◆3日目
7:30/横尾山荘(標高1620m)チェックアウト、周囲の散策⇒7:55/登山再開⇒
8:35/槍見台(ここで8:55までウェアリング調整＆小休止)⇒9:45/第2ベンチ⇒
9:55/なんちゃって槍見台(ここで10:05まで小休止)⇒11:30/第3ベンチ⇒13:00
/稜線分岐(標高2625m)へ到達⇒13:25/蝶槍(2664m)登頂⇒13:50/稜線分岐(標高
2625m)⇒14:15/瞑想の丘⇒14:25/蝶ヶ岳ヒュッテ(標高2660m)チェックイン
※途中昼食を含め未計測の休憩が累計で約60分
続きました。
【3日目】
朝です。おはようございます。早速外の様子を見る。雨は降っていないがガスで真っ白だ。うーん、どうなんだろうねえ。朝食を済ませ乾燥室で衣類の回収。昨日はスタッフの指示通り、濡れた物は全部乾燥室に入れてから部屋、とのことだったので、登山靴・レインウェア上下・ザックカバー・チェストバッグのレインカバーを乾燥室に入れ、お風呂の後はタオル類も乾燥室へ。衣類がオールドライで山行を再開出来るのはありがたい。今日は蝶ヶ岳ヒュッテに到着すればいいので、かなりノンビリ支度をして7時半過ぎにチェックアウト。通常より2時間も遅い。普通なら6時には登山を再開してますからね。
折角なので横尾大橋を渡って川の対岸を偵察、横尾山荘に戻って来るとまた雨が降り出した。まあ仕方あるまい。チェックアウトの時からレインウェア上下を着こんでザックカバーも装着してるが、たぶんこの先ずっとこのままなんだろうなあ。
8時ジャスト、登山再開。槍ヶ岳方面への分岐を右に折れる。スタートからいきなりの急登だ。雨に濡れたコケ類が艶々と輝いており、ぱっと見奥秩父の様な光景だが植生が全く違う。植物はあまり詳しくないが、奥多摩の様な杉林でも丹沢の様なブナの森でもなく、ダケカンバがほとんどのようだ。コケに加え、キノコがそこいら中に生えている。これ、種類が分かったら結構楽しいかも知れない。サアサアと雨の降りしきる中、展望の全く利かない樹林帯の急登をせっせと歩く。後から来る者もすれ違う者も誰もいない。
「暑い。。蒸し暑い・・・。」
いやもうホント、サウナスーツ状態ですよ。程なくして最初のマイルストーン、「槍見台」に到着。雨が落ち着いているのでここでウェアの上を脱いでレインパンツを下まで下し、放熱タイム。湿度100％の急登を重い荷物背負って歩くので、ちょっとすると直ぐにウェアの中が汗で結露してくる。ゴアテックスと言ってもこれは避けられない。槍見台から先も、少し歩いてはクールダウン、体が冷えたら歩くの再開、を一体何回繰り返しただろうか。「第2ベンチ」「なんちゃって槍見台」「第3ベンチ」と、ポイントをいくつか通過して、時間も時間なので稜線の手前でお昼ご飯。横尾からは既に標高差1000m以上を上がっているので、流石に気温は低い。風が吹くとアッという間に体が冷える。
標高2600m近辺で森林限界を突破。ハイマツと岩だらけのアルプスらしい景色になってきた。遮蔽物がないので風は更に強い。標準コースタイムの7割増しくらいの時間をかけてやっと稜線に到達。真っ白で何も見えない。帽子は上からレインウェアのフードを被ってドローコードを引かないと飛ばされてしまうくらい風が強い。目の前にある道標以外、完全にホワイトアウトしてて本当に何も見えない。このまま小屋に向かってもいいがまだ昼過ぎだ。いくら何でも早すぎるので、蝶槍まで足を延ばすことにした。視界不良と強風のため、HGさんは難色を示すが、OG原さんは
「地図だと往路と復路の時間差、5分ですよ。つまりほとんどフラットってこと。みんな経験者だし、これくらい大丈夫でしょ。」
