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2017年10月15日22:19

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広上さんのショスタコを久々に聴きました・・・・京響西宮公演

広上淳一の真骨頂は実はここにある、と再認識しました。

西宮 兵庫県立芸術文化センター
京響西宮公演
広上淳一指揮 京都市交響楽団
(コンサートマスター 渡邊穣)
ヴァイオリン独奏 ボリス・ベルキン
ウォルトン:「スピットファイア」前奏曲とフーガ
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
ブラームス:交響曲第1番ハ短調

結論から言ってしまうと、ショスタコが一番の聴きものだったです。

実は、ぐすたふくん、この曲、ライブで今まで2回聴いている(はず)なのだけど、全然覚えてない。6年前にPACオケを道義さんが振った時に、同じベルキンさんで同じ曲をやっている、という記録があるのだが、思い返すに、遅刻してきたかなんかで、結局この曲は外で最後の4楽章をモニターで見ていたような記憶がある。ベルキンさんって、実はその前に2回ほど聴いていたのだが、めちゃくちゃ上手いけどあんまり真剣に弾かない、斜に構えて弾き飛ばす、っというイメージを持っていたのに、この曲はすごく一所懸命に弾くんだなあ、と妙に感心してみていたような気がする。

そんなもんで、ベルキンさんが今日はどうなるか、京響でショスタコーヴィチをやるのを初めてみる広上さんはどんなもんか、というところが今日のぐすたふくんの興味の中心でした。(もちろん、ニシジンゲヴァントハウス・オケとしてのブラームスがどんなもんか、というのも興味をそそられるところではあるのだけど)

京響のシェフになるまでの、僕の広上さんのイメージは、ショスタコを振った時の圧倒的強烈さ、というのが一番だったんだけど、今日はそれをまざまざと思い出しましたね。ああ、そうそう、こういう人だったんだ、と。

どう表現していいかわからないけど、まさに「尖がった」というに相応しい演奏だったです。ベルキンさんのヴァイオリンもキレキレで、まさに「爆演」。エキセントリックさ、という意味では、「ロックンロール」に限りなく近いところまで行ってたんじゃなかろうか。

そこまでこの難曲を弾きこなせてこその演奏なんだろうなあ。特に4楽章なんて、すごいのなんの。

広上淳一とボリス・ベルキン、この二人とも、その奥に秘めているのは、触ればけがをしそうなぐらいの、ギラリと光る才気なんだなあ。それゆえの魅力、というのも音楽にはあるんですねえ。

ウォルトンはもう何ともチャーミングな魅力にあふれた「ポップス」で、これを粋にやってのけるのも、才人広上淳一の真骨頂。そして、それをここまでカラフルにゴージャスに仕立て上げることのできるのも、京響の魅力。これは、やっぱり関西一だなあ、って思いました。

だから、ブラームスの魅力が、どうしても見劣りしたのも事実。今日は、後半、「ゲヴァントハウス」になるまで、ちょっと時間がかかったような気がするなあ。特に1楽章、弦の音が何とも固くて、えええ?こんなはずじゃ・・・って思いましたもの。でも、楽章が進むにつれてよく鳴っていき(聞いている方の耳が慣れてきた?)、4楽章では十分に懐深く鳴る音になっていて、さすがはこの頃の京響の音。特に、今日は、ティンパニの中山さんの打ち込みの見事さに目を見張りましたね。素晴らしい音だったです。もう一つ挙げるなら、4楽章序奏最後のトロンボーンのコラール、弱音で伸ばした和音の消え方も素晴らしかった!

ただ、ブラームスに限って言うなら、今日のブラ1より、前回のブラ3の方が良かったかなあ。でも、「広上京響のブラームス」というものを聴く楽しみ、どんな風になるんだろう、と思える幸せ。それは本当にありがたいことです。また次、楽しみに待ちますね。


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