次の日、劇場には更に大勢の観衆が詰めかけました。
しかし大多数の者は、田舎者の芸を見に来たというよりも、田舎者の無様な芸を見て、笑い者にしてやろうと思ってやって来たのです。
まず最初に、昨日の道化
が「ブー、ブー」と鳴いて、そして「キー、キー」と叫び、昨日と同じように観衆の喝采
を浴びました。
次は田舎者です。
彼はさっそく、子ブタ
の鳴き真似をしました。すると、人々は、
「下手くそ
さっきの道化の方が、はるかに上手な物真似だったぞ
」と、叫んで、田舎者を劇場から叩き出そうとしました。
すると、その時、田舎者はマントをパッと脱ぎ去りました。
なんとそこには、本物の子ブタ
がいたのです
田舎者は子ブタ
の鳴き真似ではなく、本当の子ブタ
の鳴き声を聞かせて
いたのでした。
あぜんとする観衆に、田舎者は言いました。
「これであんたたちが、どれほど立派な審査員だったか。よくわかっただろう
」
人間とは、うわさや前評判に左右されやすい生き物です。
いくら評判がよくても、それが真実であるとは限りません。
おちまい
いやいや、わかるけどーーー・ちょっとその田舎者さん「勘違いしてにゃい?物真似の上手いヘタの評価であって、そこに本物の子ブタ
を持ってくるとは
あーーーたっ、それは筋違いってもんじゃありやせんかあーーー
(づれづれ草委員会一同)
チョメチョメ
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