mixiユーザー(id:5456296)

2016年10月25日12:29

302 view

「国の裏切り」「廃炉なら明日にも更地に戻して」もんじゅ見直しに福井県知事、敦賀市長が激怒 無策を痛烈批判

 下記は、2016.10.25 付の産経ニュース【関西の議論】です。

                       記

 核燃料サイクルの中核を担うとされてきた高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)が風前のともしびとなっている。トラブルや不祥事が続き運転の見通しが立たない上、年間に約200億円の維持費がかかることから、政府は廃炉を含めた抜本的な見直しに着手、年内に結論を出す方向だ。これに反発するのが、長年もんじゅに関わってきた同県と敦賀市で、サイクル政策を曖昧なまま放置してきた政府に対し、責任を求める声が上がっている。

「国の裏切り」

 「いろいろな思いがある中で応援をしてきた。上京して政府を訪れた際は『何も決まっていない。幅広く検討をする』という答えだった。バカにされているような気がする」

 政府の原子力関係閣僚会議がもんじゅ見直しの方針を確認した9月21日、敦賀市の渕上隆信市長は報道陣を前に険しい表情で語った。

 渕上市長は前日の20日、県内の他の原発立地3町長とともに上京。文部科学省、経済産業省、官邸にもんじゅの存続を訴えたばかりだった。「一夜明けて、なぜ言ってくれなかったのかという気持ちが非常にある」と不信感をあらわにした。

 原子力行政は地元の理解なくしては進めることはできない。松野博一文科相は21日夜に急遽、福井県を来訪した。

 しかし西川一誠知事も反発の姿勢を隠さず、渕上市長とともに臨んだ松野氏との面談で「無責任きわまりない。文科省や国の裏切りと言われても仕方がない」と国の対応を痛烈に批判。「長い歴史と地元の努力がある中、地元に説明がないまま見解が示されたのは無責任極まりない」と嫌悪感を隠さなかった。

事故隠しに安全軽視

 もんじゅは平成6年の初臨界から22年が経過したが、運転実績は累計わずか250日。発電と同時に消費した以上のプルトニウム燃料を生み出す「夢の原子炉」と呼ばれたが、役目を果たさないまま終焉が見え隠れしている。

 破綻の芽となったのは、最初にして最大のつまずきでもあった平成7年12月のナトリウム漏れ事故。試運転中に2次冷却系配管に設けられた温度計のさやが折れ、漏れたナトリウムから発火した。危険な原子炉というレッテルが貼られたうえ、動力炉・核燃料開発事業団(当時)が現場の映像を意図的に編集した「ビデオ隠し」や虚偽の報告が発覚した。

 この時点で事故は事件の様相を帯び、もんじゅの行方は大きく揺らいだ。ナトリウム漏れ対策などの改良工事を施し、県や敦賀市への安全性説明の末、14年5カ月ぶりに運転を再開できたのが22年5月。ところが直後に燃料の中継装置を原子炉容器内に落とすトラブルが発生し、運転再開が遠のいた。

 さらに約1万件の点検漏れが発覚。24年12月、当時の原子力機構理事長は原子力規制委員会によるヒアリングに「形式的ミスが出るのはやむを得ない」と発言し、規制委の不信感を一層強め、事実上の運転禁止命令が下ることになった。

 後に田中俊一規制委委員長は「もんじゅを機構に委ねているのが妥当なのかを含め、文科省に認識を聴きたい」と発言。運営主体変更の勧告へとつながることになった。

不信の中の3者協

 数々の不祥事やトラブルの中、反原発の風評にさらされ続けてきた地元の不信感は、弱まる気配がない。

 渕上市長は政府の方針確認後も経産省を訪れ、「もんじゅ抜きで核燃料サイクルや高速炉開発が進められるのか、説明していただきたい」と政務官にただした。10月18日には同市内での原発関係者の懇談会で「政府は一方的に方針を決め、立地地域の思いがないがしろにされたことには納得できない」と改めて反発。定例会見でも「廃炉にするなら、明日にでも更地に戻してもらいたい気持ちは変わっていない」と語気を強めている。

 一方、西川知事も文科相、経産相との3者協議「もんじゅ関連協議会」の開催を国に求め、松野文科相も「調整をしたい」と前向きな考えを示している。

 関連協は平成16年5月、もんじゅのナトリウム漏洩対策工事の前に知事の要請で第1回が開かれ、散発的に継続されてきた。西川知事は「東京だけで机上の議論をすると、もんじゅの実績や将来にとっていい結論が出ない」と述べ、もんじゅに代わる高速炉の方向性を官民で協議する「高速炉開発会議」だけですべてが決まることへの警戒感を示した。

 原子力を含むエネルギー政策は国策で、地元の理解がなければ進まない。これまでの商業用原発再稼働に当たり、西川知事や福井県内の原発立地市町の首長は原子力発電について「国民理解が深まっていない」と警鐘を鳴らし続けてきた。もんじゅ廃炉が地元への裏切りととられている限り、3者協が波乱含みになるのは必至だ。
.
 http://www.sankei.com/west/news/161025/wst1610250001-n1.html
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する