテンは25分も要する前プロ。お国ものだけに軽々を演奏していた。どこからがパッサアリアか分からなかったので仲間に聞いたら、最後の荒々しいのがそうだったらしい。チャイコはソロも素晴らしかったが(それでもコパチンだったらなぁ…)、伴奏が色々と味付けをして楽しめた。

フルートのお爺さんは首席ではないと思ったのだが、これも仲間に聞いたら、マイケル・コックスという大先生だそうで、世界中のオケに弟子や孫弟子がる様だ。勿論首席。ロンドン響他を勤め上げたのに招聘されたそうだ。それにしても何と太い音だろう。感嘆した。

ブラ1をプロの実演で聴くのは何年振りだろうか。異様に遅い序奏で始まり、アレグロに入ってからは適宜テンポを揺らしながら、ケレン味一歩手前の味付けを随所に利かせる演奏。2楽章はVnの対向配置が効果的に機能していた。4楽章になるとテンポの変化は留まる処を知らず、Tbのコラールには宗教的な敬虔さすらあった。大団円もピタリと決まり、ブラヴォーが飛び交った。アンコールは指揮者の国であるフィンランドのアンダンテ・フェスティーボが清澄な響きを漂わせてお開きとなった。ブラ1もアマオケの重要なレパートリーだが、やるべき事の何と多い事だろう。頂きが見えただけでも価値のあった演奏会となった。


場所:サントリーホール
曲目:ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」より『4つの海の間奏曲』と『パッサカリア』
    チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品35
    ブラームズ:交響曲第1番 ハ短調 作品68

ソリスト:パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)
       ⇒ アリーナ・ポゴストキーナ(ヴァイオリン) に変更

指揮者:サカリ・オラモ
管弦楽:BBC交響楽団



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