と先陣を切る。が、ホワイトアウトで何も見えない。足元だけ見て歩くが、とにかく幅の広い尾根の様で迷子にならないか不安になる。途中、三角点があったので一旦止まって位置確認。風で一瞬切れたガスの向こう側にトンガリのシルエットが浮かび上がる。ほう、あれが蝶槍か。ハイマツ帯を進み、トンガリの足元に到達。一瞬、峻険な岩稜帯かと思えたが、全然普通だった。ポール持ったままでも問題なく登れ、あっという間に登頂。標高を記した指標もなく、そこには蝶ヶ岳ヒュッテまでの時間が書かれていた。何ともしょぼいピークだが、1990年まではここが蝶ヶ岳の最高点だったらしい。
記念撮影だけしてそそくさと稜線の分岐点に引き返す。ここでガスが少し晴れてきて、稜線の全貌を見ることが出来た。おお、何てゆったりしているんだ！北アルプスとは思えない(槍穂エリアと比較して)のどかな光景。稜線は幅がありすぎて高原にいるような感じである。梓川も下の方はガスが晴れて、屏風岩の下半分が見える。目測で3000mエリアはガスの中だがその下、涸沢カールもチラチラと見えたり隠れたり。やっとご褒美にありつけた感じがして一気にテンションが上がる。遠く蝶ヶ岳ヒュッテが見える(実際に見えていたのは「瞑想の丘」の指標盤にある避雷針だったのだが)。その奥の盛り上がったところが蝶ヶ岳の山頂だろうか。強風は変わらずだが、やっとお楽しみの稜線歩きができた。これ、晴天だったら最高のロケーションなんだろうなあ。雨で仕方なく来たけど本来は晴れの日を狙って景色を楽しみに来るような場所なんだよ、絶対。
14時半、蝶ヶ岳ヒュッテにチェックイン。靴置き場に靴が全然無いことから、登山客はほとんど居ないことが推測できる。受付を済まして部屋へ。蚕棚の二段ベッドだが、少なくとも布団1枚に1人は問題無さそうだ。乾燥室にレインウェアやザックカバーを干しに行き、寒いのでフリースを着る。本来なら小屋の周辺をノンビリ散策でもしたいところだが、この天気では無理。ガスで何も見えない上に雨ですからね。となればやることは一つ。
「飲みますか。」
もうね、こんなんばっか。
小屋の入り口がそのまま自炊スペースになっており、3人で移動。ワインや日本酒などの醸造酒系は昨日消費したので、今日は小屋で買ったビール以外は専ら焼酎。HGさんお馴染みのプラティパスに詰めた海童や自分が持参したミニペットの焼酎を消費する。コーラやウーロン茶などのソフトドリンクを買って、適当に酎ハイにして飲む。昨日の余ったフランスパンや余ったキャベツ、缶詰などを消費。やっぱ標高が高いのでそれなりに寒い。
夕食は人数が少ないので一回のターンで終了。数えたところ、本日の宿泊数はたったの18人しかいないみたいだ。夕食後は談話室で山漫画でも読もうかと思っていたのだが、照明が暗くて全然読めないというか字が見えない。昨日と違って今日はかなり疲労(と言っても日帰り登山レベル)しているので、消灯時間前だが寝ることにした。人数が少ないせいか、いつになく寒い。布団に潜り込んで、お休みなさい・・・。
その�い紡海�・・・。
■写真解説
�”�でガスが流れ、一瞬シルエットが見えたトンガリ、これが「蝶槍」です。1990年までここが蝶ヶ岳の最高地点だったそうですよ。
�△如�蝶槍の上はこんな感じのプチ岩稜帯ですが、ホント一部分だけでした。
��だいぶガスが晴れてきました。分岐から蝶ヶ岳方面を見るとこんな感じ。広々とした尾根、ここ天気良ければ最高に気持ちいいだろうなあ。
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