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2016年12月03日11:05

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東京湾埋め立てと新首都「ヤマト」計画

加納 久朗(かのう ひさあきら)は日本住宅公団の初代総裁で、千葉県知事だった人だ。もっとも千葉県知事は在任111日で急逝しているから特に記憶に残る事業というものもない。父親は上総一ノ宮の藩主、孫は橋本龍太郎の妻、妹の孫は麻生太郎だ。
しかし、有名なのは1959年に著した「新しい首都建設」だ。
その構想によると、まず東京湾の半分を埋め立てる。埋め立て範囲は晴海埠頭から富津岬(木更津あたり)までの範囲だ。埋め立ては房総半島の先端の山を削って資材とする。工法は原子爆弾による地下核爆発を利用するとある。千葉県はほとんど平らな地形で房総半島先端部分(館山周辺)しか小高い部分がない、だからここを削れば千葉県全体がほとんど平地になる。これが実現したら、山と海の両方に広大な土地が生まれる。
※千葉県で一番高いところは愛宕山で408m、清澄山が377m、ついで御殿山が364mだ、ともに房総半島先端の館山周辺あたり

この構想は1959年当時の東京都の人口は900万人で、これが毎年30万人ずつ増加すると土地が足りなくなるというのでその解決策として考え出されたものだ。
工期はは30年、費用は2兆5千億円と試算されている。さすが、日本住宅公団の総裁だ。現在の東京湾沿岸はほとんど埋め立てでできた土地だ。地図を見たら海岸線のまっすぐなところは人工の護岸に決まっている。これらのほとんどを住宅公団や関連の土地造成事業だとすれば、あながち夢物語ではなかったといえよう。(二億坪埋め立て計画)
彼の構想の中に、東京湾中央部には人工島をつくって、首都機能と皇居を移転、千葉と神奈川から架橋して一都二県のアクセスを確保するとある。新首都の名前は「ヤマト」と構想しているからすばらしい。決して実現不可能な構想なんかじゃなかったと思う、ただ凡庸な議員や事なかれ主義の官僚にはビジョンを理解して実現する能力は無かったと思う。こういう仕事にはトップダウンで突っ走るリーダーというものが必要だったんだろう。合議やボトムアップという意思決定プロセスでは実現できなかったんだと思う。
もしかしたら、いつも強力なリーダーシップって奴が求められているんじゃないだろうか?
米国は次期大統領が決まった。英国、フランス、イタリアは交代がほぼ決まりだし、ドイツだって危ない。韓国は引きずり下ろされたし、フィリピンや台湾は過激(?)なリーダーが活躍中だ。あちこち、目が離せない状況だなぁ。

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