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2018年04月30日08:37

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春の読書日記 警察小説

三月・四月と身心ともに病んでいてふらふら、仕事以外は寝たきり老人だったので、その分まとめて。警察小説編から。
小丸1巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)榎本憲男(著):試しに買ってみたら面白かった。多くの小説では、洋の東西を問わず警察官は疲れているがこの主人公は違う。オーディオマニアでロック好き。二人一組のルールを守らず勝手に行動する。ハッカーで謎の協力者の正体も最後に大どんでん返し。
小丸1警官の掟 (新調文庫)佐々木譲(著):これを読んでしばらくして、警察官が警察官を撃つ事件が起きたげっそり。少し、ネタバレになるが「警官は警官を撃てるのか」というのがこの小説の底にある。元の題は「犬の掟」話は、東京湾岸で男の射殺体が発見されることから始まる。蒲田署の刑事は事件を追い、捜査一課の同期刑事には―所轄より先に犯人を挙げよーという内偵の密命が下る。捜査線上に浮上する女医の不審死、中学教師の溺死、不可解な警官の名前。様々な不特定要素を結びつけるものは何か?思いがけない犯人は?というところだ。長い小説だけれど一気に読ませる手腕はさすが。
小丸1零れた明日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫) 堂場 瞬一(著):芸能事務所社員が殺害された事件で、聴取後に被疑者が逃亡したというので、捜査一課の一ノ瀬は上司の係長・大城に「尻拭い」ともいうべき仕事を命じられる。この上司の野心や警察官としてのあり方に疑問を覚える一ノ瀬。前巻で自分も被疑者に逃げられているので、「相手の失点は自分の得点」と考える大城には賛同できないでいるうちに、話はだんだん込み入ってゆく。この作者の他のシリーズの大友や高城といったメンバーがチラッと登場するのはファンサービスか?
小丸1刑事マルティン・ベック 消えた消防車 (角川文庫)マイ・シューヴァル&, ペール・ヴァールー (著), 柳沢 由実子 (翻訳):1974年に訳された時には、スェーデン語を英訳したものの翻訳だったのが、今回は言語からの翻訳。舞台は厳寒のストックホルム。できの悪い巡査と監視中のアパート任務を交代したラーソン警部補。このアパートが突如、爆発炎上した。彼は住人を救うべく孤軍奮闘するが、出動したはずの消防車が一向に到着しない。焼死者の中には、ある事件の容疑者が含まれていた。刑事マルティン・ベックは捜査を進めるうち、この火災に奇妙な点があると気づく。グンバルド・ラーソンは、私のお気に入り揺れるハート。2m近い大男で金髪で毛むじゃら。鋭い青い眼。マルティン・ベックをはじめとする周りの警官が総じて陰で静なのに対してラーソンは陽で動だ。おきまりのヘタレ巡査二人組も登場。
小丸1ピラミッド (創元推理文庫)ヘニング・マンケル (著), 柳沢由実子 (翻訳)
 マンケルの生んだ警察官クルト・ヴァランダー。本書はヴァランダーがまだ二十代でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」「裂け目」から、イースタ署に移ったばかりの頃に遭遇した事件「海辺の男」「写真家の死」を経て「ピラミッド」に至る5つの短編を収録。最後の方の憂鬱そうで大儀なクルトではない溌剌とした彼にも会える。ピラミッドでは、仲が悪い実父を助けにアフリカに行く。このお父さんは画家ということもあってか、かなりユニークな性格だ。

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